ABB社がソルベイのTechnyl One を新しい電磁接触器に採用

2015年10月15日フランス、リヨン - 電力技術・オートメーション技術でリーディングカンパニーの ABB社 は、ソルベイ・エンジニアリング・プラスチックスの Technyl One を新しい電磁接触器に採用しました。Technyl Oneは安全性、小型化、生産性向上など、エネルギー管理およびビルオートメーション用電気機器の抱える問題を解決できるポリアミド樹脂です。

その高い流動性と耐熱特性、優れた電気的特性やハロゲンフリーの難燃性により、Technyl One は電気保護部品の厳しい要望に適していることが証明されました。対象となる用途には、高電流や高い熱抵抗性能が要求される小型遮断器 (MCBs)、配線用遮断器 (MCCB)、および接触器部品が含まれます。

この Technyl One グレードは成形しやすいだけでなく高い特性を有しており、それらは当社の新しい接触器の採用を検討する開発段階で ABB にとっても重要な項目となりました。ABB のプラスチック材料部門 (低電圧) の責任者である Jacques Dumoux 氏は次のように述べています。「過充電試験の際、表面性状の高い保持性能が実証されました。短期間では、この過充電試験の際、新しい接触器の接続部品には非常に大きな過負荷がかかります。それは、通常の電流の最大 10 倍にも上り、非常に高い温度になるため、周りのプラスチック部品はそれに耐えられなければいけません。」

J. Dumoux 氏は、次のようにつけ加えています。「そのユニークな特性により、Technyl One はこの過酷な試験においてクリープや軟化現象に対しての適応が確認されました。以前は、架橋ポリアミド、ポリフタルアミドや熱硬化性樹脂などの材料のみがこれらの試験に合格していました。」

製品の小型化と機能性の向上は E&E 産業への絶え間なく続く挑戦です。ソルベイ・エンジニアリング・プラスチックスのグローバル E&E マーケット・ディレクタの Dr. James Mitchell 氏は次のように述べています。「さらに、過去10年間、EU 指令である RoHS や REACH (SVHC) は難燃技術に大きな影響を与えてきました。これらの指令は、E&E 産業において世界の市場をハロゲンフリー樹脂へ移行するよう促してきました。

しかし、特にガラスファイバーを混ぜたポリアミドや PBT において、最も効果的なハロゲンフリー難燃技術には機械的特性や金型の腐食などの対応の問題に関してまだ欠点があります。Technyl One の優れた流動性により成形時の腐食劣化レベルを減少させることができ、金型処理や製品の生産性に役に立ちます。その結果、安全性の要件および OEM の経済的ニーズやプロセスニーズどちらにも対応しています。」

ソルベイ・エンジニアリング・プラスチックスの Technyl One J 60X1 V30 は、わずか0.4mmの肉厚で、UL94 V0レーティングを実現するノン・ハロゲン難燃材料で、優れた耐熱老化性 （150度C電気RTI – 相対的温度指標）と高い相対的追跡指標（600ボルト以上でCTI 0）があります。

イエローカードに準拠しており、Technyl One J 60X1 V30 は 2016 年までに発効される新しい欧州標準 EN 45545-2 も満たしています。この材料の低煙性能は高レベルとなっており、R22 および R23 で HL3 に区分されます。現在は、着色なし、灰色、黒の等級のスタンドを提供しています。レーザーマーキングについてしっかりとしたノウハウが構築され、顧客ごとに異なる UV / YAG1 のレーザーシステム要件に対して定式化された等級をご利用いただけます。

ソルベイ・エンジニアリング・プラスチックスは FAKUMA (国際プラスチック加工見本市) 2015 に出展しています。Technyl One がどのように電子機器の設計・製造に対応しているか ホール B4 のブース 4213 で確認できます。