オフィスビル市場動向:東京と名古屋のグレードAの空室率は4期ぶりに低下大阪グレードAの空室率は1%割れ

CBRE(日本本社:東京都千代田区丸の内)は本日、2017年第2四半期(Q2)の全国13都市オフィスビル市場動向を発表しました。

【東名大の注目動向】

東京グレードA空室率は対前期比-0.5ポイントの3.7%と、4期ぶりに低下

大阪グレードAの空室率は対前期比-0.6ポイントの0.5%、2007年Q4以来の1%割れ

名古屋グレードAの空室率は対前期比-0.6ポイントの4.6%と、4期ぶりに低下

 

【CBRE 賃料予測】

東京グレードA賃料は2017年下期にピークを打ち、2018年末までに-4.3%の下落

大阪グレードA賃料は需給逼迫を受けて上昇が加速、2018年末までに+5.4%の上昇

名古屋グレードA賃料は、2018年末までに-1.4%の下落

 

■東京23区

2017年Q2の東京オールグレード空室率は対前期比-0.1ポイントの2.3%となりました。国内外の景気回復を受け、国内では企業業績が改善しています。オフィス市場においても、拡張やグレードアップのニーズは引き続き旺盛です。特にIT、製造業、サービス業において、日系と外資系とを問わず立地改善による移転の動きがみられました。今期はグレードAでは、相対的に割安感のあるビルを中心に、まとまった面積が消化されました。この結果、グレードA空室率は対前期比-0.5ポイントの3.7%と、4期ぶりに低下しました。

 

今期のグレードA想定成約賃料は、対前期比+1.0%の36,300円に上昇しました。相場よりも割安だったビルで募集賃料を引き上げるケースがあったことが上昇につながりました。ただし、賃料水準には総じて慎重という企業の姿勢に大きな変化はみられません。そのため、竣工前のグレードAビルでは、早期に入居率を高めたいオーナーが、条件面でテナント目線に歩み寄るケースがみられ始めました。一方、高めの稼働率で竣工した新築ビルでは、当初に比べてやや強気の賃料でリーシングを進めており、その結果、残りの空室の消化ペースが鈍くなるケースが散見されています。

 

こうした中、移転を焦っていない企業では特に、賃料の割高な新築ビルよりも、有利な条件を引き出しやすい未竣工ビルを物色する傾向がみられます。それらのビルで内定したテナントの多くは既存ビルからの移転であるため、移転元のビルでは二次空室の発生の可能性があります。また、今後大量の新規供給が本格化すればテナントの獲得競争が激化し、リーシングが進まないビルでは、募集条件を見直す動きがでてくると思われます。CBREではグレードA賃料は2017年下期にピークを打ち、Q2に対して2018年末までに4%下落すると予想しています。

 

アドバイザリー&トランザクションサービス 執行役員マネージングディレクターの田口淳一は、「様々な業種で立地改善や集約移転を検討しているものの、多くの企業は有利な移転条件を待っている状況。空室を残して竣工した新築ビルのリーシング動向にも注目していきたい」とコメントしています。

 

■大阪

2017年Q2の大阪オールグレードの空室率は対前期比-0.3ポイントの2.9%となり、1993年に調査を開始して以来の最低値を2期連続して更新し、初の3%割れとなりました。今期も、老朽化した自社ビルからの移転、立地改善やビルグレードの向上、業容拡大に伴う拡張移転など積極的な理由で移転を決めた企業が多くみられました。

 

2017年Q2の大阪グレードAの空室率は対前期比-0.6ポイントの0.5%となり、2007年Q4の過去最低値(0.4%)の更新が視野に入ってきました。旺盛な需要を背景にグレードAであればどのビルであっても成約に至るような状況です。想定成約賃料も対前期比+2.4%の21,400円/坪と、2期連続して全国で最も高い上昇率を記録しました。

 

CBRE関西支社長の上遠野孝は、「テナントの意識は、エリアやビルグレードの良し悪しよりも、スペースが確保できないリスクに対する警戒感が上回っている。今後の新規供給も極端に少ないため、空室をめぐるテナント間の競争は勢いを増していくだろう」とコメントしています。

 

■名古屋

2017年Q2の名古屋オールグレードの空室率は2期連続して低下し、対前期比-0.5ポイントの3.4%となりました。市内では業容拡大に伴うテナントの動きが活発です。複数拠点を集約・拡張したケースや、退去が決まったスペースに対して正式募集前に館内増床を早々に決めたテナントもみられました。老朽化ビルの建替えに伴う立ち退き移転も多く、幅広いエリアで空室が消化されました。「伏見・丸の内」エリアの空室率は2.4%と、1999年Q2以来18年ぶりに3%を下回っています。

 

2017年Q2の名古屋グレードAの空室率は、対前期比-0.6ポイントの4.6%と、4期ぶりに低下しました。前期に竣工したビルで、ベンチャー企業や外資系企業などの新規開設ニーズを取り込む事例がみられました。また既存ビルでもワンフロアの館内増床がみられるなど、まとまった空室が消化されました。稼働率の上昇とともに募集賃料を引き上げるビルが増えているため、想定成約賃料は、対前期比+1.7%の24,200円/坪となりました。

 

CBRE名古屋支店長の藤原秀一は、「旺盛なテナント需要を取り込み、全てのグレードで空室が消化されている。特に名駅周辺には、今後の再開発に対する期待感から需要が集中している」とコメントしています。

 

【地方都市の注目動向】

札幌   空室率は0.5%、わずかな空室に引き合いが集中

京都   空室率は0.9%、1996年の調査開始以来初の1%割れ

福岡   空室率は0.6%、深刻な需給逼迫が続く

 

2017年Q2の地方各都市の空室率は、「広島」を除く全ての都市で前期に比べて低下しました。「札幌」、「さいたま」、「京都」、「福岡」では空室率が過去最低値を更新し、いずれも空室率は1%を下回りました。「仙台」、「さいたま」では、新築ビルがほぼ満室で竣工し、拡張ニーズを満たすに十分な供給量がないことを示唆しています。「仙台」の空室率は14年ぶりに5%割れとなりました。

 

想定成約賃料は、全ての都市で上昇しました。前期に続き、「京都」、「福岡」では、対前期比+2%超と大幅な上昇を記録しています。「札幌」、「さいたま」、「仙台」、「広島」でも対前期比+1%以上となりました。多くの都市で上昇率は加速しています。

 

 

■ 各都市のマーケット

出所: CBRE, Q2 2017

各都市のマーケットデータおよび市況の解説詳細は、7月28日発刊の「ジャパンオフィスマーケットビューQ2 2017」または弊社ホームページ上でもご覧頂けます。 www.cbre.com

 

CBRE について

CBREグループ(NYSE:CBG)は、「フォーチュン500」や「S&P 500」にランクされ、ロサンゼルスを本拠とする世界最大の事業用不動産サービスおよび投資顧問会社です(2016年の売上ベース)。全世界で75,000 人を超える従業員、約450 カ所以上の拠点(系列会社および提携先は除く)を有し、投資家、オキュパイアーに対し、幅広いサービスを提供しています。不動産売買・賃貸借の取引業務、プロパティマネジメント、ファシリティマネジメント、プロジェクトマネジメント、事業用不動産ローン、不動産鑑定評価、不動産開発サービス、不動産投資マネジメント、戦略的コンサルティングを主要業務としています。詳細につきましては日本国内ホームページwww.cbre.co.jp をご覧ください。@cbrejapan

 

※免責事項: 本文書は貴社の責任と判断で利用いただくものであり、弊社は、貴社又は第三者が本文書に基づいて行われた検討、判断、意思決定及びその結果について法律構成・請求原因の如何を問わず一切の責任を負わないものとします。

 



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企業情報

企業名 シービーアールイー株式会社
代表者名 坂口英治
業種 不動産

コラム

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