事件記録の保管もAI推論も日本国内で完結 弁護士・法律事務所向けAIリーガルOS「AILEX」を全面刷新した「AILEX v2」を提供開始
事件記録はAWS東京リージョンに保管し、AIの推論はAmazon Bedrockの日本国内向け推論プロファイル(東京・大阪)に限定しました。国外のリージョンで推論するモデルはAWSの権限設定の段階で呼び出せない構成とし、当社の担当者がデータに到達しうる経路も含めて、データの取扱いを利用契約で定めています。業務の進め方も改め、AIが作業を準備し、受任の可否・請求・和解・書面の確定といった判断は弁護士が行って承認する流れとし、承認と操作の記録を残します。
AILEX合同会社(本社:東京都渋谷区)は、弁護士・法律事務所向けAIリーガルOS「AILEX(エーアイレックス)」を全面的に作り直し、新版(以下「AILEX v2」)の提供を2026年9月27日に開始しました。
AILEX v2では、事件情報や文書の保管をアマゾン ウェブ サービス(AWS)の東京リージョンに、AIによる処理をAmazon Bedrockの「日本国内に限定された推論」(東京・大阪リージョン)に集約しました。AWSの権限設定により、国外のリージョンで推論を行うモデルは呼び出せない構成としており、事務所からお預かりする事件記録を、当社の判断で国外のリージョンへ送信することはありません(※1)。
※1 次のものは上記の保管・処理の範囲に含まれません。(1)事務所が自ら接続した外部サービスへの送信(Googleカレンダー連携、MCPを通じた外部AIアシスタントからの参照など)、(2)依頼者・相手方・裁判所など、指定された宛先への電子メールの送信、(3)画面から不具合を報告いただいた際に当社の開発管理環境(国外のサービス)へ連携する技術的な要約(報告の原文は送信しません)。
AILEX v2(サービスURL)
■背景:事件記録にAIを使うとき、まず問われる「どこで処理されるのか」
2026年5月21日に改正民事訴訟法が施行され、弁護士などの訴訟代理人には、オンラインによる申立て等が義務付けられました。訴状・準備書面・証拠が電子データとしてやり取りされるようになり、その整理や起案に生成AIを用いる前提は整いつつあります。
一方で、弁護士は職務上知り得た秘密を保持する義務(弁護士法第23条)を負っています。事件記録をAIで処理する以上、「どこで処理され、誰が触れうるのか」を、弁護士自身が依頼者に説明できなければなりません。
従来版のAILEXは、AI機能に海外の事業者が提供するAPIを利用する構成でした。AILEX v2では、この問いに「構成そのもの」で答えることを最優先の設計条件とし、稼働基盤からAIの処理先までを作り直しました。
■特長1:保管もAI処理も国内。国外での推論を「設定」ではなく「権限」で遮断
(1)保管は東京リージョン
事件情報・依頼者情報・操作記録はAmazon RDS(データベース)に、文書の実体はAmazon S3に、いずれもAWS東京リージョンで暗号化して保管します。データベースは過去35日間の任意の時点に復元でき、文書は上書き・削除の後も一定期間、以前の版を保持します。国外のリージョンへの複製は行っていません。
(2)AI処理は国内限定の推論プロファイルで
書面の下書き、事件の分析、スキャン文書の文字読み取り(OCR)などのAI処理は、Amazon Bedrockの日本国内向け推論プロファイルを通じて行います。AWSによれば、この推論プロファイルは処理を東京・大阪の両リージョンの間で振り分けるもので、推論は指定した地域(日本)の範囲内で行われます。検索用の索引づくり(埋め込み)も東京リージョンで行います。
(3)設定を誤っても国外には出ない
AILEX v2の実行環境は、AWSの権限設定(IAM)上、日本国内向けの推論プロファイルと東京・大阪リージョンのモデル以外を呼び出すことができません。さらにアプリケーション側でも、AIを呼び出すたびに行き先を検査しています。担当者が設定を誤った場合でも、国外での推論は権限の段階で拒否されます。
(4)学習には使われない
Amazon Bedrockに送信されたデータは、AWSの規定により、基盤モデルの訓練・改善に使われず、モデルの提供事業者にも共有されません。当社も、お預かりしたデータをAIモデルの学習・改善に使用しません。
(5)モデルの新しさより、国内での処理を優先
新しい世代のAIモデルは、国外のリージョンを含む推論でのみ先行して提供される場合があります。AILEX v2はその場合も国内での処理を優先し、国内の推論で利用できるモデルを採用します。
(6)氏名等の置き換え(仮名化)は行いません
AILEX v2は、AIに渡す前に氏名等を記号へ置き換える処理を行いません。置き換えと復元の過程では当事者の取り違えが起こりうるため、情報を加工するのではなく、処理の場所を保管先と同じ国内・同じ管理下に限定する方式を採りました。この点は利用契約にも明記しています。
■特長2:当社の担当者がデータに到達しうる経路も含めて、取扱いを契約で定める
AILEX v2は「当社の担当者も見ることができない」とは説明しません。障害の調査などのため、当社の技術担当者がデータに到達しうる経路は存在するからです。AILEX v2では、この経路を含むデータの取扱いを利用契約に定め、「見られない」ではなく「限定され、記録される」ことをお約束します。
・事務所間の分離:すべてのデータは事務所に属し、取得の時点で、データを扱う層において自動的に絞り込まれます。画面ごとの実装に依存しない仕組みとし、自動テストで継続的に検証しています。
・事件単位の情報遮断:利益相反への配慮が必要な場合などに、事件ごとに閲覧できる方を限定できます。事務所の管理者であっても自動的には閲覧できず、管理者が自らを取扱者に加えた操作も記録に残ります。なお、利益相反の確認では、遮断した事件も照合の対象に含めます。
・操作の記録:「誰が・いつ・何に・どのような操作をしたか」を80種類以上の操作について記録し、事務所の画面から確認できます。書き出しや外部連携など、データが事務所の外へ出る操作は必ず記録します。
・認証:2要素認証の全員必須化、接続元IPアドレスの制限、Microsoft Entra ID/Google Workspaceによるシングルサインオン(SSO)、SSOに限定した際のパスワードログインの停止に対応します。
・当社担当者のアクセス:到達できる者を限定し、多要素認証を課したうえで記録を保存します。事務所からのお求めに応じて、アクセスの日時・担当者・目的を開示します。
・利用契約:利用契約・秘密保持契約・データ処理契約を一体とした契約を事務所単位で締結でき、同意の記録を保存します。再委託先(サブプロセッサー)とデータの処理場所も契約に明記しています。
■特長3:「AIが準備し、弁護士が判断する」業務の流れ
AILEX v2は、機能を並べたツールではなく、弁護士が判断を下すことで事件が前に進む業務基盤として設計しています。ログイン後の「今日」の画面には、未完了タスクの一覧ではなく「あなたの判断待ち」が並びます。
・操作を3種類に区分:OCRや文書の分類、期日候補の読み取り、利益相反の候補検索など、事務所内で完結し取り消せる作業はAILEX v2が自動で行います。依頼者への資料依頼や経過報告、請求書の発行など事務所の外に出るものは、AILEX v2が文面まで用意したうえで、必ず弁護士の承認を経ます。受任の可否、請求額、和解、書面の確定といった法的評価や方針は、弁護士の専門判断として残し、承認の記録を保存します。
・相談受付から事件類型ごとの流れへ:公開の相談フォームでは、相談者が「何に困っているか」を9つの選択肢から選び、状況に応じた質問に答えます。AIが事件類型を推定し、弁護士が一度確認すると、その類型の標準の流れ(必要な資料、相談時の確認事項、期限、受任直後の書面など)が事件に適用されます。交通事故(被害者側)、離婚、相続、債務整理、労働(労働者側)、刑事弁護、不動産(賃貸借)、企業間の請求の8類型を用意しています。
・届いた書面への備え:相手方の準備書面が届くと、主張を抜き出して既存の書面と突き合わせ、反論に向けたタスクと下書きの指示を用意します。裁判所の書面から読み取った期日は「要確認」として登録し、弁護士の確認を待ちます。
・把握している範囲を明示:AILEX v2は事件のすべてを把握するものではありません。突き合わせの結果には、AILEX v2に登録された資料・記録の範囲で引き当てたものであることを明示します。
利用イメージ:交通事故(被害者側)の相談が届いてから受任まで
(1)相談者が事務所の相談フォームで「交通事故」「被害者」「治療中」などを選んで送信します。
(2)AILEX v2が相談内容を整理し、既存の事件の当事者と照合します。利益相反の候補があれば、弁護士に確認を求めます。
(3)判断に必要な情報が足りなければ、相談者への質問文を用意します。弁護士は文面を確かめて[送信]を押します。
(4)相談の前に、事故の概要、想定される論点、相談時に確認すべき点を1ページにまとめます。
(5)受任を決めると、委任契約書の案、着手金の請求書の案、依頼者ポータルの発行をまとめて用意します。弁護士が内容を確認して承認します。
(6)事故証明書や診断書など必要な資料の依頼文を用意し、依頼者から届いた資料を一覧から消し込みます。
■特長4:書面作成・リサーチ・mints対応
・書面の下書き:訴状、準備書面、控訴理由書、破産手続開始・免責許可申立書、受任通知など57種類の雛形から、当事者・審級・事件の経過・参照文書を前提に下書きを作成します。資料から確かめられない箇所は推測で埋めず【要確認】と明示します。生成や手入力のたびに版として残し、AIが作成した版と人が書いた版を区別して記録します。
・リサーチ:条文はe-Govから原文を取得し、裁判例は裁判所の公開情報から判決文を取得して要旨を作成します。条文や裁判例をAIの記憶に頼って書かせない設計です。書面のファクトチェックも、これらの公的な情報源と照合して行います。
・mints(民事裁判書類電子提出システム):提出ファイルの形式・容量の確認、住所や電話番号など伏せるべき記載の検出、事務所内の他の事件の事件番号・当事者名の混入の確認、証拠番号のスタンプ、容量を超えるファイルの分割、送達からの期限計算(初日不算入・休日の繰り越しを考慮)、申立手数料の算出などに対応します。
・そのほか:破産・個人再生の申立準備(取り込んだ資料からの債権者の一括読み取りなど)、適格請求書(インボイス)の記載事項を備えた請求書の発行と源泉徴収額の計算、依頼者ポータル(パスワードによる解錠の必須化が可能)、委任契約書の電子同意などを備えています。
■従来版からの主な変更点
・稼働基盤:国内の共用レンタルサーバーから、AWS東京リージョン(Amazon ECS/Amazon RDS/Amazon S3)へ
・AIの処理先:海外の事業者のAPIを用途ごとに利用する構成から、Amazon Bedrockの国内限定推論へ一本化
・業務の進め方:機能ごとにAIを呼び出す形から、AILEX v2が作業を準備し、弁護士が承認・判断する形へ
・事務所のガバナンス:事件単位の情報遮断、SSO、接続元IPアドレスの制限、2要素認証の必須化を追加
・サービスURL:https://users.ailex.co.jp から https://app.ailex.co.jp へ
■提供概要
・提供開始日:2026年9月27日
・サービスURL:https://app.ailex.co.jp
・お申し込み:https://app.ailex.co.jp/register から事務所単位でご登録いただけます。登録した方が事務所の管理者となり、弁護士・事務職員の方を招待できます。
・無料期間:登録した日から無料でお試しいただけます(期間は登録画面に表示します)。無料期間の終了後もデータは削除されず、閲覧と書き出しを続けられます。無料期間中のAI生成の回数には上限があります。
・有料プラン:詳細は公式サイト(https://ailex.co.jp)でご案内しています。
■従来版をご利用中の事務所様へ
AILEX v2は、従来版(https://users.ailex.co.jp)とは別のシステムとして提供します。従来版には、これまでどおり https://users.ailex.co.jp/login からログインできます。従来版のデータは自動では引き継がれません。引き継ぎについては info@ailex.co.jp までお問い合わせください。なお、App Storeで配信中のiOSアプリ「AILEX」は、現在は従来版に接続します。
■代表社員コメント
AILEX合同会社 代表社員
「法律事務所の方から寄せられるのは、『便利かどうか』よりも『どこで処理されるのか』『誰が見られるのか』という質問です。AILEX v2では、その質問に言葉ではなく構成で答えることを出発点にしました。AIの処理を国内に限定したことで、最新世代のモデルの採用が遅れる場面もありますが、事件記録をお預かりする立場として国内での処理を優先します。当社の担当者がデータに到達しうる経路も含めて契約で定め、AIが準備したものを弁護士が判断する、その過程がすべて記録に残る業務基盤を目指してまいります。」
■ご留意事項
※AILEXのAI機能が生成する書面・分析等は、弁護士の業務を補助するための参考情報(下書き)であり、法律相談・法律事務を提供するものではありません。依頼者への送付や裁判所への提出の前に、弁護士による確認・修正が必要です。最終的な法的判断と責任は、内容を確認・承認した弁護士に帰属します。本サービスは、弁護士法第72条に定める法律事務の取扱いを行うものではありません。
※利益相反の確認機能は、事務所内に登録された情報の範囲で照合するものであり、利益相反の不存在を保証するものではありません。
※本リリースに記載した機能・仕様は発表時点のものであり、変更となる場合があります。
■AILEXについて
「AILEX(エーアイレックス)」は、弁護士・法律事務所向けのAIリーガルOSです。相談の受付と利益相反の確認から、書面の作成、mintsへの提出準備、請求と終結の処理までを一つの流れとして扱い、AIが準備した作業を弁護士が判断・承認する形で事件を進めます。「すべての生成は記録され、すべての判断は検証できる」を掲げ、検証可能なAIリーガルOSの実現を目指しています。
サービスURL:https://app.ailex.co.jp
公式サイト:https://ailex.co.jp
■会社概要
社名:AILEX合同会社
所在地:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-10-8 渋谷道玄坂東急ビル
事業責任者:山川 慎太郎
事業内容:弁護士・法律事務所向けAIリーガルOS「AILEX」の開発・提供
顧問弁護士事務所:弁護士法人えそら
■本件に関するお問い合わせ先
AILEX合同会社 事業責任者:山川 慎太郎
TEL:03-6821-7462
E-mail:info@ailex.co.jp
お問い合わせフォーム:https://ailex.co.jp/contact/
※Amazon Web Services、AWS、Amazon Bedrock、Amazon ECS、Amazon RDS、Amazon S3は、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。その他、記載されている会社名・製品名・サービス名は、各社の商標または登録商標です。
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企業情報
| 企業名 | AILEX合同会社 |
|---|---|
| 代表者名 | 山川 慎太郎 |
| 業種 | ネットサービス |
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