2023年度インドスマートフォン市場における出荷量を発表〜Appleの出荷が初めて1,000万台を突破〜

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、2023年度インドスマートフォン市場における出荷量は横ばいの1.52億台だったという調査結果を含むMonthly India Smartphone Trackerによる最新調査を発表致しました。

2023年度インドスマートフォン市場において、上半期はマクロ経済の変調を受けたことで需要が落ち込んだため在庫が積みあがる結果となり、厳しい状況となりましたが、下半期には、5Gへの買い替え需要や、年末のホリデーシーズンのビジネスが期待以上となったことで、市場は回復基調となりました。

 

インドスマートフォン市場動向に関して、カウンターポイント社シニアリサーチアナリストShilpi Jain氏は次の通りコメントしています。

「高価格帯機種セグメントの成長と5Gへの買い替え需要が市場を牽引し、2023年第4四半期は前年同期比で25%の成長となった。1年に渡った市場縮小を乗り越えてのことである。細く長く続いたホリデーシーズン商戦が成長をさらに助けた。思い切った値引き、楽な支払いプラン、多くの資金を投じたプロモーションが需要を掘り起こした。多くのスマートフォンメーカーにとって、この1年の主な目的は、消費者の変化に合わせて5G製品を低価格セグメントに投入することだった。この結果、5Gスマートフォン出荷シェアは2023年に52%を超え、前年比66%の伸びとなった。最後の四半期(10月~12月)には在庫レベルが正常化し、翌年の成長に向けて調子が整ってきている。高価格帯機種指向、5Gスマートフォンの低価格帯への浸透、マクロ経済回復によって、2024年の市場成長は前年比5%になると、私たちは予測している。」

 

図1: 2023年度インドスマートフォン市場シェア

出典: カウンターポイント社Monthly India Smartphone Tracker

 

インドスマートフォン市場における競合状況と各社の詳細に関して、カウンターポイント社リサーチアナリストShubham Singh氏は次の通り述べています。

 

「Samsungは2023年の市場リードし、シェアは18%だった。Aシリーズが好調だったこと、オフライン(路面店)での積極的な販促、そして、高価格帯機種セグメントでの的を絞った事業展開が主な要因である。vivoは第2位でシェアは17%だった。2023年の同社は高価格帯機種の中でも値ごろな価格帯において首位であり、オフラインではCMFにこだわったV29シリーズが好調だった。また、オンライン(ネット通販)においてはTシリーズが好調だった。Xiaomiは2023年の通年では第3位に後退したが、2023年第4四半期に限ってみれば首位を獲得した。これは、値ごろな5Gスマートフォン製品を投入したこと、オフラインの販売網を拡充したこと、そしてポートフォリオを整理したことによる結果である。

 

高価格帯機種セグメント(30,000インドルピー、約5.4万円超)は、2023年に前年比64%の伸びをみせた。使い勝手のよい楽な支払いプランが提供され、消費者がより高価なスマートフォンに手を出したことが要因だ。2023年に購入されたスマートフォンの3台に1台はこうした支払いプランを利用したものである。Appleのインド重視戦略も高価格帯機種指向のトレンドを後押ししている。iPhoneの最新機種、既存機種が共に根強い需要に支えられた同社は、出荷が1,000万台を超え、通年の売上で初めてトップに立った。自前の店舗を開店し、定期的なプロモーションで大規模なショッピングモールを重視したことで、オフラインの出荷が増えた。加えて、下取り価格が有利なことも、消費者にとってiOSへの乗り換えを魅力的にした。」

 

図2: 2023年第4四半期インドスマートフォン市場シェア

出典: カウンターポイント社Monthly India Smartphone Tracker

 

【その他市場概況】

 

オフラインチャンネルの成長

オフラインチャンネルは年間を通じて成長し、2023年には全体の55%を占めるに至りました。その主な要因は消費者がルック・アンド・フィールを重視するようになったことが挙げられます。高価格帯機種指向が続くこと、下取りが増えること、さらに多様な支払いプランが提供されることといった点を考慮するとオフラインチャンネルの増加は2024年も続くと考えられます。

 

2024年の見通し

・メーカー各社はCMFをさらに重要視し、消費者にもそこに目を向けるよう促すと考えられます。

・Dolby Atmos、Dolby Cision、Dolby Cision recordingなどの機能を搭載し、オーディオ・ビデオ性能を強化したスマートフォンが増えると考えられてます。また、消費者もショートビデオをDolby VisionのMOJのようなプラットフォームで公開できるようになると考えられます。また、生成AIがスマートフォンに組み込まれることで、個々のユーザー自身に従来以上にパーソナライズされたコンテンツや、デジタルアシスタントが登場すると考えられます。

・より多くのメーカーが参入し、折りたたみ型スマートフォンは、高価格帯機種セグメントでさらに普及し、2024年には折りたたみ型スマートフォンの出荷は100万台の大台に乗ると考えられます。

 

その他主要各社の動向

・OnePlusは2023年に前年比33%成長しました。オフライン販売網を拡充し、高価格帯機種の中でも値ごろな価格帯(30,000~45,000インドルピー、約5.4~8.1万円)の製品ポートフォリオを改善したことが功を奏しました。

・Transsionグループは前年比31%成長しました。成長の要因は、販売チャンネルのハイブリッド戦略、高価格帯機種に搭載されていた機能の低価格帯機種への搭載、ティア2やティア3都市における高いプレゼンスが挙げられます。

・他メーカーで2023年に成長したのは、Google(111%)、Lava(36%)、Motorola(13%)という結果でした。

 

 

本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。

https://www.counterpointresearch.com/research_portal/india-smartphone-monthly-model-tracker-2023-nov-online-channels/

 

今回の発表は、各社IR情報やインタビューに基づく出荷台数の推定、販売チャネル側からの裏付け、流通過程でのデータチェック、その他二次的調査、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査などボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2023年1月1日~2023年12月31日)

 

【カウンターポイント社概要】

Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。

公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/



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企業情報

企業名 Counterpoint Research HK Limited
代表者名 Tom Kang
業種 その他サービス

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