外国人留学生の就職活動に関する意識調査

日本の大学に在学中の外国人留学生を対象に、就職活動に関する意識調査を行った結果、多くの留学生が日本企業で就職した後5年以上の長期にわたって仕事に従事したいと考えており、短期的にジョブホッピングを繰り返す従来のイメージとは変化が起きていることや、仕事に対する高い意識を持っている実態がわかりました。

企業活動のグローバル化が進んでいるなか、大手企業はもちろん中小ベンチャー企業の外国人雇用ニーズも、近年大きく高まっています。同時に、日本における2011年度の専門学校、大学、大学院の外国人留学生の数は13万8075人と、10年前(2001年)の約7万8812人(日本学生支援機構調べ)に比べて倍増しているなか、留学生の日本企業への就職に対するニーズも高まっています。一方で、留学生雇用における企業側の知識・ノウハウの不足や、留学生に就職情報が十分に提供しきれていないなど、課題もあります。そこで、株式会社フューチャー・デザイン・ラボ(本社:東京都港区、代表取締役社長:竹原啓二)は、外国人留学生の就職活動における意識や実態を把握するため、日本の大学に在学中の外国人留学生を対象にアンケート調査を行いました。

その結果、約4割の外国人留学生が、日本企業で就職した後、5年以上の長期にわたって仕事に従事したいと考えており、短期的にジョブホッピングを繰り返す従来のイメージとは変化が起きていることがわかりました。
また、企業を選ぶ最も重要な基準としては企業の「将来性」を選択していることや、約4割の学生が将来的には起業を志していることなど、積極性の高い意識を持っていることが判明しました。

具体的には、以下の調査結果となりました。

【調査概要】

対 象: 全国の大学、大学院に在学中の外国人留学生
調査方法: インターネット及びアンケート用紙による
期間:2012年1月9日~3月31日
回 答 数: 366人(文系296人、理系70人)

結果概要
1.外国人留学生の就職活動における意識について
  -1 5~10年以上の中・長期にわたる日本勤務を希望する留学生が39.9%と高い。
  -2 就職先企業を選ぶ際に重要視する項目では、「将来性」が1位。
    一方で、「知名度」や「企業規模が大きいこと」は10位以下。
  -3 将来的に起業を目指す留学生の比率が36.8%と高い。

2.外国人留学生が就職を希望する業界について
  人気第一位は電気機器メーカー、二位は情報通信、三位は小売業だった。

http://www.futuredesignlab.jp/press/pressrelease2012.pdf


【以下、詳細】

1-1 約4割の留学生が5~10年以上の中・長期にわたる日本勤務を希望

 日本企業への就職を希望する外国人留学生の、勤務希望年数を聞いたところ、5年程度、10年程度、11年以上(長期)と回答した学生が合計39.9%にのぼりました。
一般的に、高い離職率が留学生採用におけるネックとなることが多いと言われていますが、この結果から日本企業に中長期間勤続しようとする留学生の比率が非常に高いことが分かります。

1-2 就職先選択の際、最も重視するのは「将来性」

 就職先企業を選ぶ重視する点で最も多かった回答は「将来性がある」ことで、約20%の留学生がこの項目を選択しました。逆に「規模が大きい企業である」「知名度が高い」など企業の大きさや安定性に関する項目を選択したのは2%以下、順位も10位以下に留まっており、日本人大学生の就職活動における大手志向や安定志向との対照的な性格が見て取れます。

 将来性の次に重要視する項目として、外国人留学生が海外展開を非常に重要視していることも分かりました。昨今、海外へ留学する日本人学生の減少など内向き志向の日本人学生と対照的なスタンスが見られます。一方で、仕事の内容に関しては、「希望通りの職種につける」という回答が上位にランクインしておらず、彼らの仕事内容そのものに対する興味はそれほど強くないと考えられます。


1-3 約4割の留学生が、将来的には起業を志向

 卒業後は「日本企業で勤めた後母国に帰って起業したい」という回答が24.3%、「起業に勤め学習した後に日本で起業したい」という回答が12.3%を占めあわせて36.6%の学生が起業を志向していることが分かりました。近年の日本人学生の安定志向とは対照的に、留学生のキャリアプランは積極的である言えます。



2 外国人留学生が就職を希望する業界について

 就職を希望する業界についてアンケートを行ったところ、一位は電気機器、二位は情報通信、三位は小売業という結果が得られました。



3-1 日本で就職する際の不安事項

 最多回答が語学力に関する不安で、次が職場の人間関係への不安でした。こうした結果から留学生が職場でのコミュニケーションに不安を抱いていることが分かります。



3-2 就職活動を行う上での不安について

 就職活動を行う際の不安について質問したところ、「就職活動をどのように進めたらいいか分からない」という回答が最も多く寄せられました。日本独特の複雑な就職活動のシステムに留学生が不安を覚えていることが窺い知れます。



3-3 日本で就職を希望する理由

 日本で希望する理由として最多だったのは「日本企業で経験を積みたいから」という回答でした。

企業情報

企業名 株式会社フューチャー・デザイン・ラボ
代表者名 竹原啓二
業種 その他サービス

コラム

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