咽喉がん治療に伴う副作用軽減のため、 既存の標準手術とロボット手術による治療後の生活の質の差を臨床試験

カナダ・オンタリオ州の研究者は、臨床試験としては画期的な、生活の質を考慮して 患者にとって最適な治療法の選択肢とは何かを判断するための臨床試験を実施します。

カナダ・オンタリオ州の研究者は、臨床試験としては画期的な、生活の質を考慮して
患者にとって最適な治療法の選択肢とは何かを判断するための臨床試験を実施します。

現在、咽喉がんでは、放射線と化学療法が標準的な治療法です。
この治療法は、がんの抑制に優れた効果がありますが、患者には人生を変えるような
副作用があります。会話、嚥下、味覚、聴覚などの障害が生じることも、栄養チューブに
依存した生活を余儀なくされることもあります。特に、HPV感染による咽喉がんの患者は、
若く健康で治癒する可能性の高い傾向にあり、副作用を抱えたまま何十年も生活しなければ
ならないので、治療後の生活の質は極めて重要です。経口腔ロボット技術は咽喉がんの
治療法の選択肢としても副作用の少ない代替治療法として非常に有望ですが、
その新しい治療法を採用するまでに、化学療法と放射線を組み合わせた標準的な治療法と
同程度の治癒率を達成できるか証明する必要があります。大きな期待が寄せられた新技術も、
導入してみると、何の効果も見られないという結果になることもあります。

現在、オンタリオ州では、Lawson Research Centre(ローソン研究所)の外科医、
アンソニー・ニコルス博士(Dr Anthony Nichols)と放射線腫瘍医、
デビッド・パルマ博士(Dr David Palma)が、治療法について臨床による比較を行っています。
彼らには、カナダがん協会(Canadian Cancer Society)の研究助成金制度
「Quality of Life Grant(クオリティ・オブ・ライフ・グラント)※1」の下、
22万3,000カナダドル(約2,185万円)が付与されています。ニコルス博士はローソン研究所で
研究を行う一方、オンタリオ州ロンドンにあるウェスタンオンタリオ大学で頭頸部外科の
准教授を務めています。パルマ博士も同様に、オンタリオ州のがん研究機関OICR
(The Ontario Institute for Cancer Research)の臨床医です。

臨床研究期間は3年。その間、まず、初期段階の中咽頭(舌、軟口蓋、喉の側壁と後壁、扁桃など)
のがん患者に対し、無作為化第2相臨床試験への参加を求め、患者を、
1)現在の標準的な治療(放射線と化学療法の有無の組み合わせ)を受けるグループと
2)ロボット手術を受けるグループに分類します。治療の1年後に、副作用による患者の
生活の質を評価します。2通りの治療法を直接比較するのは初の試みで、咽喉がん患者の
治療に国際的にも影響を与える可能性があります。米国では、効果を裏付ける確証はないものの、
この種のがん治療にはロボット手術が行われています。

この手術で、博士は小型のロボット制御の手術用具を使用して、舌、扁桃、口蓋、喉などの
腫瘍を除去しています。ロボットにはファインダーと3Dカメラが設置され、隅々まで見渡せます。
また、小型のロボットアームを使用することで、外科医の手が入らない狭い空間にも届きます。
ロボットアームは外科医の手の動きを正確に再現し、手の震えを除外することもできます。
その間、外科医は画面でロボット手術の状況を確認します。

「カナダがん協会はがんの治療中と治療後の患者の生活の質がどれほど重要であるか
認識しています。この画期的な新しい手術法が、生活の質を大幅に改善すると大いに期待されます。
また、このような重要な研究に資金を提供できて光栄です。支援グループの寛大な寄付のおかげです」と、
カナダがん協会で研究の責任者を務めるシアン・ベバン博士(Dr Siân Bevan)は述べています。

※1 Quality of Life Grant(クオリティ・オブ・ライフ・グラント)について
この制度は患者、生存者、介護者などの疾病負担の改善に大きく貢献する可能性のある、
生活の質の向上を目指したがん研究を支援するために設立されました。

■ カナダがん協会について
カナダがん協会は、がんの撲滅とがんとともに生きる人々の生活の質(QOL)の向上を
目指すボランティアで構成される全国規模の地域密着型の組織です。
ウェブサイト:http://www.cancer.ca/en/?region=ns (英語)

為替レートは1 カナダドル=98円で計算。

■オンタリオ州について
オンタリオ州はカナダ経済の中心地となっており、カナダ全体のGDPの38%、人口の39%、
カナダの輸出品の39%がオンタリオ州に集中しています。あらゆる規模の事業者に対する
財政面や事業面でのサポート体制、イノベーションや研究開発を促進させる資金支援プログラム、
G7の中で最も高い教育水準を誇る労働力などをベースにして、オンタリオ州は、
カナダ最大の経済圏、かつ、北米でトップ10の経済圏となっています。
約200社の日系企業が、オンタリオ州に投資しており、ホンダ、トヨタ、日産、三菱重工業、
カプコン、コーエイ、アステラス製薬、武田薬品工業、キャノンなどの主要企業が現地法人を置いています。
日本はオンタリオ州の5番目の貿易相手国となっており、また、当州への海外資本投資額のうち、
日本からの投資額が約9%を占めます。2011年の日本の対オンタリオ州の輸入額は
約12億4,000万カナダドル、同輸出額は、約84億8,000万カナダドルとなっています。
詳細は、「インベスト・イン・オンタリオ」日本語サイトhttp://www.investinontario.com/Japan
「Ontario Exports」http://www.ontarioexports.com をご覧ください。
オンタリオ州政府サイト: http://www.gov.on.ca/
オンタリオ州政府経済開発省
(Ontario Ministry of Economic Development, Trade and Employment)サイト:
http://www.InvestinOntario.com

■オンタリオ州政府在日事務所について
オンタリオ州政府在日事務所(Ontario International Marketing Centre、東京都港区カナダ大使館内)は、
日本とオンタリオ州の貿易・投資促進を図る目的で2006年6月、オンタリオ州政府経済開発省
(Ontario Ministry of Economic Development, Trade and Employment)によって、開設されました。
同在日事務所は、日本企業の投資誘致活動、オンタリオ企業・輸出業者への支援、
日本の行政・媒体関係者の協調関係を深めるなど、様々な活動を通じてオンタリオ州の産業、
ビジネスを紹介し、日加間のビジネス交流・貿易の促進に取り組んでいます。
URL: http://www.sse.gov.on.ca/medt/investinontario/jp/Pages/ontario_and_japan.aspx

企業情報

企業名 株式会社トークス
代表者名 平田 宏
業種 その他サービス

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