アイリーアは2018年まで滲出型加齢黄斑変性症市場において優勢であるが、その後は新規製品にシェアが脅かされる
後期滲出型加齢黄斑変性(AMD)向けの新規血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害剤とバイオシミラーの上市によって、今後10年間でAMD市場が断片化されることが明らかとなった。Regeneron/Bayer/参天社のアイリーア(アフリベルセプト)は、現在主要7カ国の製薬市場で滲出型AMD市場をリードしているが、既存薬に比べて投与期間の延長やコスト削減を実現する新製品の上市により不利になると見込まれる。AMD市場全体は、2016年の約42億ドルから2026年には72億ドル以上に成長すると予測される。特に地図状萎縮(GA)初の治療薬の上市(Roche/Genentech社のlampalizumab)に伴って、本市場にこれまで未治療であった患者群が現れるため、滲出型AMD市場における有効な治療薬上市後の傾向と同様に、市場の拡大が促進される。
製薬・医療機器業界に関する展望レポート・データベースの発行、コンサルティングサービスを提供する、ディシジョン・リソーシズ・グループ (所在地:米国マサチューセッツ州バーリントン、CEO:Jon Sandler)は、後期滲出型加齢黄斑変性(AMD)向けの新規血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害剤とバイオシミラーの上市によって、今後10年間でAMD市場が断片化されることを明らかにしました。Regeneron/Bayer/参天社のアイリーア(アフリベルセプト)(Eylea:aflibercept)は、現在主要7カ国の製薬市場で滲出型AMD市場をリードしていますが、既存薬に比べて投与期間の延長やコスト削減を実現する新製品の上市により不利になると見込まれます。
Disease Landscape & Forecastのレポート「Dry and Wet Age-Related Macular Degeneration」で明らかにされたその他の主な調査結果は以下の通りです。
■ 滲出型AMDや地図状萎縮(GA)をはじめとするAMD市場全体が、2016年の約42億ドルから2026年には72億ドル以上に成長すると予測される。予測期間の後半にバイオシミラーの上市が予想されるにも関わらず、投与回数の少ないVEGF阻害剤(Novartis社のRTH-258(brolucizumab)とAllergan社のabicipar pegol)の上市と受け入れによって、本薬剤クラスの売上が増加する。この市場では、既存のアイリーア及びRoche/Genentech/Novartis社のルセンティス(Lucentis)よりも投与頻度が少ない治療に対して高い潜在医療ニーズがある。
■GA市場初の治療薬の上市(Roche/Genentech社のlampalizumab)に伴って、本市場にこれまで未治療であった患者群が現れるため、滲出型AMD市場における有効な治療薬上市後の傾向と同様に、市場の拡大が促進される。
■2016~2026年の予測期間の後半にルセンティスとアイリーアのバイオシミラーの上市が予測される。滲出型AMDでVEGF阻害剤が優勢を保つ見通しを考慮すると、ブランド薬で治療を受ける患者の比率が減少するため、バイオシミラー製品の上市は市場の成長に影響を及ぼすと見込まれる。
ディシジョン・リソーシズ・グループのアナリストNatalie Taylor博士のコメント:
「弊社のプライマリー市場調査では、大多数の眼科医がアイリーアに対して投与頻度と有効性の点で他のVEGF阻害剤より優れていると肯定的な見解を示しており、アイリーアの上市以来、世界主要7カ国におけるシェアが優勢である一因となっています」
「現在のVEGF阻害剤による滲出型AMD治療では、多い場合は月に一度といった頻回な硝子体内(IVT)注射が必要となることから、その負担によってAMDに未充足の大きなニーズが残ります。新しいIVT治療では、投与間隔が延長され、ひいては全体の投与量を減らすことにもつながるため、このニーズを満たすことができるでしょう」
「補体系阻害剤は、lampalizumab(IVT注入で投与される補体因子D阻害剤)と共にGAのパイプラインで優位に立っており、最も進んだ開発段階にあります。現在、GAには治療選択肢がほとんどないため、治療薬の上市は医師と患者から歓迎されるでしょう。さらには、C5阻害剤であるOphthotech社のZimuraがGAの第II/IIIフェーズにあるので、今後も注目していきます」
<補足資料>
Natalie Taylor博士は、RTH-258のフェーズIII試験のトップラインデータの発表後における、滲出型AMD市場へのRTH-258の影響についてブログの記事を書いており、以下のリンクからご覧いただけます。
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【調査概要】
調査目的:新規薬剤の登場が今後10年で滲出型加齢黄斑変性薬市場に与える影響の調査・分析
調査対象:米国、欧州5ヵ国(英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン)の多数のオピニオン・リーダー調査方法:インタビュー、サーベイと多数文献によるセカンダリーリサーチ
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企業情報
企業名 | ディシジョン・リソーシズ・グループ 日本支店 |
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代表者名 | 日本における代表者 田代 浩司 |
業種 | その他サービス |