水で汚れが洗い落とせる壁紙

　汚れがひどくなると張替えるのが一般的な壁紙において、簡易的に汚れ落としができたら張替え不要となり、コスト面、環境面でのメリットが大きい。このため、現在、表面に透明フィルムをラミネートした汚れ除去性の高い壁紙が各社から販売されている。しかしながら汚れを除去するには、汚れに応じていくつかの薬剤を使い分けなければならない。また、施工性が非常に悪い上に、経時にて変色する等の欠点が指摘されている。
　そこで全く発想を転換して、こびり付いた汚れを皮膜の一部とともに除去できるように、ちょうど魚のウロコのように細かな層が重なった皮膜構造を形成させることで、簡易的な汚れ除去を可能とするコーティング剤を開発するに至った。壁紙本来の外観、風合いを変えないのも大きな特徴である。
　この壁紙を研究開発するに際しては、国の補助金（平成１８年度中小企業・ベンチャー挑戦支援事業のうち実用化研究開発事業）によって進め、３月末に実用化の目処がついた。４月より「CORe−WALL」の商品名で、１０００クラス（カタログ価格：1,000円／ｍ）の壁紙として試作販売を開始した。

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　　　　　　　　　　　　　　　　窪田