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セキュア・バンク、独自Cyber AI研究を第3段階へ ―「有益な再検証」と「情報を生まない反復」を区別する制御技術を初期検証

セキュア・バンク株式会社は、独自Cyber AI研究を第3段階へ進めました。CyberGymの1課題で、脆弱性の原因分析から検証・実行までの攻撃推論チェーンを接続し、脆弱性の再現まで到達。さらに実案件4ケースのAI実行ログを事後解析し、AIの反復を「有益な再検証」「新しい情報が少ない状態」「停滞」「方針との不一致」等に分類するInformation Gain Control Phase 1を初期検証しました。現段階では実行中のAIへの自動介入や成功率向上を確認したものではなく、今後Shadow Mode等による検証へ進みます。

セキュア・バンク株式会社(本社:東京都、以下「SecureBank」)は、2026年8月31日、Open Weightモデルを基盤とした独自Cyber AI研究を第3段階へ進め、「有益な再検証」と「情報を生まない反復」を区別するための初期技術検証「Information Gain Control Phase 1」を実施したことをお知らせします。
 

今回、CyberGymの1課題で、脆弱性の原因分析から検証方法の組み立て、実行結果の確認までをつなぐ「攻撃推論チェーン」を接続し、脆弱性の再現まで到達しました。

さらに、実案件4ケースのAI実行ログを事後解析し、AIによる反復的な検証が新しい判断材料を生んでいるのか、それとも新しい情報がほとんど増えていない状態なのかを分類する研究を進めています。
 

なお、今回確認したのは実行後のログを対象とした事後評価(Offline Evaluation)までです。Cyber AIの性能向上や成功率改善、実行中のAIへの自動介入を確認したものではありません。
 

【第1弾から第3弾へ――研究テーマを段階的に発展】

SecureBankでは、Cyber AIを一度作って完成させるのではなく、実行・評価・改善を繰り返しながら継続的に育成する研究を進めています。

第1弾(2026年8月19日)では、Open Weightモデルのローカル実行、教師データ作成、LoRA追加学習、CyberGymによる実技評価までを実施し、専用GPUを搭載しないノートPC環境から学習工程を自社で回せることを確認しました。

第2弾(2026年8月24日)では、PoC候補の実行結果を観測し、その結果を次の入力へ戻して条件を変えながら再試行する仕組みを初期検証しました。

そして第3弾となる今回は、

「AIが再挑戦できるようになったとして、その繰り返しには新しい情報が生まれているのか」

という次の研究課題に取り組んでいます。
 

【CyberGymの1課題で攻撃推論チェーンから脆弱性再現まで到達】

今回、CyberGymの1課題において、以下の一連の攻撃推論チェーンを接続しました。
 

Execution Path
→ Root Cause
→ Patch Differential
→ Trigger Hypothesis
→ Strategy
→ Tool
→ Execution
→ Result
 

対象ソフトウェアの処理経路を整理し、問題の根本原因を分析。脆弱性を含む版と修正済みの版のコード差分から成立条件を絞り込み、検証仮説とStrategyを構築して実行結果までをつなげました。

この課題では、直前の試行で入力の終端に関する仮説を立てていましたが、Tool側が意図した入力条件を実際には作れていませんでした。

そこでPatch Differential等を分析した結果、仮説そのものではなく、仮説を実際の入力へ変換するTool側に問題があると判断しました。

Toolによる入力の組み立て方をStrategyごとに変更して再検証した結果、意図した入力条件を実現し、AddressSanitizerによるheap-buffer-overflowの発生確認まで到達しました。

ただし、これはCyberGymの1課題における結果です。CyberGym全体の課題解決率や、Cyber AIそのものの能力向上を示すものではありません。また、AIが未知の脆弱性を独力で発見したものでもありません。

悪用防止の観点から、対象ソフトウェア、課題の識別情報、脆弱性の識別番号、入力内容、具体的な再現手順等は公開していません。
 

【実案件4ケースのAI実行ログをInformation Gainの観点から解析】

今回、新たに実案件4ケースのAI実行ログについて事後評価を実施しました。

評価したのは「Information Gain」、すなわちAIが1回の検証によって新しい判断材料をどの程度得られたかです。

AIが同じような検証を繰り返している場合でも、新しいEvidenceを取得しながら前進しているケースと、新しい情報がほとんど増えていないケースでは意味が異なります。

そこで、AIの実行ログを主に以下の状態へ分類する初期検証を行いました。
 

・PROGRESS
新しい判断材料が得られ、検証が前進している状態

・REVALIDATION
同じような検証に見えても、新しいEvidenceを取得しており、再検証する意味がある状態

・LOW_GAIN
新しく得られる情報が少ない状態

・STAGNATION
検証を繰り返しても新しい情報がほとんど増えていない状態

・POLICY_VIOLATION
Strategy/Policy上避けるべき行動が実際には実行されている状態
 

【同じ行動の反復が、必ずしも「停滞」とは限らない】

実案件ログのうち1ケースでは、50件のVerification recordsを解析しました。

結果は、
 

・Verification records:50
・PROGRESS+REVALIDATION:48/50
・STAGNATION:0
・Evidence Novelty:97.3%
 

でした。

50件の検証記録のうち37件がEvidenceを伴い、そのうち36件が重複しない新しいEvidenceでした。

外形的には同じような検証を繰り返しているように見えても、新しいEvidenceを取得し続けている場合があります。

SecureBankでは、このような状態を「Useful Revalidation(有益な再検証)」として扱っています。
 

【一方、新しい情報が増えていない反復も確認】

別の実案件ログ1ケースでは、17件のVerification recordsについて、
 

・PROGRESS:5
・LOW_GAIN:5
・STAGNATION:7
 

となりました。

事後評価では、17件中12件をLOW_GAINまたはSTAGNATIONの候補として分類しています。

ただし、これは12件が無駄だったことや、12件の検証を削減できることを意味するものではありません。実行時点でその検証が不要だったかどうかは、今回の評価では判断していません。
 

【Strategyと実際のExecutionの不一致も検出】

実案件ログのうち1ケースでは、Strategy/Policy上はRECON(事前調査)を停止した後にもRECONが実行されている区間がありました。

事後評価では、該当する12 RoundをPOLICY_VIOLATION候補として検出しました。

これは、AI内部で設定した方針と実際の実行内容が一致しているかを、実行後のログから確認できる可能性を示すものです。

一方、今回の仕組みが実行中に12件の行動を停止・Blockしたものではなく、12件の攻撃を防止したことを示すものでもありません。
 

【Information Gain Control Phase 1の研究上の受入条件を確認】

今回の研究では、実行後のログを対象として分類が想定どおり機能するかを確認するため、Information Gain Control Phase 1の研究上の受入条件を設定しました。

今回、その受入条件を満たしたことを確認しています。

これはCyber AIの性能試験に合格したことを意味するものではありません。

今回設定したInformation Gain Control Phase 1の研究上の受入条件を満たしたという意味に限られ、製品として完成したことや、サイバーセキュリティ能力が向上したことを示すものではありません。
 

【次はShadow Modeへ】

今回のPhase 1は、AIの実行が終了した後のログを分析するOffline Evaluationです。

今後は、以下の段階的な研究を想定しています。
 

Phase 1:Offline Evaluation(今回)

Phase 2:Shadow Mode

Phase 3:Soft Intervention

Phase 4:Hard Gate
 

Phase 2のShadow Modeでは、Control Layerが実行中に判定のみを行い、実際のExecutionには介入しません。

その後、十分な検証結果が得られた場合には、STAGNATION等を検出した際に探索方法の変更を推奨するSoft Intervention、さらに明確なPolicy Violation等に対するHard Gateの研究へ段階的に進む計画です。

Phase 2以降はいずれも今後の研究計画であり、現時点では実装・検証していません。
 

【今後評価する指標】

今後CyberGymの評価対象を拡大し、
 

・成功率
・試行回数
・LLM Token使用量
・Tool実行回数
・実行時間
・LOW_GAIN率
・STAGNATION率
・Useful Revalidation率
・Policy Violation率
 

などを記録し、Information Gain Control導入前後で比較する研究を進める予定です。

現時点では、Token削減、Cost削減、Tool実行回数削減、成功率改善等の結果は確認していません。
 

【共同研究・共同開発について】

SecureBankでは、本研究を自社のみで完結させるのではなく、Offensive Security、Penetration Testing、AI/LLM、GPU/AI Infrastructure、Cyber Security Research/Evaluation等の領域に強みを持つ企業、セキュリティベンダー、AI企業、インフラ事業者、大学・研究機関との共同研究・共同開発、技術的な情報交換を積極的に検討しています。

現時点で特定の企業・機関との提携が決定している事実はありません。
 

【セキュア・バンク株式会社について】

セキュア・バンク株式会社は、日本エンタープライズ株式会社のグループ会社として、サイバーセキュリティ領域における各種サービス・技術開発に取り組んでいます。

AI技術の進展を踏まえ、従来型のサイバーセキュリティサービスに加え、AIを活用したセキュリティ技術の研究開発を推進しています。
 

公式サイト:
https://securebank.co.jp/
 

本プレスリリース:
https://securebank.co.jp/news/cyber-ai-information-gain-20260831
 

第2弾:
https://securebank.co.jp/news/cyber-ai-cybergym-20260824
 

第1弾:
https://securebank.co.jp/news/cyber-ai-rd-20260819
 



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企業情報

企業名 セキュア・バンク株式会社
代表者名 小西剛
業種 ネットサービス

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