イーソルの組込み向けメニーコアOS「eSOL eMCOS」が64コアでも動作
イーソルの組込みシステム向けメニーコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eSOL eMCOS」(イーソル エムコス)が、64コア上でも動作したことを確認しました。使用した環境は、ルネサス エレクトロニクス社製マイコン「RH850」をベースとするメニーコアMCUシミュレータです。
2014年5月13日
報道関係者各位
イーソル株式会社
イーソルの組込み向けメニーコアOS「eSOL eMCOS」が64コアでも動作
~ルネサス エレクトロニクス社製マイコン「RH850」ベースMCUシミュレータで動作確認~
イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川勝敏、以下イーソル)は、イーソルの組込みシステム向けメニーコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eSOL eMCOS」(イーソル エムコス)が、64コア上でも動作したことを確認しました。使用した環境は、ルネサス エレクトロニクス社製マイコン「RH850」をベースとするメニーコアMCUシミュレータです。イーソルは、「第17回 組込みシステム開発技術展(ESEC)」(会期:2014年5月14日(水)~16日(金)、会場:東京ビッグサイト(東京・有明))の自社ブース(ブース番号:西1-76)にて、RH850ベースメニーコアMCUシミュレータで動作するeMCOSおよび開発ツールのデモ実演を行います。
超微細手術用の医療機器や、コンピュータビジョン技術を利用する工場用ロボットや半導体製造装置など、高解像度の画像を扱うプロ用ビデオ機器、クラウドサービスを提供するネットワーク機器といった高次元のプロセッサ性能を必要とする分野で、メニーコアプロセッサの活用が始まっています。しかし、シングルコアおよび4コア程度までのマルチコアプロセッサ向けの従来のリアルタイムOSは、キャッシュコヒーレンシ機構を前提に、1つのカーネルがOSサービスを提供するアーキテクチャのため、事実上メニーコアプロセッサでは利用できません。eMCOSは、こうした限界を克服する新しいOSアーキテクチャを採用した、組込みシステム向けでは世界初の商用メニーコアプロセッサ対応リアルタイムOSです。
eMCOSが採用する「分散マイクロカーネルアーキテクチャ」では、コア間通信を含むメッセージング、コアローカルスケジューリング、スレッド管理などの基本サービスを提供するマイクロカーネルが、コアごとに配置されます。一方、ファイルサービスやネットワークなどのミドルウェアやデバイスドライバといったより高度なOSサービスは、マイクロカーネルとは独立したサーバスレッドとして複数のコアに分散して配置されます。この仕組みにより、キャッシュコヒーレンシ機構を持たないメニーコアプロセッサでも、OSの複数コア間の共有データを少なくでき、コア数が増えてもスケーラブルなシステム性能を提供できます。さらに、特許出願中のスケジューリングアルゴリズム「セミプライオリティベーススケジューリング」(特願2012-247172)により、メニーコアで期待される高いパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、組込みシステムに不可欠なリアルタイム性の両立を実現できます。eMCOSのアプリケーションプログラミングモデルは「eT-Kernel Multi-Core Edition」などのマルチコアOSと同様に、CPUコアを意識する必要はありません。OSのAPIは、通常のC言語関数インターフェースで提供されます。APIで利用するメッセージングなどの仕組みはその内部で隠蔽されて動作するため、開発者はその挙動を意識する必要がありません。eMCOSは、POSIXとT-KernelのAPIをサポートしています。
アプリケーション開発は、各メニーコアプロセッサ標準のEclipseベースの統合開発環境と、それにプラグインして利用する現在開発中の「eSOL eMCOS IDE Plug-in」が利用できます。eMCOS IDE Plug-inには、eMCOSに特化した各種システム解析ツールやユーティリティが含まれます。今後、eMCOSおよびIDE Plug-inに加え、ネットワークプロトコル、ファイルシステム、USBスタックを含むミドルウェアを統合化した「eSOL eMCOS SDK」として提供される予定です。
イーソルは、メニーコア技術を推進するリーディングカンパニーとして、産学連携や業界団体を通じた活動も活発に行っています。米国Multicore Associationでは、Software-Hardware Interface for Multi-many-core(SHIM)ワーキンググループのチェアを務めています。さらに「早稲田OSCAR並列化コンパイラ」(OSCARコンパイラ)を用いたマルチ・メニーコアプロセッサ向けプログラム並列化支援サービスの実現に向け、早稲田大学との共同研究を進めています。
ルネサスエレクトロニクス株式会社 第一ソリューション事業本部 コア技術事業統括部 統括部長
山内 忠昭 様のコメント
「64コアのRH850ベースMCUシミュレータ環境において、コア数を問わずに十分な性能を発揮するeMCOSのスケーラビリティが実証されたことを歓迎します。イーソルとは、半導体技術およびOS技術といったそれぞれの強みを生かした研究・開発でこれまでと同様に協業を続け、メニーコア技術の発展と普及に貢献していきます。」
イーソル株式会社 執行役員 ソフトウェア技術統括責任者 兼 技術本部長 権藤 正樹 のコメント
「メニーコアプロセッサの研究・開発を推進するルネサス エレクトロニクス社とは、eMCOSの研究・開発当初より、協業を継続してきました。現在イーソルは、36コアが搭載された「TILE-Gx8036」や今回サポートしたRH850ベースの64コアMCUシミュレータなど、様々なコア数やアーキテクチャのメニーコアプロセッサへのポーティングを進め、多様な環境におけるeMCOSの性能実証やチューニングに取り組んでいます。今後もeMCOS本体の機能拡張や性能改善に加え、「eSOL eMCOS SDK」の開発を進め、メニーコア技術の普及と実用化を推進していきます。」
▽ イーソル ホームページ:http://www.esol.co.jp/
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
報道関係者各位
イーソル株式会社
イーソルの組込み向けメニーコアOS「eSOL eMCOS」が64コアでも動作
~ルネサス エレクトロニクス社製マイコン「RH850」ベースMCUシミュレータで動作確認~
イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川勝敏、以下イーソル)は、イーソルの組込みシステム向けメニーコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eSOL eMCOS」(イーソル エムコス)が、64コア上でも動作したことを確認しました。使用した環境は、ルネサス エレクトロニクス社製マイコン「RH850」をベースとするメニーコアMCUシミュレータです。イーソルは、「第17回 組込みシステム開発技術展(ESEC)」(会期:2014年5月14日(水)~16日(金)、会場:東京ビッグサイト(東京・有明))の自社ブース(ブース番号:西1-76)にて、RH850ベースメニーコアMCUシミュレータで動作するeMCOSおよび開発ツールのデモ実演を行います。
超微細手術用の医療機器や、コンピュータビジョン技術を利用する工場用ロボットや半導体製造装置など、高解像度の画像を扱うプロ用ビデオ機器、クラウドサービスを提供するネットワーク機器といった高次元のプロセッサ性能を必要とする分野で、メニーコアプロセッサの活用が始まっています。しかし、シングルコアおよび4コア程度までのマルチコアプロセッサ向けの従来のリアルタイムOSは、キャッシュコヒーレンシ機構を前提に、1つのカーネルがOSサービスを提供するアーキテクチャのため、事実上メニーコアプロセッサでは利用できません。eMCOSは、こうした限界を克服する新しいOSアーキテクチャを採用した、組込みシステム向けでは世界初の商用メニーコアプロセッサ対応リアルタイムOSです。
eMCOSが採用する「分散マイクロカーネルアーキテクチャ」では、コア間通信を含むメッセージング、コアローカルスケジューリング、スレッド管理などの基本サービスを提供するマイクロカーネルが、コアごとに配置されます。一方、ファイルサービスやネットワークなどのミドルウェアやデバイスドライバといったより高度なOSサービスは、マイクロカーネルとは独立したサーバスレッドとして複数のコアに分散して配置されます。この仕組みにより、キャッシュコヒーレンシ機構を持たないメニーコアプロセッサでも、OSの複数コア間の共有データを少なくでき、コア数が増えてもスケーラブルなシステム性能を提供できます。さらに、特許出願中のスケジューリングアルゴリズム「セミプライオリティベーススケジューリング」(特願2012-247172)により、メニーコアで期待される高いパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、組込みシステムに不可欠なリアルタイム性の両立を実現できます。eMCOSのアプリケーションプログラミングモデルは「eT-Kernel Multi-Core Edition」などのマルチコアOSと同様に、CPUコアを意識する必要はありません。OSのAPIは、通常のC言語関数インターフェースで提供されます。APIで利用するメッセージングなどの仕組みはその内部で隠蔽されて動作するため、開発者はその挙動を意識する必要がありません。eMCOSは、POSIXとT-KernelのAPIをサポートしています。
アプリケーション開発は、各メニーコアプロセッサ標準のEclipseベースの統合開発環境と、それにプラグインして利用する現在開発中の「eSOL eMCOS IDE Plug-in」が利用できます。eMCOS IDE Plug-inには、eMCOSに特化した各種システム解析ツールやユーティリティが含まれます。今後、eMCOSおよびIDE Plug-inに加え、ネットワークプロトコル、ファイルシステム、USBスタックを含むミドルウェアを統合化した「eSOL eMCOS SDK」として提供される予定です。
イーソルは、メニーコア技術を推進するリーディングカンパニーとして、産学連携や業界団体を通じた活動も活発に行っています。米国Multicore Associationでは、Software-Hardware Interface for Multi-many-core(SHIM)ワーキンググループのチェアを務めています。さらに「早稲田OSCAR並列化コンパイラ」(OSCARコンパイラ)を用いたマルチ・メニーコアプロセッサ向けプログラム並列化支援サービスの実現に向け、早稲田大学との共同研究を進めています。
ルネサスエレクトロニクス株式会社 第一ソリューション事業本部 コア技術事業統括部 統括部長
山内 忠昭 様のコメント
「64コアのRH850ベースMCUシミュレータ環境において、コア数を問わずに十分な性能を発揮するeMCOSのスケーラビリティが実証されたことを歓迎します。イーソルとは、半導体技術およびOS技術といったそれぞれの強みを生かした研究・開発でこれまでと同様に協業を続け、メニーコア技術の発展と普及に貢献していきます。」
イーソル株式会社 執行役員 ソフトウェア技術統括責任者 兼 技術本部長 権藤 正樹 のコメント
「メニーコアプロセッサの研究・開発を推進するルネサス エレクトロニクス社とは、eMCOSの研究・開発当初より、協業を継続してきました。現在イーソルは、36コアが搭載された「TILE-Gx8036」や今回サポートしたRH850ベースの64コアMCUシミュレータなど、様々なコア数やアーキテクチャのメニーコアプロセッサへのポーティングを進め、多様な環境におけるeMCOSの性能実証やチューニングに取り組んでいます。今後もeMCOS本体の機能拡張や性能改善に加え、「eSOL eMCOS SDK」の開発を進め、メニーコア技術の普及と実用化を推進していきます。」
▽ イーソル ホームページ:http://www.esol.co.jp/
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
企業情報
企業名 | イーソル株式会社 |
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代表者名 | 長谷川 勝敏 |
業種 | コンピュータ・通信機器 |
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