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現役日本語教師が国家資格「登録日本語教員」についての本音を語る!アンケート結果を公開!ー日本語教師ナビ調べ

日本語教師の情報サイト「日本語教師ナビ( https://www.nihongokyoushi.net/ )」を運営する株式会社パセリ(パセリホールディングスグループ 東京都千代田区/代表取締役 鈴木悠祠郞)は、日本語学校、専門学校、大学の日本語学科などに勤務している日本語教師158名にアンケート調査(調査期間:2023年10月25日~2024年3月28日)を実施しました。国家資格「登録日本語教員」に関する意見をはじめ、日本語教師に就く前の職業、資格取得の経緯など、多岐にわたる質問に回答していただきました。特に国家資格制度に関する質問では、日本語教師の待遇や地位、社会的認知度の向上に期待の声が上がる一方で、制度変更の内容に関する不安や疑問の声も寄せられました。調査結果を公表します。

■アンケート調査の詳細

調査主体:日本語教師ナビ

調査方法:アンケートフォームによる回答

調査地域:全国

調査対象:日本語学校、専門学校、大学の日本語学科等に勤務している日本語教師

調査人数:158名(2024年3月28日現在)

調査期間:2023年10月25日~2024年3月28日

▶今回のアンケート結果の全容は下記のページで公開しています。

https://www.nihongokyoushi.net/questionnaire

■アンケート実施の背景

日本語教師を国家資格「登録日本語教員」とする「日本語教育機関認定法」が2024年4月1日から施行されました。同法が国会で成立した2023年5月26日以降、日本語教師への注目度は急速に高まり、2023年の「日本語教師ナビ」へのアクセス数は前年比で1.9倍にも上りました。

その一方で、資格取得の要件が変更になったり、現職者も改めて登録申請が必要になったりと、制度変更に伴う様々な手続きが生じていることも事実です。こうした状況を、現場の第一線で働く日本語教師はどのように感じているのか。日本語教師を志す方々へ現職者の“本音”を届けるべく、本アンケートを実施いたしました。

■アンケート結果のサマリー

Q.国家資格化についてどう思うか

・国家資格化が「いいと思う」と答えた人は全体の6割で「どちらとも言えない」「あまりいいとは思わない」が4割

・資格取得要件の変更に関して「いいと思う」「どちらとも言えない」「あまりいいとは思わない」がほぼ同数

Q.資格の取得で苦労した点は?

・主に「スケジュールのやりくり」「試験対策」「実習」「金銭面」

Q.日本語教師を目指したきっかけ

・多くの回答者が「外国人との交流」「異文化コミュニケーション」と答えた

Q.日本語教師のやりがい

・多くの回答者が、学習者が「日本語を使えるようになったとき」「日本で活躍している姿を見たとき」と答えた

アンケート結果の詳細

・国家資格化が「いいと思う」と答えた人は全体の6割で「どちらとも言えない」「あまりいいとは思わない」が4割

Q.「いいと思う」理由は?

・待遇や地位、社会的認知度の向上が見込める。(40代・非常勤講師・女性)

・現状は、告示校からボランティア、フリーランスオンラインなど様々あり、レベルの差が否めないため。(40代・専任講師・女性)

 

Q.「どちらとも言えない」理由は?

・世間からの評価の向上、雇用の安定化や待遇改善のきっかけになれば良いと思う反面、国家資格化による教師自身や教育機関の負担に見合うのか疑問が残るため。(30代・専任講師・女性)

・資格の取得に関する基準と内容がとてもあいまいなため。もう少し現実的かつ現場経験者が優遇されるものだといいと思う。(40代・非常勤講師・女性)

 

Q.「あまりいいとは思わない」理由は?

・日本語教員になるハードルが上がるため。(40代・事務局員・男性)

・日本語教育といっても、学習者のニーズ、レディネス、ビリーフは様々で、教員側も多様な持ち味で対応していく必要がある。国家資格化することで、資格取得者のタイプが固定化すると、日本語教育全体の自由度が下がる。(30代・非常勤講師・女性)

 

■国家資格化に伴う資格取得要件の変更に関しては「いいと思う」「どちらとも言えない」「あまりいいとは思わない」がほぼ同数

Q.「いいと思う」理由は?

・現職者の経過措置も取られるので、現実的だと思うから。(40代・非常勤講師・女性)

・従来よりも実務面を重視した教科が増えているように感じるため。(30代・専任講師・女性)

 

Q.「どちらとも言えない」理由は?

・日本語教育能力検定試験合格者の優遇が解せない。経験の少ない検定合格者の教師より、ベテランの必須50項目以前の教師の方が国家資格を取るためのステップが多いのは問題だと思う。(40代・専任講師・女性)

・養成研修の内容が国家試験合格のノウハウに傾くのではないか。(30代・日本語教師養成講座マネージャー・女性)

 

Q.「あまりいいとは思わない」理由は?

・現役の職員が講義を受けたり、試験を受けたりする時間を作ることが難しい。また今回のやり方では、経験者と経験実績、資格を持っているだけという人の区別がされていない。(50代・専任講師・女性)

・切り替えるのが複雑。(50代・専任講師・男性)

 

■資格取得で苦労した点は主に「スケジュールのやりくり」「試験対策」「実習」「金銭面」

Q.日本語教師の資格の取得で苦労した点を教えてください。

・仕事をしながら、通い、模擬授業準備をすること。(30代・専任講師・女性)

・理論科目の暗記や、教案などの課題作成。(40代・非常勤講師・女性)

・ゼロからの模擬授業(実習)は試行錯誤の連続でした。(40代・非常勤講師・女性)

・養成講座の費用が多少負担に感じました。(50代・専任講師・男性)

 

■資格取得のきっかけは多くの人が「外国人との交流」「異文化コミュニケーション」と答えた

Q.日本語教師を目指したきっかけを教えてください。

・外国で暮らして、異文化交流と語学学習の楽しさを経験したから。(40代・非常勤講師・女性)

・自分自身も外国留学を経験したが、メンタルを崩した。そのとき、力になってくれた先生のように、外国で頑張っている人たちの心を支えられる存在になりたかったから。(40代・専任講師・女性)

・中国残留孤児の方が日本に帰国して苦労されているのを見て、力になりたいと思った。(40代・校長・女性)

 

■多くの人が、学習者が「日本で活躍している姿を見たとき」「日本語を使えるようになったとき」にやりがいを感じると答えた。

Q.どんな時にやりがいを感じますか?

学習者が日本で日本語を使って立派に生きている姿を見た時。(50代・専任講師・男性)

・分からなかったことが理解できて納得した表情をしたり、日本語学習そのものに楽しさを感じたりして、学生の顔が輝いているのに立ち会った時。(50代・専任講師・男性)

 

 ※上記以外のアンケート結果やさらなる詳細は、「日本語教師ナビ」に掲載しています。

https://www.nihongokyoushi.net/questionnaire
 

■まとめ

アンケート調査の実施時点では、経過措置として現職者に課せられる実習の詳細が未公表であることや、今後日本語教育の現場に生じるであろう変化が見通しにくいといった現状から、国家資格化に疑問を投げかける声が一定数寄せられました。

一方で「日本語教師のやりがい」や「目指したきっかけ」に関する回答からは、外国人学習者に対し、非常に強い責任感と使命感を持って指導にあたっている人が多いことが分かりました。

 

2024年3月には外国人労働者の在留資格「特定技能」の対象分野拡大が閣議決定されました。日本語を学び、日本で働く外国人は今後ますます増えていくと予想されます。円滑な受け入れを進めていくためにも、彼らを指導する日本語教師のなり手を増やしていくことが喫緊の課題です。

 

「日本語教師ナビ」では、日本語教育界のますますの発展のために、今後も様々な角度から積極的に情報発信をしてまいります。

 

【本件に関するお問い合わせ先】
企業名 :株式会社パセリ
担 当 :日本語教師ナビ編集部 三宅・荻原
TEL     :0332308471
E-Mail:nihongo@paseli.co.jp
URL :https://paseli.co.jp/



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企業情報

企業名 株式会社パセリホールディングス
代表者名 鈴木悠祠郞
業種 ネットサービス

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