産前/産後のイメージギャップに戸惑う母親たち 産後ママ 67%の「想定外」とは?

妊産婦向けメールサービス「きずなメール」による“孤育て”予防、産後うつ、乳幼児虐待の予防活動を行う NPO 法人きずなメール・プロジェクトでは、「産後きずなメール」購読中の産後1年以内の母親507人からアンケート回答を得たところ、産前産後における「想定外」のギャップが明らかとなりました。

楽しみにしていた自分の赤ちゃんの誕生。でも産んでみたら「想定外だった」「知らなかった」ことが多くて戸惑う母親たち。妊産婦向けメールサービス「きずなメール」による“孤育て”予防、産後うつ、乳幼児虐待の予防活動を行うNPO法人きずなメール・プロジェクト(東京都杉並区)では、「産後きずなメール」購読中の産後1年以内の母親507人からアンケート回答を得たところ、産前産後における「想定外」のギャップが明らかとなりました。
 同調査は2012年11月20日~11月29日、2125名にアンケートを依頼し757人が回答。うち、質問【出産前には「想定していなかった」「知らなかった」ということがあったら教えて下さい】に記入したのは507人。自由記述式でありながら67%もの登録者が記入したことからも、母親たちの「伝えたい」「知ってほしい」気持ちが垣間見えます。集計ではこの記述を類型化し集計、ランキングしました。
 3位は「赤ちゃんがこんなに寝ないものだと思わなかった」で63名。「ミルクを飲んだら大体すぐ寝ると思っていた」「おっぱい以外は一日中寝ていると思っていたけど、起きている時間も長く大変」の回答が多かった。  
2位は「こんなに時間/自由がなくなるとは思わなかった」で77人。「時間の余裕が全くない」「コンビニすら一人でいけない」「自分の時間はある程度減ると聞いていたが、無いに等しい。予想以上」。産前の自由な時間の使い方が、産後も続く思う母親は少なくないようです。
 1位「授乳がこんなに大変とは思わなかった」が109人。授乳の頻度、乳房のマイナートラブルから、「ミルク育児が否定されていること。母乳が出にくいのでとても悲しい」「完全母乳育児母礼賛の風潮があり、母乳の出が悪い母親にとっては想定外のストレスだった」など「母乳育児神話」の重圧に悩む母親の姿が浮かびあがりました。
 「産後きずなメール」原稿の監修者であり、東京・杉並区のひだまりクリニック院長の小児科医・佐山圭子氏は「核家族が増え、周りに赤ちゃんが少ない環境で生活してきた人が多い今、産後の生活がリアルにイメージできないまま、出産の痛手も癒えぬうち、突然の赤ちゃんとの生活に『こんなに大変だったとは・・・』と不安でいっぱいというのが多くのお母さんの率直な感想。子育てには、周囲からの支えが欠かせません。父親が母親を精神的に支える意識を持てば、産後うつも減るのでは。母親が幸せでいることが、子育てには大事なのです」と指摘します。
 社会構造の変化や経済環境の悪化にともなう育児ストレスの高まりで、産後うつや乳幼児虐待の増加が懸念される中、産後の生活イメージを産前から啓発していくことは、欠かせない社会課題となりつつあります。

(↓以下、代表的な自由記述)
【参考】代表的な記述
●授乳の大変さ。混合だとミルクをどれだけ足して良いか分からず、小児科と助産師、おっぱい外来、プロでも意見が分かれて本当に悩んだ。母乳がどれだけ出るか、想定外も良い所。また、赤ちゃんは泣き止まない、寝ても降ろすと起きて泣く、母はお世話で身動き出来ないなんて知りませんでした。
●自分の時間がある程度減るのは覚悟していたが、減るどころか無いに等しくなったこと。特別優遇されたい訳ではないが、世間がこれほどまで子持ちに冷たいもの、生きづらいものだとは考えもしなかった。
●完全母乳育児を目指すには赤ちゃんが欲しがるだけ母乳を与えること、と育児書などに書いてあったので、それを実践しようとしたら授乳してない時間は常に泣くので、トイレも食事もままならず…。赤ちゃんも可哀想で断念しました。完母礼賛の風潮があるので、誰でも少し頑張ればできるのかと思っていましたが、母乳の出が悪い母親にとっては想定外のストレスでした。
●出産後は我が子が生まれて幸せなお母さんが当たり前と思っていたのでマタニティーブルーや産後うつを知らなかった。1人目を出産後不安な気持ちが大きすぎて我が子を可愛く思えなくて駄目な親だと自分を責め誰にも相談できなくて本当に辛かった。現在2人目新生児を子育て中ですが、また1人目と同じ気持ちになったらどうしようと生まれる前から不安だったけど、ちゃんと可愛く思ってます。ただ、気持ちの浮き沈みがあり夜になると不安な気持ちになる事がたまにあります。いつもの自分なら平気な事で泣いてしまったり…。
●コレほど孤立するとは思わなかった。意識して外界と接触してるからまだ何とかなってるが自分が動くのをやめるととたんに孤立する。あと、待機児童もコレほどヒドイとは知らなかった。
●妊娠中は無事に産むまでばかりを勉強していて、生まれてからのことをあんまり知らなくて大変だった。赤ちゃんの体調のことや母乳のことなど。
●この生活まるごとほとんど想定外です。朝が早いだっこで体が痛い授乳がひんぱんおっぱいのコンディションを保のが大変早いうちから仰向けをいやがるようになりおむつ交換が難しい(特に外出先)子供の重さがプラスされるので買い物が大変美容院に行けないベビーカーだと行きづらい場所が多い(銀行や郵便局など)離乳食を手作りすると一日中キッチンに立っている気分になる

アンケート公開ページはこちら
http://www.kizunamail.com/questionnaire/sango_1st_20121120

企業情報

企業名 特定非営利活動法人きずなメール・プロジェクト
代表者名 大島由起雄
業種 医療・健康

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