グルジアで急増する避難民に対する国際協力NGO、CAREの支援活動

グルジアで緊急支援を必要としている人々の数が急速に増え続けています。現在、CAREは、地方自治体や他の支援団体と連携して、食糧、水と衛生用品、ベッド、その他の食糧以外の必要物資を紛争で家を追われた何万人もの人々に提供しています。

(トビリシ、2008年8月13日)

グルジアで緊急支援を必要としている人々の数が急速に増え続けています。現在、CAREは、地方自治体や他の支援団体と連携して、食糧、水と衛生用品、ベッド、その他の食糧以外の必要物資を紛争で家を追われた何万人もの人々に提供しています。

CAREの支援活動は、首都トビリシ近郊の5つの地域をはじめ、ボルジョミアハルチヘ地区とグルジア東部にかけての数箇所を中心に行われています。これまでに食糧、衛生用品、その他の食糧以外の必需品などを各家庭に配布しました。これらには、生まれて1カ月の子どもがいる世帯も含まれています。

グルジアにいるCAREの緊急支援担当ディレクター、David Gazashviliは、次のように話しています。「ニーズの全体的な規模はまだ完全に把握できておらず、私たちは引き続き調査をしていきます。自分自身や家族のための安全な場所を求める人の数は一層多くなっています。CAREは、人道支援団体が支援を必要としている人々に支援を届けられるよう、すべての関係者に呼びかけています」。

多くの国内避難民がいるトビリシや近郊の都市約210箇所で登録をすませた人の数は、2万3000人以上におよびます。その多くが、南オセチア地区からの人々です。こうした避難民の数はこれからまだ増え、10万人に上るだろうと予測されています。

支援を受けている人々との会話から、ほとんどの人が深い悲しみに苦しんでいることがわかりました。ツヒンバリ地区からやって来た50歳の女性は涙ながらに話しました。「ガソリンスタンドが爆破され、私たちは燃料を得ることができませんでした。ですから、車を残して歩くしかなかったのです。私たちは、一切何も持たずに着の身着のまま逃れて来ました。空爆の音を聞きながら森の中を逃げて来ました。二度、爆弾が私たちのすぐ近くに落とされ、私たちは皆、ほこりにまみれて、お互いが見えなくなってしまったこともあります。仲間のうち数人が怪我をし、二人が死亡しました」。

「私の3歳になる孫娘が、『いつになったらお家へ帰れるの?』と聞くのですが、一体何と答えればいいのでしょうか。こうして家を追われた今、私たちは一体どうすればいいのでしょう。これまでに築き上げた生活や財産はすべて破壊されてしまったのです」。

CAREは、国内避難民の正確な数と特定のニーズを把握するために、Ministry of Refugees and Accommodation (MRA)、トビリシ市長、地方自治体の代表者たちなどと密接に協力して、直ちに緊急の対応を開始しました。

緊急事態が発生した翌日からCAREは配布活動を開始し、トビリシとその近郊の町のおよそ2000人の人々に救援物資を提供しました。配布された物資には、水や食糧(そば粉、米、穀物、植物油、パン、パスタ、塩、缶詰の食糧、マカロニ、砂糖、茶などを含む)、乳幼児のための食糧と必需品(粉ミルク、おかゆ、おむつ)、洗面用品(石けん、トイレットペーパー、ゴミ袋、生理用品、洗面器、タオル)などが挙げられます。

「こうした緊急支援段階で必要な資金に加えて、長期的な国の再建のためにさらなる資金が必要となります。避難民となった人々が平和と尊厳を取り戻し家族や自分の生活を支えていくことができるよう、支援のための戦略を立てていくことが非常に重要です」。CAREのグルジア現地事務所代表、Jonathan Puddifootは、このように話しています。

「冬支度が絶対に欠かせません。グルジア周辺の冬の気温はマイナス30度にまで下がることもあります。トビリシの冬の平均気温はマイナス5度です。避難民の人々が暖房設備の整ったシェルターに住めるようにしておかなければなりません。水道設備や食糧の貯えが霜や凍結から守られること、人々が防寒用の衣服をきちんと身につけること、そして霜が降りても衛生設備が正常に機能することが必要です。今後も食糧や食糧以外の生活用品の需要が続き、さらに医療や教育、経済面や法的なサポートの必要性も増えてくると思われます」。

「もちろん、ほとんどの人々が自分たちの家に帰りたいと願うはずです。ですから、住居や学校・水道設備・橋などといったインフラを修復することは必要です。しかし、地雷撤去や武装解除、そして安全な移動が保証されるまで、それは難しいでしょう」。Puddifoodはこのように述べています。

彼はまた、避難民の中には新しい環境の中で長期に渡り生活せざるを得ない人々が出てくる可能性を指摘し、新しい環境に適応していくために、スキルトレーニング、職業、住居、土地の取得、移住のための資金、新しい社会に溶け込むための手助けが必要とされるだろうと述べています。また、自分の家に戻る人々には、住居の改築、農地の再建、ビジネスの再開、新しい販売ルートの開拓などの面での手助けが必要となることが予測されています。


(トビリシ、2008年8月16日)

グルジアにおいて緊急支援活動を行っているCAREは、軍や民兵などの存在が確認され、治安状態が悪化しているハシュリにいる国内避難民への配布活動を今日、一時的に中断しました。このような状況は、グルジア西部の国内避難民のニーズ調査や配布活動を妨げています。

すでに4000人以上の国内避難民がハシュリ地区に身を寄せており、その数は毎時間ごとに増えています。7万3000人以上が首都トビリシやその他の地区の600を超える避難所に登録されています。そして、この数字は今後10万人に達すると予想されています。

CAREは再度、すべての関係者に対し、人道支援団体が支援を必要とする人々への安全なアクセスを確保できるよう、呼びかけています。支援団体に対するこのような制限は、後に回復困難な人道的危機を確実にもたらすことになるのです。

緊急事態が発生した翌日から現在まで、CAREは、補助食品、野菜、食糧以外の必需品、衛生用品、飲料水、子どものケアと栄養確保のための必需品、寝具などの配布活動を行い、支援した国内避難民の数は5000人に達しました。

配布活動は、グルジア西部においては一時的に中断していますが、トビリシおよびグルジア東部においては、継続して行っています。


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