メニューは店員が決めて、金額はお客が決める!? ~接客のコミュニケーションを反転したカフェ「OTHELLO COFFEE」、学生が仕事のやりがいに気付く~
私たちは、「30年後の働き方を考える」というテーマに取り組みました。そこから、30年後、職業の選択肢が増えた中で最適な職業選択をして欲しい、特に学生に仕事の「やりがい」を感じて欲しいと考えました。そこで、学生2人を雇い、一日限定のカフェ「OTHELLO COFFEE」を開店しました。このカフェの特徴は、ずばり「ひっくり返す」です。例えば、⑴メニューを決める人が店員、⑵料金を決めるのはお客様、などです。これはすべて学生の「やりがい」につながるようなシステムになっています。企画後、学生たちは普段のアルバイトでは感じることのできない「やりがい」を感じることが出来ました。私たちは、「30年後、最適な職業選択をしてほしい」という思いから、この企画を実行しましたが、実は「30年後はやりがいを感じられるような仕事しか残っていないのではないか」ということに気付きました。
〈要約〉
私たちは、メディアプロデューサーズスクール”IMAGE”の14期生として「30年後の働き方を考える」というテーマで企画活動に取り組みました。さまざまな調査活動や課題整理の末、来る30年後に職業の選択肢が増えた中で最適な職業選択をして欲しい、そのためには将来社会人となる学生に社会における仕事の「やりがい」を感じさせることが重要であると仮定づけました。やりがいを仕事環境におけるフィードバックの最大化で発生させられると考え一日限定のカフェ「OTHELLO COFFEE」を開店しました。このカフェの特徴は、ずばり「ひっくり返す」です。例えば、⑴メニューを決める人が店員、⑵料金を決めるのはお客様、などです。これはすべて学生の「やりがい」につながるようなシステムになっています。企画後、学生たちは普段のアルバイトでは感じることのできない「やりがい」を感じることが出来ました。
〈企画内容〉
一日限定(完全予約制)のカフェ「OTHELLO COFFEE」を開店しました。OTHELLO COFFEEは普通のカフェとは違い、何もかもがまるでオセロのようにひっくり返っています。
⑴メニューを決める人をひっくり返す
通常お客様がメニューを選んで注文するのに対し、このカフェでは、メニューは一切存在せず、お客さんに一番合うコーヒーを提案する「コンシェルジュ型」を採用しています。これは、店員とお客様のコミュニケーションを活発化させるためです。
⑵料金を決める人をひっくり返す
通常は店側から料金を提示し、お客様に支払ってもらいますが、このカフェでは、料金はすべてお客様が決めることが出来ます。これは、お客様の満足度や評価を可視化し、店員のやりがいにつなげるためです。また、どこを評価されたのかを明確にするために、内訳が分かるような工夫をしました。
⑶エプロンの色をひっくり返す
これは、お客様に、店員が付けている黒のエプロンに白いペンでメッセージを書いてもらうことによって、感じたやりがいをモノとして残すためのものです。この企画の中でやりがいを感じるだけでなく、持続させるための仕組みです。
〈結果〉
この企画を通して私たちは2つの結果を得ることができました。
1.学生たちの将来への意識の変化
「OTHELLO COFFEE」を通して、学生店員は仕事のやりがいを感じることが出来ました。企画前に「何のために仕事をしているか分からない…」と言っていた店員が、企画後には「誰かを喜ばせることが仕事だと思います。私自身も接客やサービスに対してお客様に褒めていただけたときはとても嬉しかったです。」と、仕事の意味を見出していました。また、企画前に「やりがいについて考えたことがありません…」と言っていた店員が、企画後には「お客様の美味しかった、の一言で、こんなにもあたたかい気持ちになれるのだな、と思いました。やりがいを感じました。」と、やりがいとは何かを掴んでいました。
2.ビジネス上でのサービスの重要さと可能性
客単価はコーヒー一杯分の値段としては、現在の一般的な各店舗の提供単価より高い結果となり、支払金額の構成要素としては、サービスに支払われた金額が全体構成の75%を占め、比率として高いことが分かりました。サービスの質やコミュニケーション量を増やすことでビジネスとしても売り上げに大きく貢献する結果が得られました。
〈活動〉*詳細はページ一番下の参考をご覧ください。
〈企画デザインの筋道〉
「30年後の働き方を考える」というテーマに沿い30年後の働き方について調査すると、30年後は企業就職以外に選択肢が増えるだけでなく、一人あたりの転職回数が平均1回を超えるということが分かりました。
また、仕事に対する姿勢について現状を把握するために約60名の学生・社会人に対して「仕事・アルバイトにおいて人を幸せにしている実感はありますか」というアンケート調査をしました。すると、社会人よりも学生のほうが仕事(アルバイト)において人を幸せにしている実感がないということが分かりました(幸せにしている実感がある人の割合→学生40.6%、社会人88.4%)。そこで、私たちは、今の学生が30年後、働き方の選択肢が増えた中でも、自分に適した職業選択が出来るように、やりがいを感じることが出来るきっかけを与えられるような企画を考えました。それが「OTHELLO COFFEE」です。
〈考察〉
この企画を私たちが実行するきっかけになったのは、30年後、職業の選択肢が増えた中で自分に適した職業選択が出来るように、ということでした。しかし、企画を終えて分かったことは、やりがいのある職業を選びましょうということではなく、「30年後にも残る仕事は人に感謝されるような仕事なのではないか」ということです。30年後はやりがいがあるから仕事をするのではなく、やりがいがないと仕事にならない時代になるのではないでしょうか。
〈参考〉
私たちはNPO法人創造支援工房フェイスが主催する「I-MAGE」というカリキュラムで活動している学生です。創造力や企画力を身に付けるため、日々、広告・メディア系について学んでいます。今までに400人以上の卒業生を輩出しており、その多くがメディア業界で活躍しています。「I-MAGE」は、今年で14期目を迎えます。今年は、「WORK&LIFE~30年後の働き方を考える~」というテーマに沿って日々活動しています。
ホームページ:http://image14chao.wixsite.com/othellocoffee
インスタグラム:http://www.instagram.com/othellocoffee
Twitter:http://twitter.com/othellocoffe
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企業情報
企業名 | 独立行政法人フェイス メディアプロデューサーズスクールI-MAGE14期 Chao班 |
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代表者名 | 原口 彩 |
業種 | その他サービス |