舞鶴市 平成27年「ユネスコ世界記憶遺産」登録をめざし、東京で来年2月に「特別展」と「シンポジウム」を開催。3月、東京で上演の舞鶴を舞台にした音楽劇に全面協力

舞鶴市は、平成27年「ユネスコ世界記憶遺産」登録に向けて、舞鶴のアピールと「舞鶴引揚記念館」収蔵の「シベリア抑留と引き揚げ関係資料」(仮称)の理解促進のために、来年2月に東京で「特別展」と「シンポジウム」を開催。3月に東京・新宿で上演予定の“再出発の地・舞鶴”を舞台にした音楽劇に全面協力しました。

平成25年11月21日
舞鶴市

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《引き揚げのまち・舞鶴》
「シベリア抑留と引き揚げ関係資料」(仮称)
平成27年の「ユネスコ世界記憶遺産」登録をめざして

来春、東京で「ユネスコ世界記憶遺産」登録申請を記念した
特別展とシンポジウムを開催
シベリア抑留者の再出発の地・舞鶴を舞台にした音楽劇に全面協力
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舞鶴市(市長:多々見良三)は、市営の舞鶴引揚記念館(館長:山下
美晴、所在地:京都府舞鶴市字平1584番地)が収蔵する「シベリア
抑留と引き揚げ関係資料」(仮称)総計約1万2,000点の中から、
真正性、世界的な重要性、希少性の高い約580点を選定し、引き揚
げ開始70年目にあたる平成27年、国連教育科学文化機関(ユネス
コ)の「ユネスコ世界記憶遺産」登録を目指して、積極的な取り組みを
進めています。



【戦後70年、薄れゆく引き揚げの記憶 舞鶴から世界に語り継ぐ】

舞鶴市では、引き揚げ事業終了から30年の節目の年にあたる昭和
63年4月、シベリア抑留体験者をはじめ、市内外の多くの方々の
支援を受け、「年々遠ざかりつつある戦争や引き揚げの史実を語り
継ぎ、平和の尊さ、平和の祈りを発信する」ことを目的に、引揚記念
公園内に「舞鶴引揚記念館」が開館しました。
さらに平成6年には、かつて約66万人の引揚者を出迎えた
「平桟橋」(たいらさんばし)があった場所に「平引揚桟橋」を復元しま
した。
シベリア抑留と引き揚げは、第二次世界大戦の敗戦と日本帝国の
崩壊に伴う混乱の中で起こった事象であるために、公式文書の現存が
かなり乏しい状況にあります。
そうした資料状況を補い、舞鶴引揚記念館が所蔵する「シベリア抑留
と引き揚げ関連資料」(仮称)は、戦争がもたらした引き揚げという惨禍
を生き抜いた一人ひとりの人間性あふれる真正の記録なのです。

しかし、戦後70年近く経ち、引揚者の高齢化が目立ち、生存している
方も少なくなってきた現在、戦争を知らない世代の増加と共に、引き
揚げの史実は“過去の出来事”になりつつあります。

そこで舞鶴市は、シベリア抑留者や引揚者が命と共に奇跡的に持ち
帰ってきた貴重な資料を末永く次世代を担う子どもたちに継承し、
平和の尊さを一人でも多くの方に発信していくことを目的に、戦後70
年目にあたる平成27年、「ユネスコ世界記憶遺産」への登録を目指
すこととなりました。



【舞鶴発、東京経由、全国へ!舞鶴の知名度向上活動】

舞鶴市は「ユネスコ世界記憶遺産」の登録を目指し、現在、来年
(平成26年) 3月の申請に向けて申請書を作成中です。
 
今回の申請および「シベリア抑留と引き揚げの関係資料」(仮称)が
舞鶴市だけのことに留まるのではなく、世界にとっても唯一無二の貴重
な資料であることを全国に発信し、理解を深めてもらうために“引き
揚げのまち・舞鶴をアピールする「特別展」と「シンポジウム」を、都内で
来年2月に開催する予定です。


また、劇団四季で数多くの作品でメインキャストを務め、現在、東京を
中心に、俳優・演出家・脚本家として活躍されている望月龍平氏(NP
O法人OFF OFF BROADWAY JAPAN主宰)から、“引き揚げ”をモ
チーフにした物語の創作と舞台化にあたり、シベリア抑留と引き揚げに
関する資料提供、引揚者および引き揚げに携わった方々への取材
調整などの申し入れがありました。
 
舞鶴市は「シベリア抑留と引き揚げ」をテーマにした演劇を通じて、
戦争を知らない世代に対して、二度と起こしてはならない戦争の悲劇、
戦争によって起きたシベリア抑留と引き揚げの歴史、そして命と平和の
尊さをアピールできる好機と捉え、今夏、舞鶴引揚記念館が中心と
なって望月氏の創作活動に協力。このほど、望月氏演出による“再
出発の地・舞鶴”を舞台にした音楽劇「君よ生きて」(仮タイトル)が、
来年3月都内での上演が決定しました。


《特別展の全体概要》
■催事名称
「舞鶴から世界へ ~引き揚げの記憶展~」(仮称)
■会期
平成26年2月8日(土)~23日(日)
■場所
東京タワー フットタウン3階「タワーギャラリー3・3・3」
■所在地
東京都港区芝公園4-2-8
■入場⇥
無料
■展示内容⇥
シベリア抑留中に使用していた衣類や俘虜用郵便葉書などを展示。


《シンポジウムの全体概要》
■催事名称
「世界記憶遺産登録推進記念シンポジウム」(仮称)
■日時⇥
平成26年2月(上記特別展開催期間中に開催予定)
■場所⇥
調整中(東京都内)
■テーマ
薄れゆくシベリア抑留や引き揚げの史実と平和の尊さを発信する。
また、世界記憶遺産申請の意義を考える。
※詳細は決定次第、発表します。


《音楽劇「君よ生きて」の全体概要》
■タイトル
「君よ生きて」(仮タイトル)
■ジャンル
音楽劇
■内容
「再出発の地・舞鶴」を舞台に、戦争という運命に翻弄された若者達
が時代を懸命に生き、大切な人へ「生きて」と願った思いこそが、今の
自分の命や縁につながっている。そして、そのつながりの中で自分は
「生きて、生かされていること」に気づく若者の姿を通して、現代の日本
人の心の在り方を問う。
ノスタルジックなムードをピアノ、バイオリン、ギターの生演奏と俳優達の
熱き歌声で堪能できる音楽劇。
音楽は、舞台「鏡の法則」で楽曲提供及び、謳い人として出演し、大絶
賛を浴びたユウサミイ。
脚本は、「WAYOUT」を始め数々のミュージカルを手がけてきたまきりか。
出演は、武藤寛や小西のりゆき、北村毅を始めミュージカル界のハート
フルな実力者を集結させる。
■スタッフ
演出 望月龍平
脚本 まきりか
音楽 ユウサミイ
企画・製作 RYUHEI MOCHIZUKI THEATRE COMPANY
■キャスト
武藤寛
小西のりゆき
北村毅

■公演回数
全10回公演
■公演日程
平成26年3月19日(水)~24日(月)
初日公演3月19日(水)夜公演19時
3月20日(木)~23日(日):昼・夜公演(各日各1回)
3月24日(月):昼公演のみ
■劇場
サンモールスタジオ
所在地:東京都新宿区新宿1-19-10サンモール第3M-B1
電話:03-3350-0335(劇場ロビー)
最寄駅:東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前駅」下車徒歩約2分
■料金
前売券5,500円
当日券6,000円
■チケット前売り開始
平成26年1月上旬予定



【歴史的背景(1)引き揚げのまち・舞鶴】

舞鶴は、明治34年の舞鶴鎮守府の開庁以来、日本海側で唯一の
軍港都市として発展してきました。
昭和20年、第二次世界大戦の敗戦に伴い、海外諸地域に残された
約660万人の日本の軍人・軍属と民間人を速やかに日本に帰国
させる“引揚事業”が国の事業として開始することになりました。
海外からの引揚者を受け入れるために、舞鶴港をはじめ、呉・佐世保・
博多など全国10カ所の港を引揚港に指定し、引き揚げを支援する
引揚援護局を設置しました。
舞鶴港は、旧ソ連や朝鮮半島、旧満州(現・中国黒龍江省など)から
の復員や引揚者を、昭和20年10月7日、韓国・釜山からの最初の
引揚船の入港から昭和33年9月まで、13年間にわたって約66万人
と遺骨1万6,000余柱を受け入れてきました。
特に、舞鶴港が日本で唯一の引揚港となってからは、日本人の引き
揚げの記憶を象徴する港となりました。
舞鶴港は、日本海を隔てソ連と隣接する地理的位置にもあり、ソ連・
ナホトカ港からの引揚者を数多く受け入れ、最終的に舞鶴港への
引揚者総数66万4,531人のうち、ソ連領からは全体の約7割近くに
なる約46万人を受け入れました。
そのため舞鶴引揚記念館(昭和63年開館)には、特に、全国のシベ
リア抑留体験者から多くの関連資料が寄贈され、所蔵されています。



【歴史的背景(2)再会と再出発のまち・舞鶴】

昭和20年、軍港だった舞鶴港が一転して引揚港に指定されて以来、
舞鶴市では引揚船が入港するたびに、湾内定期船や漁船などで
出迎え、小旗を振るなどして心から歓迎しました。
また、筆舌に尽くしがたい苦労の末、帰国され心身ともに疲弊した
引揚者を慰めようと、慰問やお茶の接待、芋をふかしたふるまいなど、
心づくしでお迎えしたまちの歴史があります。
引揚船の乗船人数は概ね2,000~3,000人で、多い日には1日に
4隻が入港しました。引揚船にランチ(小型船)が横づけされ、引揚者
はこれに乗り換えて平桟橋(たいらさんばし)に上陸します。平桟橋は、
引揚者にとって夢にまでみた祖国への第一歩をしるしたところであり、
肉親などとの感激の“再会の場”となりました。
このような舞鶴港での引き揚げの様子、肉親との再会、今だ帰らぬ
わが子や夫を待つ夫人の姿が、いつしか「岸壁の母」や「岸壁の妻」と
いわれ、歌謡曲や映画になって人々の涙を誘いました。



【ユネスコ世界記憶遺産の主な登録候補資料】

舞鶴市は、登録候補の「シベリア抑留と引き揚げ関係資料」(仮称)
約580点を3区分に分類し、主な資料は以下の通りです。

《A区分》シベリア抑留体験の記録
■白樺日記
シベリア抑留中の日々の様子や心情を、文章や和歌などの歌で
つづった日誌。
白樺の皮をはいでノートにし、ペンは空き缶の先を尖らせ、収容所の
ストーブの煤を水に溶いてインク代わりにした手作りのもの。

《B区分》安否を気遣い帰還を願う日本の家族に関する資料
■「岸壁の母」が息子に宛てたはがき
映画や歌謡曲で知られる「岸壁の母」のモデルと言われている端野いせ
(はしの・いせ)さんが、息子が引き揚げて来た時の連絡用に書いて、
舞鶴引揚援護局に預けたはがき。後日、該当者なしでいせさんの
もとへ返送された。

《C区分》引揚実施関連資料
■引揚船乗船者名簿
中国から昭和30年3月に入港した引揚船「興安丸」の
乗船者名簿。





企業情報

企業名 舞鶴市
代表者名 多々見良三
業種 国・自治体・公共機関

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