5月13日、「マリファナ・マーチ」と「ヒューマン・パレード」に多くの市民が参加しました

5月13日(日)、東京・青山公園(南地区)でマリファナ・マーチを開催し、約1000人が参加。午後4時から青山、表参道、原宿を周り渋谷駅前の宮下公園まで500人が「ヒューマン・パレード」を行いました。わたしたちは、これらの成功を公表するとともに、大麻の非犯罪化(社会的容認)を強く求めていることを訴えます。

5月13日、「マリファナ・マーチ」と「ヒューマン・パレード」に多くの市民が参加しました
(2007年5月14/カンナビスト事務局)

 5月13日(日)、東京・青山公園(南地区)でマリファナ・マーチを開催し、約1000人が参加しました(注1)。青山公園(南地区)は新国立美術館のすぐ隣り、小山になった敷地の裏は在日米軍のヘリコプター飛行場、正面には広大な青山墓地が広がり、六本木ヒルズ、東京ミッドタウンもすぐ近くという場所です。そんな東京のど真ん中にある森(公園)の中で、音楽、ダンス、パフォーマンス、ライブペインティング、法律相談など多彩な催しが行われました。
 緑の深まってきた公園のなかの2カ所にDJブースが設置され踊る人たちがたくさんいました。会場内でコスチュームコンテストが開かれ、運動場ではボング(喫煙具)の遠投競技が行われました。現在の大麻規制の問題点を指摘したパネル展示を熱心に読む参加者もいました。昼12時からはじまった集会は、だんだん人が増え、午後3時すぎには狭い公園は人でいっぱいになりました。
 (この催しは日本国憲法第19条(思想・良心の自由)、21条(表現の自由)に基づき、法律を遵守して行われました)。
http://www.cannabist.org/report/mmm2007/index.html
http://marijuanamarchjapan.blog56.fc2.com/

■午後4時から青山、表参道、原宿を周り渋谷駅前の宮下公園まで500人が「ヒューマン・パレード」を行いました。それは「大麻問題は人権問題」「大麻は悪くない」「医療大麻を認めて」といったプラカードを手にした何百メートルもの長蛇の人の列になりました。海賊のコスチュームやアニメの主人公、袴姿といろいろなコスチュームの参加者も混じっていました。
 青山公園のある六本木地区から青山一丁目、表参道、原宿、渋谷までDJの音楽が流れ、「大麻は悪くない」「ゆきすぎた取締りは間違っている」「大麻について本当のことが言えないのはおかしい」と声をあげました。
 車を停めて窓を開け手を振る人がいたり、ショップの店員さんたちが店を飛び出して歩道をしばらく一緒に歩いたりと、パレードを目にした街頭の人々の中に、理解を示してくれた人が大勢いました。今の世の中では、「犯罪」と見なされている「大麻」について、多くの市民がわたしたちの意見に耳を傾け、理解を示してくれました。

 わたしたちは、マリファナ・マーチ、ヒューマン・パレードの成功を公表するとともに、大麻の非犯罪化(社会的容認)を強く求めていることを訴えます。

■会場で公表された「マリファナ・マーチ 東京宣言2007」

マリファナ・マーチ 東京宣言2007

2007年5月13日 マリファナ・マーチ(東京)参加者一同

 大麻取締法は、大麻の所持を最高懲役5年、栽培を最高懲役7年と世界の先進諸国の中でも例外といえるほど過度に重い刑罰を科しています。
 しかし大麻には著しい有害性は認められません。それが先進諸国の間では共通認識になっています。オランダ、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、スイス、ロシア、カナダ、オーストラリアなどでは大麻は刑事罰の対象から外されています。アメリカでも、12の州では州法で非犯罪化(社会的容認)され、連邦法でも常習的ではない個人の所持や栽培に関しては、日本のような重い刑罰を科せられることはありません。
 日本でも、これまで大麻により健康障害は起きていません。大麻を嗜好品として用いられはじめた1970年代の前半から30年以上の年月が経ち、大麻の体験者数は推計で数十万人から100万人規模といわれますが、国内の医療機関では大麻によって健康障害が起きた事例は報告されていません(注1・2)。

 日本の大麻取締まりの実状を見ると、大麻の使用による弊害よりも、大麻取締りによって起きている失業や学業の中断、精神的苦痛、家庭生活への打撃、社会的制裁など弊害の方が大きいと言わざるをえません。これは公権力による人権侵害と言っても過言ではありません。
 日本では、大麻問題について公正な議論ができません。長年にわたり、偏見や誤解に基づき大麻を有害で危険な薬物だと見なしてきたため、公に議論することがタブーになっています。その一方、大麻の体験者は数十万人から100万人と推定され、逮捕者は年間3000人を超えています。こういった数字は、大麻規制のあり方が、社会的に議論されるべき問題になっていることを示しています。
 わたしたちは、大麻問題を解決するために国、マスメディアに対して以下のように要望いたします。
 
(1) 大麻の少量の個人使用の所持・栽培については刑事罰の適用を止めて非犯罪化を求めます。
(2) 薬物政策に関して、使用者を刑事罰で罰する政策から治療により社会復帰を実現する政策に転換するよう求めます。
(3) 現在、刑務所の定員オーバーが問題になっていますが、その対策として法務省で検討している代替刑を「薬物犯罪」にも適用するよう求めます。
(4) 大麻取締法を合憲とした1985年の最高裁決定の見直しを求めます。
(5) 難病で苦しんでいる患者さんたちが医療大麻を治療に用いることができるようになることを求めます。
(6) 大麻の農業・産業利用のために大麻規制の緩和を求めます。
(7) 現在、全国で新たな大麻取扱者免許は事実上、交付されない状況にありますが、このような不公正な扱いを改め、適格な申請者には免許を交付するよう求めます。
(8) 大麻を原料にしたバイオエタノール燃料の研究を進めるよう求めます。
(9) マスメディアに対し大麻の有害性が高くはないという事実、大麻の規制の見直しを求める意見が存在している事実を報じるよう求めます。

 (付記──わたしたちは日本国憲法で保障されている基本的人権を尊重するとともに、多様な価値観の共存、社会的少数者の人権に配慮するよう訴えます。特に、これまで人権の問題としては十分認知されてこなかった新しい人権について、具体的には薬物問題、難民認定申請を行っている在日外国人の人権、性的マイノリティの人権について、理不尽な境遇が改められるよう求めます。)

(注1)『行政文書不開示決定通知書』(厚生労働省発薬食第0408033〜66号)。
(注2)(2003年度)『薬物使用に関する全国住民調査』平成15年度厚生労働科学研究費補助金(医薬安全総合研究事業)分担研究報告書、国立精神・神経センター精神保安研究所 薬物依存研究部

○連絡先 カンナビスト(注2) 電話03-3706-6885 090-6049-0518

(注1)マリファナ・マーチは毎年5月に世界各国の180を超える都市、町、村で行われる非営利の世界同時イベントです。大麻(マリファナ)の規制の見直しを求めて1998年にスタートし、日本では東京、大阪、札幌などで開催されています。
 マリファナ・マーチの世界共通スローガン……「医薬品として認めよ!(Release The Medicine) 大麻で逮捕するな!(Stop All Cannabis Arrests) 病人を救え!(Heal The Sick)真実を語れ!(Stop The Lies) 自由を奪うな!(End The Prison State)」

(注2)カンナビスト……日本の大麻(マリファナ、カンナビス)取締りは、著しい有害性は認められない大麻に対し過剰に厳しい刑罰を科しており、年間3000人以上の市民が逮捕されている状況は公権力による人権侵害であると訴えている非営利の市民運動。
1999年設立、会員4288人。http://www.cannabist.org/

企業情報

企業名 市民団体カンナビスト
代表者名 麦谷尊雄
業種 未選択

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