「金色夜叉」の現代語版を大学教授らが電子出版     アマゾン書店で販売、オンデマンド印刷で書籍版も  

桐蔭横浜大学・並木浩一教授らのグループは尾崎紅葉の小説「金色夜叉」の現代語訳を行い、有名な熱海の海岸で終わるまでの物語を電子出版した(テスト版公開済み、8/4正式発売)。この電子書籍「金色夜叉 現代語版 前編 -熱海の恋のものがたり-」は最大手のネット書店「アマゾン」で購入できる。また、紙に印刷した書籍版も、9月以降からアマゾンで注文可能となる。

発表資料                                  2017年8月4日付発表

 

「金色夜叉」の現代語版を大学教授らが出版

アマゾン書店で電子書籍版を販売、オンデマンド印刷で書籍版も

 

 

 桐蔭横浜大学・並木浩一教授らのグループは尾崎紅葉の小説「金色夜叉」の現代語訳を行い、有名な熱海の海岸で終わるまでの物語を電子出版した(テスト版公開済み、8/4正式発売)。この電子書籍「金色夜叉 現代語版 前編 —熱海の恋のものがたり—」は最大手のネット書店「アマゾン」で購入できる。また、紙に印刷した書籍版も、「アマゾン」から注文可能である。

 

「金色夜叉」の電子書籍はamazonで販売されるキンドル版(商品所在URL http://amzn.to/2t0fbwi)であり、専用の端末のほか、アプリを無料ダウンロードしてPC、タブレット、スマートフォンでも読むことができる。また紙の本に慣れた層に配慮し、オンデマンド印刷のため割高にはなるが、印刷書籍版も用意された。

 

「金色夜叉」は貫一お宮の物語として知られるが、映画や舞台に比べて、原作を読み通した現代人は必ずしも多くない。その大きな理由が、セリフ以外は全て擬古文調の文語体という特有の文体と、旧かなづかいだ。テレビや舞台でセリフの劇として見るのには不自由はないが、現代人が読むのは至難の技。並木教授は「現代語訳することで原文の持つ文体の華麗さは損なわれても、男と女の永遠のテーマに対峙したこの小説にはそれを上回る魅力がある」と考え、現代語訳に踏み切った。今回の出版では「熱海の恋のものがたり」として、有名な熱海の海岸のシーンで終わるまで(「金色夜叉 前編」にあたる)を収録している。なお並木教授らは、紙の書籍版を低価格化し「熱海市内の土産店などで販売して観光客らにも広く読んでもらえないか」と構想している。

 

 尾崎紅葉(1868年ー1903年)が読売新聞紙上に連載したこの小説の、有名な熱海の海岸のシーンで終わるまでは「前編」である。その後「金色夜叉」は「中編」「後編」「続金色夜叉」「続続金色夜叉」「新続金色夜叉」と続くが、紅葉の生前には結末に至らず、未完となった。紅葉の没後も「金色夜叉」は現代に至るまで刊行が続き、映画やテレビドラマ、舞台化も数多く行われた。

 

 その紅葉の「金色夜叉」の擬古文調、例えば冒頭部の「未宵ながら松立てる門は一様に鎖籠めて、真直に長く東より西に横はれる大道は掃きたるやうに物の影を留めず」などは実に格調の高い美文だが、現代人が読むには少々敷居が高い。新聞小説について調査を行っていたメディア論・表象文化論研究者である並木教授は、「現代人に金色夜叉の魅力をより広く伝えたいと思った」と、現代語訳の動機を述べている。

 

[書籍データ]

「金色夜叉 現代語版 前編 ―熱海の恋のものがたり―」

キンドル(電子書籍)版756円 印刷書籍版920円+税(オンデマンド印刷)

 

著者:尾崎紅葉 現代語訳者:並木浩一(桐蔭横浜大学教授)・富永淳(編集者/ライター)

発行:タネプロ・並木浩一研究室    パブフル(オンデマンド書籍版のみ)

 

 



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企業情報

企業名 並木浩一研究室
代表者名 並木浩一
業種 教育

コラム

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