連合調べ 金銭的負担がネックで子どもの進学希望を十分に叶えてあげられなかった 3人に1人

連合(日本労働組合総連合会)は、子どもの教育費が家計をどれだけ圧迫しているのかを把握するため、2015年10月6日~10月8日の3日間、「大学生・院生の保護者の教育費負担に関する調査」を、インターネットリサーチにより実施し、大学生または大学院生の親1,000名の有効サンプルを集計しました。

連合(日本労働組合総連合会)(所在地:東京都千代田区、会長:神津 里季生)は、子どもの教育費が家計をどれだけ圧迫しているのかを把握するため、2015年10月6日~10月8日の3日間、「大学生・院生の保護者の教育費負担に関する調査」を、インターネットリサーチにより実施し、大学生または大学院生の親1,000名の有効サンプルを集計しました。

 

≪大学生・院生の子どもにかかる教育費≫

◆大学入学前の1年間の学校外学習費 平均額は64.9万円、世帯年収1000万円以上では70万円超

◆大学入学費用の平均 「受験料」15.2万円、「受験の交通・宿泊費」5.0万円、「入学料」50.3万円

◆大学の年間授業料の平均 「国公立」67.5万円、「私立 文系」103.8万円、「私立 理系」133.0万円

 

全国の大学生・院生の親1,000名(全回答者)に、大学生・院生の子どもにかかる教育費について聞きました。

 

まず、【大学入学前の1年間の学校外学習費(塾・予備校代など)】をみると、「0円(かかっていない)」(25.2%)が最も多く、次いで、「100万円~150万円未満」(14.1%)、「50万円~60万円未満」(12.1%)が多くなり、0円、不明を除いて算出した平均額は64.9万円でした。

世帯年収別に平均額をみると、600万円~700万円未満層までは年収が上がるにつれ平均額も高くなり、600万円~700万円未満層では68.6万円。700万円~800万円未満層(55.2万円)で一度平均額は下がるものの、800万円~900万円未満層以降は再度世帯年収が上がるにつれ平均額も高くなり、1000万円以上の層では70万円を超えました(1000万円~1200万円未満層70.5万円、1200万円~1500万円未満層75.6万円、1500万円以上層74.2万円)。

 

次に、大学の入学費用(入学していない大学分含む)についてみると、【受験料】では、「3万円~5万円未満」(19.1%)や「10万円~15万円未満」(18.2%)、「30万円以上」(17.9%)が多く、平均額(0円、不明を除いて算出、以下同様)は15.2万円、【受験のための交通・宿泊費】では、「1万円以下」(32.5%)が多く、平均額は5.0万円、【入学料】では、「20万円~30万円未満」(21.6%)と「30万円~40万円未満」(20.4%)が多く、平均額は50.3万円となりました。

 

そして、大学在学中の費用についてみると、【年間の授業料(施設維持費・実習費など含む)】は、「50万円~75万円未満」(28.2%)、「100万円~125万円未満」(29.0%)が多く、平均額(0円、不明を除いて算出、以下同様)は103.6万円となりました。

平均額を学校種別にみると、「国公立」の平均額は67.5万円、私立では、「私立 文系」が103.8万円、「私立 理系(医歯薬除く)」が133.0万円、「私立 医・歯・薬学」が204.6万円となりました。

 

また、【年間の教材費】は、「10万円未満」が42.1%、「10万円~20万円未満」が31.8%となり、平均額は11.3万円でした。

 

 

≪大学生・院生の子どもにかかる生活費≫

◆一人暮らしを始めるための費用 平均35.5万円

◆一人暮らしをしている大学生・院生の家賃(1ヶ月分) 平均4.9万円

◆一人暮らしをしている大学生・院生への年間の仕送り額 平均93.2万円

 

全回答者(1,000名)に、大学生・院生の子どもにかかる生活費について聞きました。

 

まず、大学生・院生の子どもが自宅通学か自宅外通学かをみると、「自宅通学」は72.6%、「自宅外通学」は27.4%となり、自宅外通学者の住まいの内訳をみると、「民間のアパート・マンション」が85.4%、「学生寮」12.0%、「親類の家(子どもの祖父母や親戚宅など)」2.6%でした。

 

次に、大学生・院生の子どもが自宅外通学をしている274名に、一人暮らしにかかっている費用を聞きました。

まず、【一人暮らしを始めるための費用(引越し代、敷金・礼金、家具代・家電代などの合計)】をみると、「30万円~50万円未満」(32.1%)が最も多く、平均額は35.5万円でした。

次に、【家賃(1ヶ月分)】をみると、「3万円~4万円未満」(20.1%)や「4万円~5万円未満」(24.5%)、「5万円~6万円未満」(20.8%)に回答が集まり、平均は4.9万円となりました。

また、【年間の仕送り額】をみると、「100万円~125万円未満」(30.7%)や「50万円~75万円未満」(25.2%)との回答が多く、平均額(0円、不明を除いて算出)は93.2万円でした。

 

 

≪大学生・院生の奨学金利用と保護者の奨学金に対する意識≫

◆奨学金を利用している大学生・院生は31.7%、世帯年収200万円~400万円未満では61.5%に

◆返済義務のある奨学金利用者の卒業までの借入総額(予定額) 平均301.8万円

◆望ましい奨学金のあり方は? 「無利子」や「給付型」は7割以上が望ましいと回答

「地元に就職した場合、返済(全部または一部)が免除される奨学金」は6割以上

 

全回答者(1,000名)に、大学生・院生の子どもの奨学金利用について聞きました。

 

まず、大学生・院生の子どもが奨学金を利用しているかをみると、「利用している」は31.7%、「利用していない」は68.3%となりました。

利用している割合を、学校種別でみると、国公立では33.3%、私立・文系では30.3%、私立・理系(医・歯・薬・看除く)では30.4%と3割以上でしたが、私立・医・歯・薬学は23.1%と他の学校種別に比べて低くなりました。

また、世帯年収別に利用している割合をみると、世帯年収が下がるにつれ利用率は高くなり、最も利用率が高くなった200万円~400万円未満層では61.5%でした。

 

次に、大学生・院生の子どもが奨学金を利用している317名に、利用している奨学金を聞いたところ、「日本学生支援機構 第二種(利息付)」(57.1%)や「日本学生支援機構 第一種(無利息)」(40.4%)が多くなりました。

 

さらに、大学生・院生の子どもが返済義務のある奨学金を利用している302名には、卒業までの借入総額(予定額)を聞いたところ、「200万円~250万円未満」(30.5%)との回答が最も多く、平均額(不明を除いて算出)は301.8万円となりました。

 

全回答者(1,000名)に、奨学金のタイプを提示し、どの程度望ましいか聞いたところ、『望ましいと思う(計)』(「非常に望ましいと思う」と「やや望ましいと思う」の合計)が最も高くなったのは「無利子の奨学金」(76.3%)で、「給付型(返済義務がない)の奨学金」(73.6%)が次いで高くなりました。

また、卒業後にその地方で就職した場合、学費の全部または一部が免除される『地方創生枠奨学金』が2016年度から始まりますが、「地元に就職した場合、返済(全部または一部)が免除される奨学金」は61.2%が望ましいと思うと回答しました。

他方、「有利子の奨学金」を望ましいと思うと回答したのは16.2%にとどまりました。

 

世帯年収別にみると、「給付型(返済義務がない)の奨学金」は、世帯年収が下がるにつれ望ましいと思うと回答した人の割合が高くなり、200万円~400万円未満層では83.1%、400万円~500万円未満層では81.4%が望ましいと思うと回答しました。

 

 

≪保護者の教育費の負担感と教育費に対する意識≫

◆大学に入学させるための教育費 「非常に重い負担である」約4割

大学在学中の教育費 「非常に重い負担である」4割強

◆大学在学中の教育費に重い負担を感じている家庭はあといくらで生活が楽に? 平均は166.0万円

◆「所得の高低にかかわらず同水準の教育を受けられるようにするべきだと思う」 同意率81.0%

◆「金銭的負担がネックになり子どもの進学希望を、十分に叶えてあげられなかった」 3人に1人

世帯年収200万~400万円未満層では6割強、500万~600万円未満層でも半数以上

 

全回答者(1,000名)に、大学生・院生の子どもの教育費について、どのくらいの負担感を感じているか聞いたところ、【大学に入学させるための教育費】では、「非常に重い負担である」が40.7%、「やや重い負担である」が34.7%で、合計した『重い負担である(計)』は75.4%、【大学在学中の教育費】では、「非常に重い負担である」が44.8%、「やや重い負担である」が33.4%で、『重い負担である(計)』は78.2%となりました。大学に入学させるまでの教育費と大学に入学させてからの教育費のどちらもが親にとって重い負担であることがあらためて感じられる結果となりました。

世帯年収別に重い負担であると回答した人の割合をみると、【大学に入学させるための教育費】では、重い負担であると回答した人の割合が最も低い1500万円以上層でも54.4%と半数を超え、800万円未満の層ではいずれの層でも8割以上でした。同様に【大学在学中の教育費】についてみると、重い負担であると回答した人の割合が最も低い1500万円以上層でも57.8%と6割近くとなり、900万円未満の層ではいずれの層でも8割以上になりました。

 

次に、大学生・院生の子どもの大学在学中の教育費負担を重い負担であると感じている人(782名)に、生活が楽になるためには、年間であといくらくらいお金が必要だと思うか聞いたところ、「100万円~200万円未満」(44.4%)との回答が多く、平均は166.0万円になりました。

世帯年収別にみると、全体より平均が高かったのは、900万円~1000万円未満層(197.2万円)や1000万円~1200万円未満層(189.8万円)、1500万円以上層(206.7万円)でした。

 

そして、全回答者(1,000名)に、家庭の所得と教育・大学進学の関係についての内容を提示し、自身の気持ち・考えにどの程度あてはまるか聞いたところ、【所得の高低にかかわらず同水準の教育を受けられるようにするべきだと思う】で『そう思う(計)』(「非常にそう思う」と「ややそう思う」の合計)が81.0%になった一方、【高所得世帯の子どものほうが、大学までの教育環境に恵まれていると思う】では『そう思う(計)』が91.4%になりました。大学生・院生の親の大多数が、家庭の所得によって子どもの教育レベルが左右されるべきではないと考えているものの、現実的には高所得世帯の方が教育環境に恵まれているという実感が持たれているようです。

 

また、【金銭的負担がネックになり大学生・院生の子どもの進学希望を、十分に叶えてあげられなかった】では『そう思う(計)』は33.5%と3人に1人の割合となりました。金銭的な理由によって子どもの進学希望を満足に叶えてあげられなかったと感じている親は少なくないようです。

世帯年収別にみると、金銭的負担がネックで進学希望を十分に叶えてあげられなかったと感じているのは、年収が下がるにつれ高くなる傾向がみられ、『そう思う(計)』は、200万円~400万円未満層では61.6%、500万円~600万円未満層では50.6%になりました。

 

 

≪調査概要≫

・調査タイトル:大学生・院生の保護者の教育費負担に関する調査

・調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする大学生または大学院生の子どもの親

・調査期間:2015年10月6日~10月8日

・調査方法:インターネット調査

・調査地域:全国

・有効回答数:1,000サンプル(内訳)父親487名 母親513名

・実施機関:ネットエイジア株式会社

 

===報道関係の皆様へ===

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企業情報

企業名 ネットエイジア株式会社
代表者名 三清慎一郎
業種 ネットサービス

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