連合調べ “同性同士でもセクハラは起こり得る” 認知率は半数弱

 連合(日本労働組合総連合会)は、「学校教育における『労働教育』に関する調査」を、モバイルリサーチ(携帯電話によるインターネットリサーチ)により、2014年10月3日~10月8日の6日間において実施し、現在就業中の18歳~25歳の男女(アルバイト学生は除く)1,000名の有効サンプルを集計しました。

~~働いていて困った経験~~
◆働いていて困った経験がある 約6割
◆働いていて困ったこと 「残業代不払い」は1割半、「パワハラ」は1割強、「突然の解雇」は約5%が経験

 はじめに、現在就業中の18歳~25歳の男女(アルバイト学生は除く)1,000名(全回答者)に、働いていて経験したことのある困ったことを聞いたところ、「募集時の労働条件と実際の労働条件が異なった」27.2%が最も多く、次いで「所定の労働時間が守られなかった(早出や残業を強いられた)」23.7%、「職場の人から嫌がらせを受けた」15.6%、「残業代が支払われなかった」15.1%、「パワー・ハラスメントを受けた」12.7%が続き、「突然解雇された」は4.8%と見逃せない結果が明らかになりました。また、困った経験をしたことがある人の割合は58.0%と約6割であることがわかりました。


◆働いていて困った際の対応 「同僚に相談」3割、「上司に相談」2割、「ネットで調べた」1割半
◆働いていて困ったことがある人の3人に1人以上は「何もしなかった」

 働いていて困った経験がある人は約6割となりましたが、どのように対応したのでしょうか。
 何らかの困った経験をした580名に、その際、どのように対応したかを聞いたところ、最も多かったのは「同僚(先輩・同期・後輩)に相談した」で30.7%、次いで「親など家族に相談した」21.9%、「友人に相談した」21.6%、「上司に相談した」20.2%が続きました。職場やプライベートでの身近な人への相談が多いようです。また、それらに続いたのは「インターネットで調べた」で15.0%となり、インターネットが、困った経験をした人たちの情報源のひとつになっている様子が窺えました。他方、労働組合や公的労働相談機関に相談した人は1割にも満たず、「労働基準監督署に相談した」は2.1%、「労働組合に相談した」は1.9%、「労働局や地方自治体の相談窓口に相談した」は1.0%でした。また、「何もしなかった」は36.4%と3人に1人以上となり、困った際に何もしなかった人は少なくないようです。
 男女別にみると、「親など家族に相談した」は男性12.8%、女性30.5%、「友人に相談した」は男性13.1%、女性29.5%となり、家族や友人に相談した人の割合は女性のほうが高くなりました。


~~働く上での権利や義務の認知状況~~
◆働く上での権利や義務の認知率 トップは「有給休暇」に関する内容
◆“同性同士でもセクハラは起こり得る” 認知率は半数弱
◆“労働問題の相談窓口”に関する内容の認知率は2割を下回る

 働く上での様々な権利や義務に関する、正しい知識の認知率は、どの程度なのでしょうか。
 全回答者(1,000名)に、働く上での権利や義務について、内容(下表参照)を説明した上で、その内容を知っていたものを選んでもらったところ、認知率が半数以上となったのは「有給休暇」に関する内容64.9%、「雇用・労働契約」に関する内容63.4%、「最低賃金制度」に関する内容61.7%、「育児休業」に関する内容50.8%でした。また、「セクシュアル・ハラスメント」に関する内容の認知率は半数をわずかに下回る48.3%でした。
 他方、「割増賃金」に関する内容(38.9%)や「36協定」に関する内容(36.1%)、「労働組合」に関する内容(35.5%)は認知率が3割台にとどまり、「相談窓口」に関する内容では19.1%と2割を下回る結果となりました。時間外労働や働くうえで困った際の相談に関連することの認知率は比較的低い結果となりました。
 男女別にみると、「育児休業」に関する内容では男性40.4%よりも女性61.2%のほうが認知率は高くなりました。

(各項目に提示した内容)
●有給休暇・・・アルバイト・パートでも条件を満たせば有給休暇が取得可能であること
●雇用・労働契約・・・使用者が労働者を採用するときは、賃金・労働時間その他の労働条件を書面などで明示しなければならないこと
●最低賃金制度・・・最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないこと
●育児休業・・・男性でも育児休業の取得が可能なこと
●セクシャル・ハラスメント・・・同性同士でもセクハラは起こり得ること(例)男性同士:職場の宴会で裸踊りを強要/女性同士:「なぜ結婚しないの」と聞く)
●就業規則・・・就業規則に、労働基準法よりも労働者にとって条件が悪い条項がある場合、その条項は無効になること
●労働災害・・・通勤中の負傷・疾病・障害・死亡も労働災害になること
●退職・・・期間の定めのない雇用契約の場合、会社の同意がなくても退職できること(例:退職願を受け取ってもらえないから退職できない、ということはない)
●解雇・・・労働者を解雇する場合は、少なくとも30日前の予告が必要であること
●割増賃金・・・時間外労働をさせる場合、割増賃金の支払が必要になり、時間外労働に対する割増賃金は、通常の賃金の2割5分以上となること
●36協定・・・1日8時間1週40時間を超えて労働させる場合などに、あらかじめ労働組合(労働組合がない場合には労働者の代表)と使用者で書面による協定を締結しておかなければならないこと
●労働組合・・・労働組合には、憲法で保障された団体交渉権(※)があること※労働者の生活を守るため、労働条件その他の労働関係について会社側と交渉する権利
●相談窓口・・・労働問題の相談窓口は、労働組合やNPO、労働局(厚労省)、地方自治体に設置されていること


~~働く上で関わりのあることに関する学習状況~~
◆これまでに学校で学んだこと 「働くことの意義」7割、「職場の男女平等」6割強
◆「職場のトラブルや不利益な取り扱い」を学校で学んだ 3割にとどまる

 全回答者(1,000名)に、働く上で関わりのあることについて、学校(小学校・中学校・高校・大学・短大・専門学校・大学院)で学んだことがあるかどうかを聞きました。
 学んだ割合をみると、最も高かった「働くことの意義について(働くことの大切さ、労働を通じた社会貢献などについて)」で70.9%、次いで、「社会の仕組みと雇用の関係について」65.6%、「職場における男女平等について」62.7%、「税金について」62.0%が6割台、「労働者の権利について」58.0%、「労働者の義務について」57.6%が6割弱で続きました。調査項目中で学んだ割合が最も低かったのは、「職場でのトラブルや不利益な取扱について(内容や相談場所など)」で29.6%と3割にとどまる結果となりました。


~~職場体験・インターンシップの参加状況~~
◆職場体験・インターンシップの参加経験率 8割弱、「中学生の時の職場体験」は6割
◆職場体験・インターンシップで学んだこと 「働くことの大変さ」5割半、「働くことの意義・大切さ」は3割

 次に、全回答者(1,000名)に、職場体験・インターンシップに参加したことがあるかどうか、ある場合は参加したことのある職場体験・インターンシップについて聞きました。
 「小学生の時の職場見学」に参加したことのある割合は32.9%、「中学生の時の職場体験」では60.3%、「高校生の時のインターンシップ」では23.6%、「大学・短大・専門学校・大学院生の時のインターンシップ」では16.3%となりました。また、何らかの職場体験・インターンシップに参加したことがある割合(参加経験率)は78.1%となりました。

 それでは、参加した職場体験・インターンシップでは、どのようなことを学んだのでしょうか。
 参加経験者(781名)に聞いたところ、最も高い割合となったのは「その職場での仕事内容」77.7%で、次いで、「働くことの大変さ」56.2%が5割半、「社会人としての基本的マナー・言葉使い」32.4%、「働くことの意義・大切さ」、「職場で用いられている知識、技術・技能」ともに30.5%が3割台で上位となりました。


■■その他調査結果■■(※リサーチ結果は、下記URLで公開しております。)
 http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/chousa/index.html  

~~学校教育における労働に関する知識習得~~
◆労働に関する知識を身につけるために必要だと思うことは?
 トップは「社会科の授業でもっと労働に関する内容を取り上げる」
 「企業の人事・労務担当者から学ぶ機会を増やす」ことが必要 3人に1人
 「学校の先生が労働に関する知識をもっと身につける」も3人に1人が必要と回答

~~労働教育や仕事に対する意識~~
◆「働く上での権利・義務を、学校教育でもっと学びたかった」 約7割
◆「働くことの意義を、学校教育でもっと学びたかった」 約6割
◆「働く上での権利・義務を理解すれば、いまよりも安心して働ける」 約7割
◆「働く上での権利・義務を理解すれば、就業形態が多様化した社会でも安心して働ける」 6割半


■■調査概要■■
◆調査タイトル:学校教育における『労働教育』に関する調査
◆調査対象:ネットエイジアリサーチのモバイルモニター会員を母集団とする現在就業中の18歳~25歳の男女(アルバイト学生は除く)
◆調査期間:2014年10月3日~2014年10月8日
◆調査方法:インターネット調査
◆調査地域:全国
◆有効回答数:1,000サンプル・・・有効回答から男女が均等になるように抽出
◆実施機関 :ネットエイジア株式会社

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企業情報

企業名 ネットエイジア株式会社
代表者名 三清慎一郎
業種 ネットサービス

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