労働環境・職場環境に対する不満 「パワハラやいじめ」は3割、~連合、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に関する調査~

ディーセント・ワークの実現を呼びかけている連合(日本労働組合総連合会)は、「ディーセント・ワークに関する調査」を、モバイルリサーチにより2014年8月22日~8月26日の5日間において実施し、18歳~65歳の男女(ただし、現在、会社経営者または役員の人は除く)1000名の有効サンプルを集計しました。

ディーセント・ワーク(Decent Work)とは、「働きがいのある人間らしい仕事」と訳され、人間らしい生活を継続的に営める人間らしい労働条件の仕事のことを指します。1999年のILO(国際労働機関)の総会において、このディーセント・ワークは21世紀のILOの目標とされ、連合はディーセント・ワークの実現を呼びかけています。
そこで、連合では、ディーセント・ワークの認知状況やディーセント・ワークの実現には何が必要なのかを探るため、「ディーセント・ワークに関する調査」を実施しました。


~~ディーセント・ワークのイメージと認知率~~
◆ディーセント・ワークのイメージとは?
◆ディーセント・ワークの認知率 11.7%、「内容を知っていた」のはわずか1.7%

はじめに、18歳~65歳の男女(現在、経営者または役員の人を除く)1,000名(全回答者)に、『「ディーセント・ワーク」という言葉があり、「働きがいのある人間らしい仕事」と訳されることがある』と説明した上で、“働きがいのある人間らしい仕事”とは、どのような仕事をイメージするかを自由記述式で聞いたところ、「人の役に立つ・貢献できる仕事」(191件)が際立って多く、「好きなこと・やりたいことができる仕事」、「自分に合った・能力が活かせる仕事」(それぞれ80件)、「報酬が見合っている・きちんと評価されている仕事」(77件)、「喜ばれる・感謝される仕事」(69件)が続きました。

それでは、どのくらいの人が“ディーセント・ワーク”という言葉を知っていたのでしょうか。
全回答者(1,000名)に、“ディーセント・ワーク”という言葉を聞いたことがあったか(※)質問したところ、「聞いたことがあり、内容も知っていた」1.7%、「聞いたことはあるが、内容は知らなかった」10.0%となり、それらを合計した『聞いたことがある(計)』(認知率)は11.7%、また、「聞いたことはない」は88.3%でした。
※アンケートに回答する前から聞いたことがあったかどうかを聴取


~~何から働きがいを感じているか~~
◆“やりたい仕事” “自分の成長” “責任ある仕事”から働きがい
 女性のほうが“自分の成長”から働きがいを感じている傾向
◆子育て中男女の意識差 女性は“仕事とプライベートの両立”、男性は“責任ある仕事”から働きがい
◆自営業者は、“感謝の言葉”が働きがいの源泉
◆働きがいには≪仕事内容≫や≪労働・職場環境≫の満足度も影響、満足度が低いほど「働きがいを感じない」

“ディーセント・ワーク”は「働きがいのある人間らしい仕事」と訳されることがありますが、何によって働きがいが感じられているのでしょうか。
現在就業中、または就業経験のある968名(現在就業中:765名/現在は専業主婦・学生・無職であるが、これまでに就業経験がある:203名)に、仕事のどのようなところに働きがいを感じているか/感じていたか聞いたところ、「自分のやりたい仕事ができている」43.3%が最も多く、「仕事を通じて自分が成長できている」40.0%、「責任ある仕事を任されている」39.9%、「働きに見合った給与が支払われている」34.6%、「自分の考えや意見を言いやすい」33.9%、「仕事とプライベートの両立ができている」33.7%が続きました。“やりたい仕事”や“自分の成長”、“責任ある仕事”によって働きがいを感じている人が多いようです。他方、「働きがいを感じられない/感じなかった」は11.7%でした。

男女別にみると、「仕事を通じて自分が成長できている」は男性34.4%に対し、女性では45.6%となり、女性のほうが“自分の成長”によって働きがいを感じている様子が窺えました。
また、「公平に評価されている」(男性22.0%、女性35.3%)や「仕事とプライベートの両立ができている」(男性27.8%、女性39.6%)、「管理職や同僚と良い関係が築けている」(男性21.2%、女性31.7%)でも女性のほうが10ポイント以上高く、“公平な評価”、“仕事とプライベートの両立”、“職場の人間関係”によって働きがいを感じているのは、男性よりも女性のようです。“仕事とプライベートの両立”は、特に子育て中の女性が重きを置いているようで、子どもがいる31歳~45歳の女性では54.5%(子どもがいる同年代の男性は25.0%)と半数を超え、「自分のやりたい仕事ができている」58.2%に次いで2番目に高くなりました。

他方、「責任ある仕事を任されている」は男性44.0%、女性35.7%と男性のほうが高くなりました。特に子どもがいる31歳~45歳の男性では「責任ある仕事を任されている」が54.2%と最も高く、“責任ある仕事”に最も重きが置かれている様子が窺えました。同じ子育て中であっても男女による意識の違いが浮き彫りになる結果となりました。

また、現在の雇用形態別にみると、正規労働者では「責任ある仕事を任されている」が50.6%、非正規労働者では「仕事とプライベートの両立ができている」が40.2%、自営業者(フリーランス含む)では「自分のやりたい仕事ができている」が65.8%、「仕事上で感謝の言葉をよくかけられる」が42.5%となり、それぞれ他の雇用形態層に比べ高くなりました。正規労働者は“責任ある仕事”、非正規労働者は“仕事とプライベートの両立”、自営業者(フリーランス含む)は“やりたい仕事”や“感謝の言葉”による働きがいを他の雇用形態層よりも感じている割合が高いことが明らかになりました。

さらに、「働きがいを感じられない/感じなかった」と回答した人の割合に注目すると、全体では11.7%となっていました。これを≪仕事内容≫や≪労働環境・職場環境≫に対する満足度別(それぞれ満足度の詳細については後述する)にみると、どちらも満足度が低いほど、働きがいを感じられていない人の割合が高く、≪仕事内容≫や≪労働環境・職場環境≫に対する満足度は、働きがいと関係しているようです。


~~ディーセント・ワークの実現に重要なことと、それらに対する満足度~~
◆ディーセント・ワークの実現にどの程度重要だと思う?
「労働環境・職場環境」「賃金」「労働時間・休日日数」「仕事内容」のいずれも9割以上が『重要』と認識

ディーセント・ワークの実現には、何が重要だと思われているのでしょうか。
全回答者(1,000名)に、≪仕事内容≫、≪労働時間・休日日数≫、≪賃金≫、≪労働環境・職場環境≫がディーセント・ワークの実現のためにどの程度重要だと思うか聞いたところ、≪労働環境・職場環境≫では「非常に重要だと思う」が50.3%と半数を超え、『重要だと思う(計)』(「非常に重要だと思う」~「どちらかといえば重要だと思う」までの合計)は97.8%となりました。その他の項目についても『重要だと思う(計)』は9割を超えており、≪賃金≫では97.1%、≪労働時間・休日日数≫では96.4%、≪仕事内容≫では95.9%でした。仕事内容や労働条件、労働環境がディーセント・ワークの実現のためには重要であると大多数が認識していることが明らかになりました。

■■その他調査結果■■(※リサーチ結果は、下記URLで公開しております。)
 http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/chousa/index.html  

~~ディーセント・ワークの実現に重要なことと、それらに対する満足度~~
◆満足度では「賃金」は半数近くが『非満足』
 「労働環境・職場環境」と「労働時間・休日日数」は3人に1人の割合で『非満足』
◆「社会保障」も9割以上が『重要』と認識するも、『機能している』との評価は6割に満たず

~~仕事内容・労働条件・労働環境・社会保障に対する不満内容~~
◆賃金に対する不満 「基本給の水準が低い」6割
◆労働環境・職場環境に対する不満 「職場の人間関係が悪い」5割、「パワハラやいじめ」は3割
 46歳~55歳女性では「目標となる先輩・上司がいない」が半数以上
◆労働時間・休日日数に対する不満 「まとまった休みが取れない」「残業が多い」
 正規労働者は“長時間”、非正規労働者は“短時間”に不満
◆仕事内容に対する不満 「やりたい仕事とは異なる」3割半
 男性は“やりがいを感じない”、女性は“忙しすぎる”ことに不満
◆社会保障制度で不十分と感じるところ 「社会保険制度」「年金」「医療・介護サービス」

~~ディーセント・ワークの実現に必要な取り組み~~
◆ディーセント・ワークを実現するために最も必要な取り組み “制度・法律の改正”が半数以上

~~ディーセント・ワークの実現によって期待できること~~
◆ディーセント・ワークの実現によって期待できること 1位「精神的に豊かな社会」、2位「落ち着いた生活」
◆「持続的な経済成長につながる」は3人に1人が期待
◆「職場における女性の活躍拡大」は女性の3人に1人が期待
◆「子どもによりよい教育を受けさせられる」は小中高生の保護者の3人に1人が期待


■■調査概要■■
◆調査タイトル:ディーセント・ワークに関する調査
◆調査対象:ネットエイジアリサーチのモバイルモニター会員を母集団とする18歳~65歳の男女(ただし、現在、会社経営者または役員の人は除く)
◆調査期間:2014年8月22日~2014年8月26日
◆調査方法:インターネット調査
◆調査地域:全国
◆有効回答数:1,000サンプル・・・有効回答から性別×年代区分(※)が均等になるように抽出
※年代区分は次のように設定した。
18~30歳:青年層/就職・転職期
31~45歳:出産・子育て期
46~55歳:ポスト子育て期
56~65歳:退職・再雇用期

企業情報

企業名 ネットエイジア株式会社
代表者名 三清慎一郎
業種 ネットサービス

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