生命科学論文の画像改竄はたくさんあった

学術論文誌「Science Postprint(SPP)」を運営するゼネラルヘルスケアは、学術論文の捏造の実態を調査し、結果をSPPに掲載した。調査の結果、Nature誌において過去に日本人が関与した電気泳動関連実験を含む論文に、6.6%の画像加工の痕跡を見出し、再調査が必要であることを示唆した。

【論文の画像加工調査】
 昨今、小保方氏のSTAP細胞の論文で市民においても論文の画像改竄問題が知られるようになりましたが、これは特殊な事例なのだろうか?学術論文は科学の発展のための基盤となる場であることから、信頼性の高い論文が掲載されるべきであるが、どれぐらい信頼できるものだろうか?これらを検討するために、私たちは大学の研究者と協力して、生命科学分野の電気泳動関連実験の論文を抽出し、画像の切り貼りなどの画像加工に限定して調査を行いました。

【調査結果】
以下のことが明らかとなりました。
・Nature誌において2000年から2006年に日本人が関与した302件の論文のうち、20件(6.6%)の画像加工の痕跡を見出し、これらを含めた23.8%論文は再調査が必要であることを提案しています。
・Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)誌の2003年Vol.100(1)~(3)では電気泳動関連実験を含む論文72件を調査しました。日本人が関与する14件では画像加工の疑いが有り、再調査が必要と考えられる論文が42.9%にも上り、日本人が関与しない58件の論文での再調査必要と考えられる論文の率が17.2%と比べ、有意に高いことが示されました。つまり、日本人が関与することによって怪しい画像が増える可能性が示唆されました。不名誉なデータですが、改善を期待します。
・画像加工の痕跡があった論文の著者は様々なバックグラウンドがありましたが、米国留学先、もしくは国内大学で画像加工の論文を書き、その後国内大学の教授に就任している研究者は複数います。インパクトファクター重視の人事システムでは、Nature誌に論文掲載された研究者は自ずと高く評価され、画像加工でも何でも、学術誌に掲載した者勝ちの文化ができてしまったのかもしれません。インパクトあるストーリーばかりが評価され、一つ一つの実験データが軽視されてしまってはなりません。
・本調査で画像加工の痕跡ありとされた論文、調査が必要であるとされた論文も、この事自体でこれまでの評価が変わるものではありません。著者は元データを提示するか再現実験を示すなど、疑義を晴らす必要はあるものと考えます。万一、これらが示されない場合、評価の再検討が必要だと考えております。
・今回の調査は画像加工に関することだけです。論文の改竄には、テキストの複製、画像の再利用、統計データの加工など、様々な手口が考えられます。よって、氷山の一角だけで5%以上もの論文が捏造と思われる論文であることがわかり、氷山はとても大きいことが示唆されました。
・2006年までのデータのため、現在の画像加工率が上がっているか下がっているかは今後の課題です。
・学術誌Science Postprintは、画像加工チェックなども導入し、信じられる学術誌を目指します。

以上。

【参考URL】
Science Postprint Editorial report: http://spp-j.com/spp/1-1/spp.2014.06E0001/ 

◆ゼネラルヘルスケア株式会社について
1. 商号:ゼネラルヘルスケア株式会社
2. 代表者:代表取締役 竹澤慎一郎
3. 所在地:東京都港区南青山2-2-12
4. 設立:2007/01/29
5. 資本金: 23百万円(資本準備金含まない)
6. 従業員数:12名(平成25年4月30日現在、非常勤含む)
7. 主な事業の内容:ヘルスケアに関連した技術、情報をいち早く世の中に活かすことを目的とする事業
8 URL: http://www.ghjapan.jp/ 

企業情報

企業名 GH株式会社
代表者名 衛藤史貴
業種 医療・健康

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