バテル記念研究所の革新的な遺伝子情報解析ソフトウェアExactIDを米国防科学捜査センタが採用

世界最大規模の非営利研究機関であるバテル記念研究所（本社：米国オハイオ州、CEO：ジェフリー・ワッズワース，以下バテル）が開発した革新的な遺伝子情報解析ソフトウェア　ExactID®が米国防科学捜査センタ（U.S. Defense Forensic Science Center）に採用されました。

ExactIDは科学捜査担当者のラボ分析に適したデータを提供する，はじめて商業化された遺伝子情報解析ソフトウェアシステムです。ExactIDを用いて，DNAサンプルから，髪や目の色，人種，血縁，住居場所等の個人を特定する特徴を抽出することができます。

従来，犯罪現場で採取されたDNAサンプルが容疑者や法執行機関のデータと一致しなかった場合，捜査は停滞しDNAを証拠に用いるのが行き詰まる可能性がありました。しかしExactIDを用いると，法執行機関は未照合DNAサンプルから重要な判断を導くことが可能になりました。

この次世代シーケンス技術の根幹は，DNA情報をベースとした科学捜査に応用可能なバイオマーカーが幾千件も特定されたヒトゲノム計画（2003年完了）です。

ExactID紹介動画（英語）

「次世代シーケンス技術の出現はここ20年間におけるDNA捜査界の中でも最も重要なブレークスルーです。DNAは長い間客観的証拠として扱われてきましたが，ExactIDを使用することでDNAを用いた捜査活動が大幅に向上します。捜査対象を狭め，信頼性のある捜査活動が期待できます。」と元FBI研究所の核DNAケースワーク・データベースユニットチーフであり，現バテル記念研究所 応用遺伝子ビジネスユニット研究リーダーのリチャード・ゲリリは述べています。

米国ジョージア州にある国防科学捜査センタ（旧米国陸軍犯罪捜査研究所）は米国政府機関で初めてExactIDを導入し，厳しい捜査活動の現場で使用します。使用に伴いExactIDの測定データの信頼性が向上し，他の法執行機関でも捜査活動にExactIDを採用することが期待されます。

米国立司法省研究所がバテル記念研究所に委託した次世代シーケンス捜査ツールの評価研究にもExactIDは使用されています。調査委託費82.5万ドルの本研究は以下の7研究所も協力し，19ヶ月間かけ評価研究が行われます。

米軍DNA鑑定研究所（デラウェア州）

アルコール・タバコ・火器お呼び爆発物取り締まり局（ワシントンDC）

カリフォルニア州司法省（カリフォルニア州）

ハリス郡科学捜査研究所（テキサス州）

国立標準技術研究所（メリーランド州）

ペンシルベニア州立大学（ペンシルベニア州）

フィラデルフィア市警察（ペンシルベニア州）

2015年10月12日から15日にかけテキサス州グレープバイン市で開催される人物同定に関する国際シンポジウム（International Symposium on Human Identification）にExactIDを出展し，デモを行う予定です。

【バテル記念研究所について】

バテル記念研究所は1929年に米オハイオ州で設立された世界最大規模の非営利研究機関です。設立以来、アメリカのエネルギー政策、環境政策、ホームランドセキュリティーなど、さまざまな分野で研究開発を行い、ゼロックスコピー機の事業化、コンパクトディスクやバーコード開発などの成果を上げてきました。

所在地　： 505 King Avenue, Columbus, OH　43201

代表者　： 代表取締役兼CEO　Jeffrey Wadsworth

設立　　： 1929年

URL　　： http://battelle.org/

事業内容： 研究所の運営管理、エネルギー・環境・医療・ナショナルセエキュリティ分野などの受託研究開発

【バテルジャパン株式会社について】

バテルジャパン株式会社は、1970年より共同で新技術の研究開発や技術開発支援などを3,000件以上行ってきたバテル記念研究所と三菱商事株式会社との合弁会社として2006年に設立されました。「最先端の科学技術から、明日のビジネスイノベーションへ」をスローガンに、バテル記念研究所の研究者たちとの連携を通して日本およびアジアの官公庁や企業に科学技術とビジネス戦略の融合、世界をつなぐマーケット・デベロップメント、シーズ育成支援サービスを提供しています。

所在地：東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル17F

代表者：代表取締役　ジェラルド・ハネ

設立：2006年2月

資本金：１億円

URL：http://www.battelle-japan.co.jp

事業内容： 受託研究開発、技術開発に基づいた事業化・技術戦略提案、海外動向調査