“成熟”が感じられない高齢者。中年世代と大差ない姿勢、価値観。【死生観に関する調査】

死に対する考え方や姿勢において、年代による顕著な差は見られませんでした。日本において高齢期に幸福度が高まらない状況は、今回の調査からうかがえた、高齢者が高齢期に相応しい成熟をしていない(考え方、価値観が中年世代と変わりない)ことに原因があるとも考えられます。

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高齢期のライフスタイルの充実について調査・研究・提言する、特定非営利活動法人「老いの工学研究所」(大阪市中央区、理事長:西澤一二、http://oikohken.or.jp/)は、当研究所のモニター会員約12,000名に対して「死生観に関するアンケート調査」を行い、45歳~91歳まで576名から回答を得ましたので、その結果についてお知らせ致します。

1.死に向き合わない高齢者
表1のように、死に対する考え方や姿勢に年代による顕著な差は見られませんでした。「1.死後の世界はある」「2.命より大切なものがある」「3.死について真剣に考えるきっかけがあった」の3項目については、年代が上がるほど減少。信仰心も中年世代と大差ない結果となりました。「死に対する恐れがない」とした割合も75歳以上で64%に過ぎず、3人に1人が死への恐れを持っていることになります。これらから、高齢者が死としっかり向き合っている様子は伺えません。

死を受け入れるとすれば どのようなときだと想像しますか、という質問に対して、「1.医師に治療できないと判断されたとき」「2.経済的に困窮したとき」「3.生前整理が完了したとき」で、年代が上がるほど増加しましたが、他の項目では年代による差は見られませんでした。
高齢になるほど、健康面や経済的な面での限界が死を意識させるようになる一方で、生きがい、交流、貢献といった人生の充実度に関係することについては、世代による大きな差は見られませんでした。


2.高齢者の幸福度が高まらない理由
「老年的超越理論」(トルンスタム)では高齢期の成熟と心理的発達を指摘しており、これが諸外国において高齢期に幸福度が高まる理由の一つとされていますが、以下のように日本においては、高齢期に幸福度が高まるわけではないという調査結果があります。
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●内閣府「平成20年版国民生活白書」より
これまでの諸外国における調査では、年齢と幸福の間にU字型の関係があるとの結果が出ているものが多い。つまり、若者と高齢者は熟年層よりも幸福だというのである。その理由としては、熟年層に入る頃には、自分の人生がある程度定まってくるので、人々は若い頃持っていた野心を実現することをあきらめざるを得ないから幸福度が下がる。その後の高齢期に入ってからは考え方を変え、後半の人生を楽しく充実させようと努力するから幸福度がまた高まるのではないかとの考察がなされている。しかし、今回の推計ではU字型にはなっておらず、67歳を底にして79歳にかけて幸福度はほとんど高まらないL字に近い形状を取っており、アメリカの結果と比べても我が国は特異と言える。
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「老年的超越理論」に照らせば、日本において高齢期に幸福度が高まらない状況は、今回の調査からうかがえた、高齢者が高齢期に相応しい成熟をしていない(考え方、価値観が中年世代と変わりない)ことに原因があるのかもしれません。
活力ある超高齢社会を築くには、身体的に衰えても、幸福度を高められるような高齢者が増加することが望ましく、そのためには50歳代、40歳代のうちから人間の成熟について考える機会を持つことが重要であると考えられます。

【調査概要】
・ 調査期間:2015年2月6日~3月31日
・ 調査方法:郵送、インターネット
・ 回答者 :576名(男性257名、女性319名)
        45~54歳/124名
        55~64歳/99名
        65~74歳/ 173名
        75歳以上/ 180名

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企業情報

企業名 NPO法人「老いの工学研究所」
代表者名 西澤一二
業種 その他サービス

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