【日本体育大学との共同研究】高域変調多重複合波による骨格筋電気刺激は、中高齢者の骨格筋や認知機能等を向上させるか
化粧品、医薬部外品、健康食品などの研究・開発・製造および販売を手がける株式会社セプテム総研(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:石神政道)は、高域変調多重複合波を用いたEMS機器が心身に与える影響について日本体育大学の菊池研究室、岡本研究室との共同研究をおこない、2024年3月11日(月) に開催された東京体育学会第15回学会大会で「高域変調多重複合波による骨格筋電気刺激は、中高齢者の骨格筋や認知機能等を向上させるか」というテーマで発表しました。
【研究背景・目的】
令和元年における厚生労働省のデータによると、日本人の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳と世界有数の長寿国となっているが、一方で健康寿命とのギャップが大きく、健康寿命の延伸が大きな課題となっている1) 。
高齢者の健康維持には、適切な運動が重要であることは多くの研究によって示唆されている2)3)4)5)が、運動習慣のある40代の男性は18.5%、女性は11.9%にとどまり、中高齢の方の80%以上が継続的な運動ができていないとの報告もある6)。加齢に伴い、運動に消極的となることが伺える。
運動の代替として、近年骨格筋電気刺激装置(EMS装置)が注目されているが、健康への有用性に関しての効果は、研究の数も限られているのが現状である7)。
そこで、本研究では高域変調多重複合波を用いた骨格筋電気刺激 (EMS)が、中高齢者の骨格筋や認知機能等に影響を与え、健康向上への影響があるかを検証するため、健康に問題のない運動習慣のない中高齢女性(50~79歳)33名をEMS群:17名とコントロール(CON)群:16名にランダムに振り分け、EMS群は、腹部と大腿部の2カ所に各20分/日(Fig.2)、週5回のEMSトレーニングをおこない、8週間後の介入試験前後に各試験項目について測定を実施した。
▼セプテム総研|詳細レポート:https://septem-so.com/wp-content/uploads/2024/04/press_240423.pdf
【研究結果】
8週間の介入試験後、EMS群において以下が確認された
・等尺膝伸展筋力・大腿四頭筋断面積ともに、有意な増加
・上腕最高血圧の有意な低下
・血液生化学検査において、TGの有意な低下、LDLとグルコースの減少傾向、アディポネクチンの有意な増加
・認知機能に関してはMoCa-Jの総合得点が有意に増加
【EMS装置と貼付方法】
㈱テクノリンクの高域変調多重複合波*を採用したエモーショナル プロ®(販売者:㈱セプテムプロダクツ)を使用(2ch方式)。
*基本周波数2.7KHzパルス波に12.5~125 KHzのパルス波成分が含まれたパルス幅変調方式8) (Fig.1)。
EMS群は腹部と大腿部の2カ所に各20分/日(Fig.2)、週5回のEMSトレーニングを実施した。
【結果および考察】
■等尺膝伸展筋力・大腿四頭筋断面積ともに、有意な増加
筋肉に関しては、等尺膝伸展筋力と、電極の貼付位置である大腿四頭筋断面積において、EMS群で有意な増加が確認された(Fig.3,4)。
■上腕最高血圧の有意な低下
上腕最高血圧(左右の平均値)において、EMS群での有意な低下が確認された(Fig.5)。
■血液生化学検査において、TGの有意な低下、LDLとグルコースの減少傾向、アディポネクチンの有意な増加
血液生化学検査においては、TG(中性脂肪値)の有意な低下が見られた(Fig.6)が、DL(善玉コレステロール)は大きな変化が見られなかった(Fig.7)。一方、有意差は確認できなかったものの、LDL(悪玉コレステロール)とグルコースには減少傾向が見られた(Fig.8,9)。また、アディポネクチンに関しては有意な増加が確認された(Fig.10)。
EMSによる筋肉運動が生体内の脂質代謝に影響を及ぼす可能性が考えられた。
■認知機能に関してはMoCa-Jの総合得点が有意に増加
認知機能に関してはMoCa-Jを実施(Fig.11)。EMS群では総合得点が有意に増加し、認知機能の向上が確認された(Fig.12)。EMSによる血流促進やマイオカインの影響が考えられた。
<発表者からのコメント>
日本人は平均寿命も健康寿命も長いとされていますが、それでも10年程度のギャップはあり、約10年は健康上に何らかの問題を抱えながら過ごすことになります。骨格筋だけでなく、脳など全身の細胞にも適度な運動の継続が良いという研究結果が多数報告されていますが、実際問題として、運動の継続が難しいことも事実です。
高域変調多重複合波を用いたEMSが手軽な運動の代替となることで、健康増進を実現できれば「人生100年時代」に向かっているとされる現代、多くの方のウェルビーイングの実現につながるのではと考えています。
<今後の展開>
高域変調多重複合波を用いたEMSを用いてトレーニングをおこなうことで、実際の運動と同様に、今回報告したもの以外にも全身に多彩な効果があると考えています。マイオカインやホルモン産生、肌や髪、骨への影響、より長期に使用した際の影響など、研究をさらに進めたいと考えております。
<菊池准教授からのコメント>
近年、筋トレというキーワードがよく使われるようになりました。学術的にも筋トレの効果が多く報告されるようになり、身体活動・運動ガイド2023(厚生労働省)においても筋トレが推奨されるようになりました。骨格筋を活動させることは様々な生活の質に関連しており、筋力を高めるだけでなく、血管機能や認知機能にも好影響を与えます。
今回の研究ではEMS(骨格筋電気刺激)を用いた介入によっても、随意運動のような効果があることが証明されました。今後はEMSとそのほかの活動の併用やサプリメントによる相乗効果などを明らかにしていきたいと考えています。
<Reference>
1)厚生労働省 第16回健康日本21(第二次)推進専門委員会 健康寿命の令和元年値について
2) Berit L, et al., BMJ 2009 Sep 3;339:b3292
3) IM L, et al., Med Sci Sports Exerc. 2001 Jun;33(6 Suppl):S459-71
4) Sarah J B, et al., BMC Public Health. 2014 May 27;14:510.
5)原田和弘ら、メタボリックシンドロームに対する低強度運動の有効性-運動習慣と日常での身体活動の観点から-健康支援 第14巻2号 P1-5 ,2012
6)厚生労働省 令和元年 国民健康・栄養調査報告 結果の概要
7)Akai M et al. BMC Complement Altern Med. 2019 Apr 24;19(1):87.
8)西条薫ら 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 19 (1), 58-63, 2009
【株式会社セプテム総研について】
本 社:〒530-0003 大阪府大阪市北区堂島2-4-27 JRE堂島タワー13F
代表者:代表取締役社長 石神政道
電話番号:06-6347-1010(代表)
FAX:06-6344-0020
事業内容:
●化粧品、医薬部外品、ヘアケア、ボディケア商品の研究・開発・製造および販売
●栄養補助食品の研究・製造および販売
●美容機器の研究・企画および販売
●OEMおよびODM
【研究概要】
■研究目的:高域変調多重複合波を用いた骨格筋電気刺激装置の連用による健康向上効果の確認
■研究方法:健康な50-79歳(平均58.5歳)の女性33名をEMS群(17名)とコントロール群(16名)にランダムに振り分け、EMS群は腹部と大腿部の2カ所に各20分/日、週5回EMSを実施した。8週間の介入試験前後に体重・筋量・体脂肪率の測定(InBody)、血液検査(中性脂肪値・コレステロール値・血糖値等)、認知テスト(MoCA-J他)等をおこなった。
【データに関するお問い合わせ】
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▼メールアドレス:customer-so@septem-so.com
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企業情報
企業名 | 株式会社セプテム総研 |
---|---|
代表者名 | 石神 政道 |
業種 | ファッション・ビューティー |
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