ビクトリノックス、「道具の日(10月9日)」に先立ち、日本初となる日本・スイス「道具、ナイフ教育」意識・実態調査結果を発表

スイスを代表するナイフメーカーのビクトリノックスは、「道具の日(10月9日)」に先立ち、日本・スイス「道具・ナイフ教育」意識実態調査を発表。ナイフで鉛筆を削れる子ども、日本は20%、スイスは53.4%と約2.6倍の開き。不器用な日本の親子の現状や、弱まる家庭内教育力の実態が顕在化。

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報道関係者各位
プレスリリース
2014年10月01日
ビクトリノックス・ジャパン株式会社

ビクトリノックス、「道具の日(10月9日)」に先立ち、
日本初となる日本・スイス「道具、ナイフ教育」意識・実態調査結果を発表
ナイフで鉛筆を削れる子ども、日本は20%、スイスは53.4%と2.6倍以上の開き
6歳までにナイフを与える親、スイスは38.8%、日本は1.9%

スイスの伝統的ナイフメーカー、Victorinoxの日本法人であるビクトリノックス・ジャパン株式会社(東京都港区/代表取締役:田中麻美子)は、「道具の日(10月9日)」に先立ち、日本・スイス国交樹立150周年を記念して実施した国内初の「道具、ナイフ教育」に関する両国の意識・実態調査結果を本日発表しました。

本調査より、「道具、ナイフ教育」に関する親の意識や子どもの道具・ナイフ利用の実態に関して、主に以下のような傾向が認められました。


●日本
・日本の親は、子どもが手先を使う道具で創造性や生活技術の向上、手先の器用さを養うことに関心を示している。55.2%の親が、子どもが12歳になるまでにナイフの使い方を教えることが良いと考える傾向がある。また、子どもがナイフで小さな怪我をする経験が教育上必要であるという意見をスイス以上に支持している。

・一方、ナイフは危険で日常的に使わない、子どもが持つべきものではない道具として捉え、26.7%の親が何歳でも教える必要がないと思っている。

・また、ナイフで鉛筆を削ることができる子どもは20.0%であり、自分が子どもの頃と同等かそれ以上に、子どもがナイフを器用に使うと思う親は、日本では7.7%に留まっている。


●スイス
・スイスの親は、子どもが手先を使う道具で責任感を育むことを最も重視しており、6歳以下の子どもにもナイフを与える傾向があることから、親が子どもにナイフを贈るという習慣が今も根付いていることが伺える。

・スイスの親は道具を与える際に、子どもの精神的発達や能力習得を期待する傾向が見受けられる。子どもと一緒に親が道具を使って工作を行う機会を日本よりも多く設けており、幼少期から家庭生活や家族交流の中でナイフの使い方を教育する傾向が伺える。また、日本と比べ、スイスの子どもはアナログ、デジタルを問わず多様な道具を使う傾向にあると言える。


◆日本・スイス「道具、ナイフ教育」に関する意義・実態調査の主な結果
*詳細については、本メール最下部の【参考資料】をご参照ください。

・ナイフで鉛筆を削ることができる子ども、日本は20.0%、スイスは53.4%
・6歳までにナイフを与える親、日本は1.9 %、スイスは38.8%
・子どもにナイフの使い方を教えることができない親、日本は30.5%、スイスは2.9%
・自分が子どもの頃と同等、それ以上に、子どもがナイフを器用に使うと思う親、日本では7.6%、スイスでは67.0%
・子どもが使う道具、日本ははさみ、カッターナイフ、スイスはスマートフォンが首位
・親が子どもに道具を与える際に重視することについて、日本は創造性を育む、スイスは責任感を育むこと
・子どもと一緒に道具を使って工作を行う頻度、日本は月1回以下、全くないが8割以上
・ナイフに対するイメージ、日本は危険で日常的に使わない道具、スイスは便利で日常的に子どもも使う道具
・教育上、子どもにナイフを使わせることについて、日本は27.6%が賛成、スイスは80.6%が賛成
・子どもがナイフで小さな怪我をする経験、スイスよりも日本の親の方が教育上必要と評価


◆調査の概要

調査対象:日本、スイス国内に住む6歳~15歳(日本の小学生以上)の子どもを持つ親
有効回答数:208サンプル/日本105人(男性43人、女性62人)、スイス103人
(男性51人、女性52人)
調査方法:インターネットリサーチ
調査地域:日本、スイス全国
調査期間:日本=2014年9月3日から5日/スイス=9月16日から21日
調査目的:日本・スイスの親の道具・ナイフ教育の意識や子どもの道具・ナイフ利用の実態の把握

*小数点第2位を四捨五入しているため、0.1%程度の誤差を含んでいます。
*文中のナイフは、「ポケットナイフ(小刀)、多機能ナイフ」を意味します。
カッターナイフは、本来紙や布などの薄い対象物を切るナイフですので、含めておりません。


◆谷田貝公昭 目白大学名誉教授のコメント
今回の調査結果を受け、30年以上子どもの指・手腕の巧緻や生活習慣を研究している保育、教育学者の谷田貝 公昭氏(やたがい まさあき:目白学園目白大学名誉教授)は、次のように述べています。

「日本の子どもは、ナイフをはじめとするアナログな道具で手先を使う機会や、家庭内で正しい使い方の手ほどきを受ける機会がスイスより少ないことが分かりました。現代の日本の子どもたちが、インターネットやテレビなどの知識や情報収集を介して感覚的に学び取る機会(間接体験)が増加している一方で、遊びや生活の中で自分の身体を通して生活技術を養う機会(直接体験)が減少していることが認められます。」

「また、日本の親の安全教育観として、子どもを危険から遠ざける傾向にあることが伺えます。安全教育には、積極的安全教育(子どもを危険なものに敢えて挑戦させ、日常的なものに変える)と、消極的安全教育(子どもから危険なものを遠ざけ、安全を確保する)という2つの考え方があります。歴史的には積極的安全教育が社会の発展を促してきたと考えられますが、本調査で親のナイフに対するイメージで危険が最多であることや、ナイフを与えていない親が多いことを踏まえると、現代の日本では、消極的安全教育が優位になっていると考えられます。」

「30年ほど前に私は『ナイフで鉛筆を削れない子ども』の存在を調査で明らかにし、子どもの手先の巧緻性が低下していることを発表しました。道具は手の延長上であり、人間の脳を刺激し、創造性を育む大切な道具の一つが刃物であり、ナイフであると考えられます。こうした視点からも、ナイフをはじめ様々な道具を使って、直接体験や積極的安全教育の機会を増大させていくことが大切です。不器用な子どもの存在の裏に、不器用な親の存在があることを社会全体で再認識し、親子で道具やナイフを使いこなすための知識と経験を養う機会をより多く設ける必要があると言えます。」と結んでいます。

◆ビクトリノックス・ジャパンのCSR活動方針
ビクトリノックス・ジャパンでは、ナイフを販売する企業の社会的責任として、2010年頃より正しい刃物の使い方の啓発活動を続けています。基本的なナイフの使い方を学び、細かい手作業の楽しさや自分の手で何かを作る達成感を体験してもらう機会を提供すべく、これまでに、親子の工作ワークショップや「教育と刃物」と題した勉強会などを全国的に開催していきました。

近年は、子ども向けに「脳育工作キット」を発売し、自宅でも手軽に工作キットを手にして、体験できる環境づくりをお手伝いしています。ビクトリノックス・ジャパンは、基本的なナイフの使い方を学び、実際に道具として活用する機会を提供し、刃物類に対する正しい知識と安全な使用方法を普及させ、子どもたちの健全な成長に寄与していく方針です。

*添付資料:調査結果の詳細を含むプレスリリース

■ビクトリノックスについて
1884 年、ビクトリノックスはスイス・イーバッハで創業し、2014 年に130 周年を迎えました。
創業以来、マルチツールで培った伝統を守りつつ、ライフスタイルをトータルに提案するブランドへと発展を遂げています。日本法人であるビクトリノックス・ジャパン株式会社は、1993年1月に設立されました。

添付画像・資料

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企業情報

企業名 ビクトリノックス・ジャパン株式会社
代表者名 田中麻美子
業種 ファッション・ビューティー

コラム

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