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無外流居合のサムライたち、福岡城決戦!第6回全日本居合道 試し斬り 選手権大会! 2位に倍以上の点数差で川尻龍次(東京)が初優勝!

かつて黒田五十二万石と言われた大藩の、福岡市の福岡城多聞櫓(たもんやぐら;国指定重要文化財)での開催という前代未聞の試し斬りの全日本大会が行われました。国際居合道連盟鵬玉会主催「第6回全日本居合道 試し斬り 選手権大会(後援;福岡市、福岡市教育委員会)」10月22日(土)がそれです。開催された福岡城南丸多聞櫓は江戸時代から残る本物、国指定重要文化財であり、普段は立ち入り禁止。かつて本物のサムライがいた福岡城に全国の無外流居合を学ぶサムライが集まりました。福岡市教育委員会後援のため、福岡市の全小中学生13万人に無料で招待可能のチラシが配布され、開始から終了までおよそ300人の小中学生とご家族が観戦。形の抜き打ちの初太刀で斬る、という無外流居合の緊張感漂う熱戦が繰り広げられ、優勝を制したのは一般男子の部は川尻龍次(東京)、一般女子の部は稲葉遼花(埼玉)でした。

【総評】 

 10月22日(土)福岡城南丸多聞櫓で開催された「第6回居合道 試し斬り 選手権大会」(後援;福岡市/福岡市教育委員会)は関係者の間では「福岡城決戦」と呼ばれていました。黒田52万石、福岡城。しかも、通常立ち入り禁止の国重要指定文化財「南丸多聞櫓(みなみまる たもんやぐら)」での居合の技術の戦い。前代未聞の状況での試し斬りの全日本大会は、出場する選手にとっても興奮するものだったでしょうが、見たことがない福岡市の小中学生にとっても美しい形のまま一畳巻(男子)、半畳巻(女子)の畳表を斬る、極限まで集中する様子は感動を呼びました。

 海外からのお客様も初めて見る本物のサムライの城での本物のサムライの技と姿に感動。怪我もなく、拍手に包まれた中、この大会を成功裡に終わらせることができたのは、偏に前代未聞の大会実現を応援くださった福岡市、福岡市教育委員会の皆さま、常日頃から我々の活動に賛同し、御協力くださる関係各位の皆様、また会員の皆様、メディアの皆さまの御支援の賜物であり、深く感謝する次第です。

 また、会場から途中で帰る方がほとんどいらっしゃらなかったのは、それだけ目を見開くような高い技術の攻防、熱戦が行われた証明であると思います。

 

 さて、今大会は年間3回行われる3種(「形(かた)」「自由組太刀」「試し斬り」)の全日本大会のうち、無外流居合の形通りに斬る「試し斬り」の全日本大会です。武道を語る名言「実戦なくんば証明できず。証明なくんば信用できず。信用なくんば尊敬されない」(極真空手創始者 故大山倍達総裁)の言葉通り、無外流居合鵬玉会はかつての、実戦としての斬れる居合を追求し、3つの大会を通じて技術を磨きます。

「武道の根幹は強さである。そうであるなら、居合の命は試し斬りと自由組太刀である」(鵬玉会 武田鵬玉会長)の言葉の元、秋の大会は試し斬り。地方持ち回りで、2021年の熊本から、2022年に常設道場を持った福岡に舞台を移しました。

 

 福岡城という、大藩の本物の城で、現代のサムライたちが戦う、胸躍る大会。開会式は鵬玉会の特色である小学生のジュニアクラス、中学生・高校生のユースクラスの演武から始まりました。

 340年続く無外流居合の次代への継承のため、福岡市・福岡市教育委員会のご後援の元、福岡市内全小中学生に告知され、無料観戦を招かれたのべ300名の小中学生とご家族が応援。

 常設道場のある福岡支部もわきたちました。

 

【大会概念とルール】

 「斬れない居合はただの踊りだ」(無外流明思派 新名玉宗宗家)形のまま斬る 抜き打ちの初太刀こそ、踊りではない、鵬玉会(ほうぎょくかい)の無外流(むがいりゅう)居合。うち合うことなく勝負を決する剣ですから、抜き打ちの初太刀以外は抜刀しての試し斬りと同じポイントになってしまいます。流祖辻月丹が言うように、「抜き打ちの、その一太刀」が鮮やかでなければなりません。

 

 許されるのは畳表2本のみ。そして1本につき、申請した形3本のみです。失敗すれば即終了、形と乖離がはなはだしいものは無効とされる厳しいルール。それぞれの形の初太刀、二の太刀、三の太刀それぞれに点数がついており、合計の点数で戦います。

 

 1巡目を終了した段階で、2巡目の形を申請します。どうすれば逆転できるか、それぞれの頭脳戦の模様もあり、会場はヒートアップするばかり。

ご覧いただけばわかるように、鵬玉会の大会はドラマチックです。

 基本は斬れたか斬れなかったか、一目瞭然ですから、当たり前のことが当たり前の、段位・資格などの忖度が一切ない大会です。今まで無かった、居合の世界に大きな石を投げ込む大会もすでに6回目。年々スケールが大きくなり、一度経験すればその緊張感と感動を忘れられなくなります。

 

 来年は鵬玉会創立10周年の節目の年です。

 新名宗家を顧問としつつ、その指導を受けた私が率いて産声をあげた鵬玉会は、次の世代の選手達が活躍するであろう時代になろうとしています。技術も向上し、昨年の最高得点37点を大きく上回る68点での優勝は印象的でした。

 経験の積み重ねが技術を向上させる、そう考えるのが正しいと思われます。

 節目の10周年、2023年は長野で開催。

 福岡から長野へ、大会の旗を引き継ぎし、閉会されました。

 

 さて、各部を見ていきましょう。

 

■   一般女子(数値は総合ポイント)

優勝 稲葉遼花(埼玉) 26

準優勝 佐古萌(福岡) 6

3位 中村文香(熊本) 4

 優勝した稲葉選手は本年2022年からの入門。道場をレンタルしての稽古を重ね、本番に臨んだそうです。右と左の二方向に現れた敵と戦う、という難度の高い両車に絞り稽古を重ね、女性の高得点を稼ぎました。  

 

 ■   一般男子 

優勝 川尻龍次(東京) 68

準優勝 高橋真(福岡) 43

3位 箕輪憲人(東京) 36

 圧巻の優勝は川尻選手。鵬玉会の武田会長の内弟子である川尻選手は、無外流では五段の審査基準である基本一の初太刀「立位置からの抜刀、横一文字」という難度の高い形を一つ目に成功させ、会場を沸かせました。二つ目には座るという、他選手とは違うポジションをとったのは、高得点を狙うためでした。それは、六段の審査基準である水月という「座ってからの抜刀、横一文字(二の太刀は突き)」。大会史上初の挑戦を見事に成功させましたが、突きを入れませんでした。これは突きを失敗すれば、二つ目はカウントされず、三つ目も臨めないリスクを避ける戦術でした。狙う三つ目も水月。横一文字の抜刀を成功させたあと、畳表を突き抜ける勢いでの突きを入れ、形とおりに抜いて成功させました。

 この一本目で後続を思い切り引き離し、総合点最多で優勝、「宗家新名玉宗杯」と大会最高得点の形を達成し「福岡市長賞」、最高のパフォーマンスで「会長武田鵬玉賞」を得ることになりました。

 

 準優勝の髙橋選手は、開催地福岡の支部長という誇りを持って優勝を狙う大技両車を達成するも、川尻選手に及ばず、昨年度と同じく準優勝となりました。

 

 熾烈な3位争いを繰り広げたのは箕輪選手と齋藤正継(なおつぐ)選手(東京)。齋藤選手は敵の刀をさばいて突きを入れる難度の高い「胸尽し」に挑戦。やってみると、硬い畳表の表面を滑るリスクが高く、「まず正確に突きを入れる技術が必要。そして抜く技術が必要」(武田会長)という難度の高さに当日失敗する選手も多数見られました。これを齋藤選手は重ねて成功させ、畳表一本目は箕輪選手を引き離して二本目の形申請に入りました。

 

 一本目を失敗したのは箕輪選手。彼も会長の内弟子です。「もうだめか」という状況を克服できるか、精神力を問われる場面で、「「なんとか点数を稼いで、恥を欠かずに終わらせる」という安全策と、「逃げずに逆転する」という挑戦策のどちらでいくか、ぎりぎりまで悩んだが、相談した会長の「箕輪という人間は、決して逃げない男だと思う」という一言で挑戦を決めた」(箕輪選手)と言います。

 挑戦したのは水月。内弟子の稽古であと少しというところまで斬れたものの完全に成功させたことはありません。しかし、人間の集中力の凄さというものはこういう極限の場面で磨かれます。彼はこの賭けに成功、さらに二の太刀として突きを成功させ、齋藤選手に一点差で逆転しました。3位、さらに最高得点の形を達成し、川尻選手と同点で「福岡市長賞」を獲得しました。

 

 惜しくも1点差で4位となった齋藤選手には「国際居合道連盟 理事会賞」が贈られました。
 また、内弟子2名の入賞は、内弟子の技術力の証明となりました。

 

■   新人枠

優勝 稲葉遼花(埼玉) 26

準優勝 鶴澤和樹(千葉)、佐藤駿樹(東京) 12

3位 上野峰行(埼玉) 7

 過去一度も試し斬りの全日本に参加したことがない選手だけを集計する「新人枠」部門。男女問わないこの部門は、稲葉選手が圧倒的な点数で優勝となりました。稽古で流した汗だけが、武道における正義だと印象づける成果でした。

 3位の上野選手の7点に1点及ばず善戦したのは衛藤豊選手(神奈川)、佐古萌選手(福岡)。
 今後の活躍が期待できそうです。

 

 【これからのビジョン】

 無外流居合は「居合の本義は抜刀にあり」というように抜き打ちで斬ることが特徴です。間合いを測ったり、準備をするような余裕もなく、鮮やかな初太刀で斬ります。しかも形通りの美しさを求めなければ、形の理合を証明することにはなりません。

 それを実現するための稽古方法は積み重ねて確立されたものが必要です。

 国際居合道連盟鵬玉会の責任は重いのだと、認識するばかりです。

 

 2023年の秋の大会は長野開催が決まりました。

 すでに勝負は始まっています。

 昨年、それを理解していた者が今年高得点をはじきだしたのです。今から入門する方が、稽古を重ねて入賞するかもしれません。

 次の秋の大会に備えてください。

 誰も経験できない思い出をこれから手に入れることができるでしょう。

 

令和4年10月吉日

 

 

国際居合道連盟 鵬玉会

会長 武田鵬玉

大会実行委員長 髙橋真

理事 安村凰玉

理事 日野鬼鳳

理事 栗木六鳳

 

 

大会の内容をまとめた動画は
https://www.youtube.com/watch?v=IwQlpi6EI6g

 

国際居合道連盟鵬玉会WEB
https://mugai.org/

 

【大会名称】

『第6回全日本居合道 試し斬り 選手権大会』

日程/ 2022年10月22日(土)

会場/ 福岡城 南丸 多聞櫓(国指定重要文化財)

試合ルール/ I.I.O.試し斬りルール

エントリークラス/ 一般男子・一般女子・新人枠

主催/ 国際居合道連盟 鵬玉会

後援/ 福岡市・福岡市教育委員会

 

 本件のお問い合わせは

 国際居合道連盟鵬玉会 事務局 info@mugairyu.net 



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企業情報

企業名 国際居合道連盟鵬玉会 -無外流居合-
代表者名 武田鵬玉
業種 教育

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