アルテック株式会社 「プライバシーバイザー」の開発に3Dプリンタが貢献

機械専門商社のアルテック株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:張能 徳博)は、世界トップシェアを誇るストラタシス社製3Dプリンタ「Objet30pro」を株式会社前澤金型へ提供し、国立情報学研究所 越前功研究室との合同研究「プライバシーバイザー」の開発に貢献いたしました。

機械専門商社のアルテック株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:張能 徳博/ちょうのう のりひろ)は、世界トップシェアを誇るストラタシス社製(イスラエルレホボト・米国ミネソタ州、NASDAQ上場)3Dプリンタシステム「Objet30pro」を株式会社前澤金型へ提供し、国立情報学研究所 越前功研究室との合同研究「プライバシーバイザー」の開発に貢献いたしました。
また、10月25日より鯖江市嚮陽会館(福井県鯖江市)にて開催される「さばえものづくり博覧会」にて本研究の研究成果や3Dプリンタによる実演加工を前澤金型社ブース(Cゾーン C-21)にて行います。

■株式会社前澤金型と3Dプリンタ「Objet30pro」
株式会社前澤金型は1979年に鯖江市東米岡町に前澤金型製作所として設立され、以来眼鏡用部材の金型や成形部品を製造し、数々の販売メーカーに採用され、ハリウッドスターや国内外の政治家、スポーツアスリートなどの各界の著名人が愛用するめがねやサングラスに使われる部品を世に送り出してきました。
そのような中で工場長の井上治氏は「地域のものづくりを支える最後の砦として最後まであきらめないものづくりの姿勢」を挙げ、その最初の糸口となったのが、当社が提供したストラタシス社製3Dプリンタ「Objet30 Pro」でした。
導入以前は、プロトタイプの部品を確認する際に、モデル設計、試作金型製作の工程と試作成形工程で最短でも2週間程度必要で、顧客へのスピーディな対応が困難でありましたが、2013年に中小企業庁のものづくり補助金事業に採択され、導入後はプロトタイプのモデル設計の承認を得たその日に造形し、翌日にはプロトタイプの試作造形を顧客へ提出できるようになりました。また、モデルに不具合があっても改善方法をすばやく見つけることで、その後の量産の金型や成形部品に反映することが可能になりました。
また、3Dプリンタを使用することで、現物加工シミュレーションが可能となり、加工プロセスの平準化、加工寸法精度や表面粗度の向上、加工時間の短縮にも成功しました。さらに、金型加工の仕上工程プロセスを検討する試料として役立てることができ、今後の若手エンジニアの加工技術の教育や、金型部と成形部との社内のコミュニケーションツールとして利用できる成果もありました。

■プライバシーバイザーとは
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の浸透に伴い、顔認証システムを活用することで、投稿された写真から位置情報や時間、場所などの個人情報が特定される危険が高まっております。そこで国立情報学研究所の越前功教授は、そうした「プライバシーの侵害を自分自身の力で防衛できないか」と、ゴーグル型の眼鏡に発光ダイオード(LED)を取付ける方式を模索しておられました。人の目に見えない光を当てて陰影をなくし撮影されても顔の凹凸を認識されにくくすることで、顔認証検出機能を妨害する仕組みとなります。
越前教授は、「プライバシーバイザーは、プライバシーに敏感な欧米を中心に需要が見込まれる。鯖江の眼鏡フレームの生産で培われた技術や機能性、デザイン性に優れた製品を作りたい」と意気込んでおられます。 

■国立情報学研究所・越前功教授との共同開発
国立情報学研究所 越前研究室(越前 功教授)では、デジタルコンテンツの円滑な流通を目的としてコンテンツの著作権保護やプライバシー保護を実現するシステム技術の研究が行われており、カメラなどの顔検出機能を妨害できるプライバシー保護眼鏡の研究が進められております。
越前教授は前澤金型が3Dプリンタを用いて眼鏡部品の試作研究を行っていることを知り、顔検出を妨害しながら見た目に違和感の少ない眼鏡を開発するため、前澤金型に共同研究を依頼されました。
越前教授は、「鯖江の眼鏡専門業者の皆さんは技術者としてのプロ意識が大変高く、その中で3Dプリンタを用いて眼鏡部品の試作をされている前澤金型さんと出会いました。我々が検討しているプライバシー保護眼鏡のフレーム形状は、市販品にはない特殊な形状をしているため、前澤金型さんのフレームの知見と、任意の形状を素早く製作できるストラタシス社製の3Dプリンタが試作品の性能評価に大変役に立ちました。」と振り返られました。
更に、Objet30Proで試作造形した眼鏡フレーム(右記写真)について「表面の面粗度が高く、精度が高いディテールを見て、本当に3Dプリンタで造形したのか」と驚愕され、「この試作フレームを用いて評価実験を行えば、成果は期待できる」とその時確信されたそうです。
実験結果も従来の研究室プロトタイプよりも顔検出機能の妨害効果は高く、「短期間にプライバシー保護眼鏡の基本構造設計が確立された」と話しておられました。

■今回使用した3Dプリンタ「Objet30pro」の特徴 
ハイエンドなラピッドプロトタイピング機に匹敵する精度と多様性、そして設置場所を選ばないというメリットを兼ね備えているデスクトップタイプの3Dプリンタ。
ストラタシス社が所有するテクノロジーの1つであるPolyjet方式。
クリア材料や高耐熱材料を含む全8種類の異なる3Dプリント材料が使用可能です。

■アルテック株式会社 デジタルプリンタ事業部3Dプリンタ営業課 課長 岡部泰三のコメント
このような形で3Dプリンタが活用され、当社としても日本のものづくりの活性化に協力出来、非常に嬉しく思っております。日本のものづくりは良い意味で品質重視で時間が掛かる方法です。しかしながら今回のように3Dプリンタを利用し、ものづくりのスピードが上がり開発時間やコストの削減に繋がっております。これからも色々な分野に3Dプリンタをご提案し、日本のものづくりに貢献していきたいと考えております。

企業情報

企業名 アルテック株式会社
代表者名 張能徳博
業種 商社・流通業

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