順風満帆な人生に忍び寄る癌(がん)。 死を覚悟した友人の決断と闘病を綴った本を作ります。クラウドファンディングで出版のための費用を集めています。

DOGG▲（所在地：静岡県御前崎市、代表取締役：日高一生）は、癌を患ってしまった友人の決断と闘病を綴った本を出版する資金を調達するために11月15日よりクラウドファンディングを開始しました。

今月15日に公開、17日には MotionGalleryサイト上で急激な勢いで応援が集まっているプロジェクトを取り上げる『人気急上昇中のプロジェクト』への掲載が開始されています。

「クラウドファンディング プラットホーム MotionGallery」

https://motion-gallery.net/projects/sunsunsun

プロジェクトの概要と背景

今から約15年前、千葉県で一人の友人と出会いました。偶然"日高"という苗字が一緒
だったので親近感を覚え、まるで従兄弟のような不思議な関係が生まれました。 私
よりもみっちゃんの方が少し年上で、気候や自然など色々な物事に対してたくさん
の知識を持っており、一緒にいる事で色々と学ばせてもらえることも多かったです。
しかしお互いロクに仕事もせず、毎日サーフィン、昼夜問わず飲み明かす生活をして
いたので野暮な事が起きないわけがありません。彼と私は疎遠になって、私は静岡県
に、彼は2011年の震災を境に故郷である屋久島に引っ越し、お互い少しずつマトモ
な生活に戻って行きました。
今年の春、彼は久しぶりに私に連絡をくれました。彼の声は変わらず優しく、「キャン
ピングカーで日本一周するからお前の所にも寄るよ」と言っていました。私も「楽し
みにしてるよ。」答えました。
そんなやりとりを忘れかけていた夏、１０年一緒に過ごした私の愛犬が天国へ旅立
ちました。昨年口の中にデキモノが見つかり、動物病院に連れて行くとデキモノは癌
であり、長くはないと告げられていました。子どもがいない私は愛犬をまるで自分の
息子のように可愛がっていたので、それはそれは悲しくてたまりませんでした。
愛犬との別れの次の日、携帯にみっちゃんから着信があり、「明日そっちに行くよ。
サーフィンしよう。」と言ってくれました。彼が来てくれなければカミさんと2人、愛
犬がいない悲しさでシミったれた時間を過ごすような状況だったので、彼との再会
は心から嬉しく、スーパーに行ってお酒を買い込み、彼の到着を待ちました。
早速約15年ぶりの再会を祝してビールを注ごうとしましたが、彼は断り「酒は止め
た。実は俺ガンなんだ。飲みたくても飲めないんだよ。」と告げました。
そして心臓と同じくらいの大きさの癌があり手の施しようがない事、抗がん剤治療
も行わない事、余命一年と告知させられている事、キャンピングカーで会いたい人に
会いに行く旅をしようと思った事などを話ししてくれました。
私は目の前で起きている現実を受け止めきれる度量を持っておらず、「明日はきっと
波がいいから早起きしてサーフィン行こう。」と話し、毎日遊んでいたあの日のよう
に楽しい夜を過ごしました。
それから３日間一緒に過ごし、次の目的地へと旅立って行きました。約２週間後、今
度は家族を連れて再訪してくれて奥さんと子どもを紹介してもらいました。彼の子
どもは２歳でしたが障がいを持っており、歩く事が出来ませんが、明るくて可愛く
て、彼のことが大好きな利発な子どもでした。
私は彼と共に過ごした時間の中で、彼の半生と闘病を綴った静かでささやかな本を
作りたい、と思いました。彼も私も日々を楽しみ尽くし、結果散々人に迷惑をかけて
周りの人に助けられ最終的に自分でケツは自分で拭かざるを得ない事を知る、といった贅沢な人生を歩んできたわけですから、彼の見てきた物や感じた事、彼の経験から得た生きるための術などを周りの人に残した方が良い、そしてその手伝いをすること
が今の私のやるべき事だと思いました。