Maxim、本格EV時代に対応する「GMSL SerDes技術」を紹介

このデジタル時代でもAMラジオは依然として重要な役割を担っていますが、電気自動車(EV)でこの帯域を提供するのは難しい課題です。そのため、多くの電気自動車およびハイブリッド車は最初からAMラジオを備えていません。これは主として、厄介な電磁干渉(EMI)問題が原因です。適切に対処しないと、EMIは先進運転支援システム(ADAS)、インフォテイメントシステム( https://www.maximintegrated.com/jp/markets/automotive/adas.html )、およびその他の車載サブシステムの動作を妨げる可能性があります。電動ドライブトレインからのEMIはAM信号の受信を妨害します。

電気自動車での干渉の発生源は、電気エネルギーを機械的エネルギーに変化させて電気モーターの速度と回転方向を制御する周波数コンバータです。これらのコンバータは素早く連続的に電流と電圧をオン/オフするため、EMIが発生します。EVメーカーはこれらの自動車でラジオの受信を提供するために、フィルタを装備し、ケーブルを絶縁してきました。しかし、自動車内で大量のデータを伝送する必要があることを別にして、EMIの緩和だけを考えても、コスト、重量、および性能に関する検討課題が残ります。

 

イメージ画像:自動車のEMIは、AMラジオを含むさまざまなサブシステムに干渉します。

 

ADASやインフォテイメントなどのシステムを考えると、今日の自動車は車輪の付いたコンピュータのようなもので、大量の電子部品が搭載されています。これらのサブシステムのすべてのデータを伝送するために、自動車ではイーサネットバックボーンが一般的に使用されます。イーサネットはCANバスより100倍高速のリンク上でデータを伝送することができます。しかし、レベル5の完全自動運転車に向かう進歩の中で、ビデオ、オーディオ、および通信データの量は増え続けて行きます。高解像度(HD)ビデオディスプレイはウルトラHD (UHD)ディスプレイへと向かい、カメラの数が急増し、インターネット接続によって多数の車載アプリケーションの普及が進みます。多くのアプリケーションが必要とするリアルタイム応答を提供するためには、より高い速度と、より高レベルの帯域幅、性能、および信頼性に加えて、低遅延も備えたシリアルリンクが不可欠になります。

 

電気自動車とハイブリッド車のメーカーにとって、電子システム、EMI、および高速シリアルリンクの間の相互作用を管理することは重要な設計上の課題です。自動車の電気的な必要を満たすために、長年にわたって銅線が使用されてきました。自動車のワイヤハーネスは多数の銅線で構成され、最も高コストで重量のある部品の1つになっています。幸いなことに、1組のツイストペア銅ケーブル上でより広帯域幅の動作を提供するIEEE®規格が登場しました。

 

しかし、すでに現時点で自動車が対応すると思われるさまざまな種類のアプリケーション、および今後の登場が予想されるものを考えると、イーサネットでさえ不十分になる可能性があります。次世代のシリアルリンクソリューションが必要であり、ギガビットマルチメディアシリアルリンク(GMSL)シリアライザ/デシリアライザ(SerDes)技術( https://www.maximintegrated.com/jp/products/interface/high-speed-signaling/gmsl.html )がそれに応えます。GMSL SerDes技術は、HDビデオ、オーディオ、制御情報、集約されたセンサーデータ、ギガビットイーサネットを15mの単一同軸ケーブルまたは10m~15mのシールドツイストペアケーブル上で同時に伝送します。これらの高速リンクは、厳格な車載電磁環境適合性(EMC)仕様を満たします。同軸およびシールドツイストペアケーブルは、従来の複雑な相互接続バックボーンを簡素化するとともに、より低いシステムコストでビデオマルチストリーミングに対応します。この技術は無圧縮で、現行世代では車載アプリケーション用のビデオをイーサネットより10倍高速なデータレートで伝送し、同じくイーサネットとの比較でケーブルコストを50%削減します。GMSL SerDes ICはスペクトラム拡散機能を内蔵し、強化されたEMI性能を提供します。

 

GMSL SerDes技術によって、AMラジオのEV設計への内蔵、および自動車内の複数データタイプの高速、同時伝送への対応がどのように可能になるかの詳細については、IEEE Xplore Digital Libraryに掲載されているマキシムの「Addressing EMI in Electric Cars with Radio Tuner Architecture」という記事をご覧ください。

http://webservices.ieee.org/xplore/xplore-ie-notice.html?targetUrl=https%3a%2f%2fieeexplore.ieee.org%2fdocument%2f8197482%2f

 

■Maxim Integratedについて

Maximは、セキュリティ強化とエネルギー効率に優れた革新的なアナログ/ミックスド・シグナル製品と技術を開発・提供し、システム製品の小型化、スマート化の実現に貢献しています。Maximは自動車や産業、医療、モバイル、クラウド・データセンターのお客様の設計革新を後押しし、世界を変革できるような業界を牽引するソリューションを提供しています。詳細については、www.maximintegrated.com/jpをご覧ください。



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企業名 マキシム・ジャパン株式会社
代表者名 Tunç Doluca
業種 精密機器

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