連合調べ 「会社が残業を命じるためには、36協定の締結が必要」認知率は55%、改正労基法の4月施行後も課題残る

日本労働組合総連合会(略称:連合、所在地:東京都千代田区、会長:神津 里季生)は、36協定の実態と、働く人が持つ日本の社会に関する意識を把握するため、標記調査を2019年4月11日~4月15日の5日間でインターネットリサーチにより実施しました。全国の15歳以上の働く男女(自営業・フリーランスを除く)1,000名の有効サンプルを集計しました。(調査協力機関:ネットエイジア株式会社)

【「36協定」について 調査結果】

≪労働環境の改善と36協定≫

◆「会社が残業を命じるためには、36協定の締結が必要」認知率は55%、改正労基法4月施行後も課題残る

 

2019年4月より、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革関連法)」が順次施行されています。また、働き方改革の一環として、多くの事業所で長時間労働の是正が進められていますが、労働環境の実態はどのようになっているのでしょうか。

 

はじめに、正社員・正職員、契約・嘱託・派遣社員の人(658名)に、勤め先に労働組合があるか聞いたところ、「労働組合があり、加入している」(28.9%)、「労働組合があるが、加入していない」(6.4%)、「労働組合があるが、加入する権利がない」(5.2%)を合計した『労働組合がある(計)』は40.4%となりました。他方、「労働組合はないが、社員会のような従業員組織はある」(8.8%)、「労働組合も従業員組織もない」(32.5%)を合計した『労働組合はない(計)』は41.3%、「労働組合があるかどうかわからない」は18.2%となりました。

 

次に、正社員・正職員、契約・嘱託・派遣社員の人(658名)に、会社が残業を命じるには、労働者の過半数を組織する労働組合(ない場合は、労働者の過半数を代表する者)との間で労使協定(いわゆる36協定)を結んでおくことが必要であることを知っているか聞いたところ、「知っている」は55.3%となりました。

「知っている」の割合(認知率)を男女別にみると、男性は61.4%で、女性(46.2%)と比べて15.2ポイント高くなりました。

また、労働組合の有無別にみると、勤め先に労働組合がある人では74.8%、ない人では50.7%、あるかどうかわからない人では22.5%となりました。勤め先に労働組合がある人の認知率が高い傾向がみられました。

 

◆「勤め先で36協定が締結されている」59%、2017年調査より13ポイント上昇

◆36協定の周知方法は「イントラネットで閲覧」が最多

 

続いて、正社員・正職員、契約・嘱託・派遣社員の人(658名)に、自身の勤め先で36協定が締結されているか聞いたところ、「締結されている」が59.1%、「締結されていない」が10.8%となりました。また、「締結されているかどうかわからない」(30.1%)が3割と、36協定の情報が共有されていないケースが少なくないようです。

「締結されている」の割合(締結率)を労働組合の有無別にみると、勤め先に労働組合がある人では82.0%と8割を超えました。他方、ない人では48.9%、あるかどうかわからない人では31.7%となりました。労働組合の有無によって、締結率に大きな差があることが明らかになりました。

締結率を過去の調査結果と比較すると、2017年45.8%→2019年59.1%と、2年前と比べて13.3ポイント上昇しました。

 

勤め先が36協定を締結している人(389名)に、勤め先で36協定がどのような方法で周知されているか聞いたところ、「イントラネットで閲覧できるようになっている」(31.9%)が最多、次いで「社内に掲示されている」(29.0%)、「担当部署(総務課など)に行けば閲覧できる」(21.3%)となりました。また、「わからない」(18.5%)や「周知されていない」(16.2%)との回答もみられました。36協定は労働者に周知しなければならないと定められていますが、周知が十分に行われていないケースがあるようです。

 

勤め先が36協定を締結している人(389名)に、36協定で残業時間が1ヶ月あたり何時間とされているか聞いたところ、「45時間未満」(48.8%)が約半数となりました。次いで「45~60時間未満」(18.5%)、「60~80時間未満」(8.0%)、「80~100時間未満」(2.8%)、「100時間以上」(1.3%)となりました。

時間外労働の上限は1ヶ月あたり45時間と定められています。また、2019年4月より、36協定で定める時間外労働時間に罰則付きの上限が設けられました。臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合も、時間外労働の上限は複数月平均80時間以内、1ヶ月あたり100時間未満(休日労働を含む)とされています(月45時間を超えることができるのは年間6ヶ月まで)。

また、「36協定を締結しているが内容は知らない」(20.6%)が5人に1人の割合となりました。周知が不十分であるため、36協定の内容が労働者に伝わっていないケースが少なくないようです。

 

◆会社との間で36協定を締結した当事者 最多は「労働組合」

◆過半数代表者の選出方法 適切な方法である「挙手または投票」は28%

 

勤め先が36協定を締結している人(389名)に、誰が36協定を使用者(会社)との間で締結したか聞いたところ、「(労働者の)過半数で組織されている労働組合」が37.5%、「労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)」が29.0%、「わからない」が33.4%となりました。

 

次に、労働者側の協定締結当事者が過半数代表者であると回答した人(113名)に、勤め先で過半数代表者をどのように選出しているか聞いたところ、適切な選出方法である「挙手または投票により選出している」は28.3%となりました。他方、「会社からの指名により選出している」は28.3%、「一定の役職者が自動的に就任している」は17.7%、「社員会・親睦会などの代表が自動的に就任している」は9.7%となりました。

過半数代表者は、管理監督者※を除く労働者のなかから、投票や挙手などの方法によって民主的に選ぶ必要があります。不適切な方法による選出は法的に無効となります。過半数代表者の選出方法に問題がある事業所が多いようです。

※管理監督者とは、工場長や部長など、労働条件の決定やその他労務管理について、経営者と一体的な立場にある人をいう。

 

「日本の社会」について 調査結果】

≪働く人の生活満足度と将来不安≫

◆働く人の生活満足度 40・50代では「生活に不満」が「生活に満足」を上回る

 

15歳以上の働く男女(自営業・フリーランスを除く)1,000名(全回答者)に、現在の生活に満足しているか聞いたところ、『満足(計)』(「とても満足」「やや満足」の合計)は55.6%、『不満(計)』(「やや不満」「不満」の合計)は44.4%となりました。現在の生活に満足している人が多数派であることがわかりました。

世代別にみると、40代では『満足(計)』が47.2%、『不満(計)』が52.8%、50代では『満足(計)』が47.1%、『不満(計)』が52.9%となり、いずれも『不満(計)』が『満足(計)』を上回りました。他方、60代では『満足(計)』が70.0%、70代では71.1%と、働くシニアの大半が現在の生活に満足していることが明らかになりました。

 

◆「将来が不安」が働く人の7割強、50代では約8割に

◆働く人が抱える不安の原因は「老後の生活」「預貯金の状況」「家計のやりくり」

 

次に、全回答者(1,000名)に、将来について不安を感じることがあるか聞いたところ、『不安を感じる(計)』(「非常に感じる」「やや感じる」の合計)は73.0%となりました。

『不安を感じる(計)』の割合を男女別にみると、女性は77.2%で、男性(68.8%)と比べて8.4ポイント高くなりました。

世代別にみると、50代では78.8%と、他の世代と比べて高くなりました。

 

将来について不安を感じることがある人(730名)に、自身を不安にさせているものを聞いたところ、1位は「老後の生活」(61.8%)、2位は「預貯金など資産の状況」(50.4%)、3位は「家計のやりくり」(48.8%)となりました。働く人にとって、老後の生活や家計の厳しさなどが不安の原因となっていることがわかりました。

 

≪働く人が考える理想の社会≫

◆理想の社会は? 働く人の61%が「低負担・低福祉社会」より「高負担・高福祉社会」を理想像と回答

◆働く人の63%が「自己独立型社会」より「人と人がつながる・支え合う社会」を選択

 

働く人は、どのような社会が実現することを願っているのでしょうか。

 

全回答者(1,000名)に、社会システムについて、相対する2つの選択肢を示し、どちらが自身の理想に近いか聞きました。

「格差はあっても力強く成長する社会」と「緩やかな成長でも格差の小さい社会」のどちらが理想に近いか聞いたところ、「緩やかな成長でも格差の小さい社会」(73.0%)が高くなりました。

「税金などの負担は小さいが、自己責任型の社会」と「税金などの負担は大きいが、社会保障が充実した社会」のどちらが理想に近いか聞いたところ、「税金などの負担は大きいが、社会保障が充実した社会」(60.8%)が高くなりました。

また、「住民同士のつながりが強い、地域で支え合う社会」と「住民同士のつながりが弱い、自己独立型の社会」では、「住民同士のつながりが強い、地域で支え合う社会」(62.9%)が高くなりました。

競争原理によって成長を促す社会よりも、社会保障が手厚く格差が少ない社会を望む人が多数派のようです。また、個々が独立した社会よりも、人と人が地域で助け合い、支え合う社会を理想と考えている人が多いことが明らかになりました。

 

◆働く人の70%が「生涯現役社会」より「引退しても老後が安心な社会」を理想像と回答

◆働く人の60%が「転職が活発にできる社会」より「定年まで同じ会社で働ける社会」を選択

◆働く人の80%が「高収入・仕事中心社会」より「ほどほどの収入・ワークライフバランス社会」を選択

 

続いて、「生涯現役で活躍できる社会」と「引退しても老後が安心な社会」のどちらが理想に近いか聞いたところ、「引退しても老後が安心な社会」(69.5%)が高くなりました。

「定年まで同じ会社で働ける社会」と「転職が活発にできる社会」では、「定年まで同じ会社で働ける社会」(59.7%)がやや高くなりました。

「収入は多いが、生活より仕事中心の社会」と「収入はほどほどでも、仕事と生活が両立できる社会」では、「収入はほどほどでも、仕事と生活が両立できる社会」(80.4%)が高くなりました。

働く人の大半が、引退しても老後の生活が安心な社会や、ワークライフバランスを保ちながら働ける社会を望んでいるようです。

 

≪将来の日本に対するイメージ≫

◆「将来の日本は今より良くなっていると思う」29%

◆日本の成長や発展のために重要だと思うこと TOP2は「安定雇用」と「労働環境の改善」

 

全回答者(1,000名)に、将来の日本は今より良くなっていると思うか聞いたところ、『良くなっている(計)』(「非常に良くなっている」「ある程度良くなっている」の合計)は28.7%、『良くなっていない(計)』(「あまり良くなっていない」「全く良くなっていない」の合計)は71.3%となりました。日本の将来に対して悲観的な考えを持っている人が多数派となりました。

 

将来、日本が安定的に成長や発展をしていくために重要であると思うものを聞いたところ、1位は「安定した雇用」(63.8%)、2位は「労働環境の改善」(46.6%)、3位は「医療や介護制度の充実」(43.4%)、4位は「子育てや教育に対する支援」(39.5%)、5位は「失敗してもやり直しがきく環境」(36.7%)となりました。

働く人の多くが、安定雇用や労働環境の改善を日本の重要課題だと位置付けているようです。



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